高い精度と造形美を極めたゼニスの新作

文：名畑政治 / Text：Masaharu Nabata
編集：戸叶庸之 / Edit：Tsuneyuki Tokano

※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。

　2021年は新春そうそうに「クロノマスター スポーツ」で話題をさらったスイスの名門ゼニス。そのゼニスが2022年の初頭、またまた話題沸騰の新作を発表した。それがシャープなエッジが際立つ「デファイ スカイライン」と、カーボンファイバーとチタンという複合素材の強靭なケースを持つ「デファイ エクストリーム カーボン」である。では早速、注目の新作の詳細を紹介しよう。

時計を未来へと導く「デファイ」コレクションに
最新作「デファイ スカイライン」登場

「デファイ」とはゼニスが1906年に発表した頑丈で精密な懐中時計につけられた名称「DEFY」（挑戦という意味）を原点とする。この懐中時計が1960年代末ごろ、当時のゼニスにインスピレーションを与え、1969年、同じく「デファイ」と命名された腕時計のコレクションが誕生した。つまり1969年からの腕時計「デファイ」が、現在の「デファイ」コレクションの直接的なルーツである。

　そして、この新作「デファイ スカイライン」では、当時のエッジの立ったフォルムをベースに、先端的かつ未来的なフォルムを造形し、新時代の腕時計としての堅牢性や耐久性、精密さとスポーティさを表現することに成功している。

　では具体的に見てみよう。このモデルを何よりも特徴づけるのが、ダイアルに施された星型のエンボス模様。これは1960年代にゼニスが用いた「ダブルZ」のロゴを現代的にモディファイし、4つの点を結んだ星を並べた独自のパターンだ。

ダイアルに隙間なく刻まれた星型の模様は、1960年代のゼニスが用いた「ダブルZ」ロゴをモディファイし、4つの点を結ぶことで生まれた独創のパターンである。

　ベゼルにも注目したい。ケース形状は、近年に復活し高い人気を獲得した「デファイ A3642」など、初期の「デファイ」の特徴である八角形フォルムを踏襲しているが、そこにセットされたベゼルには12角形が採用されている。これは単なる装飾ではなく、12角形にすることでアワーマーカーとしても視覚的に機能することを目指したもの。さらに、この12角形ベゼルには角度をつけたファセット加工が施され、光を受けて美しいエッジが浮かび上がる。

　また、搭載する10振動／秒（5Hz）の高い振動数を誇る「エル・プリメロ 3620」により、9時位置のセコンドカウンターは60秒で1回転の通常のスモールセコンドではなく、10秒ごとに1回転する1/10秒針となっている点にも注目したい。

デファイ スカイライン

直径41mmのスチール製八角形ケースにファセット加工された12角形のベゼルをマッチされた新作。1/10秒という高い精度を誇る初のセコンドカウンターを9時位置に装備し、対抗する3時位置にデイト表示をセットした均衡の取れたデザインも特徴だ。ステンレススチール製ブレスレットと文字盤に合わせたブルーのラバーストラップが付属。

■03.9300.3620/51.I001 ■41mm ■ステンレススチールケース＆ブレスレット(ブルーラバーストラップ付属) ■自動巻き ■10気圧防水 ■￥1,210,000(税込)

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デファイ スカイライン

新作「デファイ スカイライン」のブラック・ダイアルのモデル。落ち着いたブラックのダイアルを採用することで、ケース、ベゼル、ブレスレットに施されたファセット加工のエッジがより際立って目に飛び込んでくる。防水性はねじ込み式のリューズにより10気圧（100ｍ）を確保し、日常生活はもちろん、アウトドアなどタフな状況にも対応する。

■03.9300.3620/21.I001 ■41mm ■ステンレススチールケース＆ブレスレット(ブラックラバーストラップ付属) ■自動巻き ■10気圧防水 ■￥1,210,000(税込)

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デファイ スカイライン

ビジネス・シーンでも違和感のないクリーンなシルバー・ダイアルを装備するモデル。写真ではステンレススチール製のブレスレットが装着されているが、ボタン操作による独自のクイックストラップチェンジ機構により、付属するカーキグリーンのラバーストラップにツールなしで簡単に交換が可能。

■03.9300.3620/01.I001 ■41mm ■ステンレススチールケース＆ブレスレット(カーキグリーンラバーストラップ付属) ■自動巻き ■10気圧防水 ■￥1,210,000(税込)

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ケースからベゼル、ブレスレットに至るまで、「デファイ スカイライン」ではエッジに鏡面仕上げのファセット加工を施すことで、その輪郭がスムーズに繋がり、光を受けてキラキラと輝く。このステンレススチール製ブレスレットの表面はサテン仕上げが施されている。

ラグ裏の安全ボタンを押すことで簡単に固定が解除され、ツールを使うことなくブレスレットやストラップの交換が行えるクイックストラップチェンジ機構を装備。そしてブルー・ダイアルのモデルにはブルー、ブラック・ダイアルにはブラック、シルバー・ダイアルにはオリーブグリーンの星空がセンターにエンボスされたラバーストラップが付属する。

「デファイ スカイライン」に搭載されるのは、新開発の高振動自動巻きムーブメント「エル・プリメロ 3620」。一体型の自動巻きクロノグラフである「エル・プリメロ 3600」の構造をもとに開発されたこのシンプルな3針デイト付きムーブメントは10振動／秒（5Hz）の脱進機から1/10秒針を直接駆動する。また、正確な時刻設定のための秒針停止機構も搭載。

究極の性能を発揮するカーボン＆チタンの
「デファイ エクストリーム」新作

　10振動／秒（5Hz）の脱進機で時刻を表示し、100振動／秒（50Hz）の脱進機で1/100秒の精度で計測できるクロノグラフを駆動するという、ふたつの脱進機によって高い精度と信頼性を獲得した「デファイ エクストリーム」に、カーボンファイバーをケースに使用した新作が登場した。

　このモデルは、世界初の電動オフロードカーによるラリーのレースシリーズ「エクストリームE」にインスピレーションを得たもの。ゼニスはこのレースシリーズで、公式タイムキーパー兼設立パートナーを務める。

　自動車業界や航空機業界など最先端の技術分野で多用されているカーボンファイバーをケース、クロノグラフのプッシュボタン、リューズに採用。そして、プッシュボタンのプロテクターや12角形のベゼルには、きめ細かなマイクロブラスト加工が施されたチタンが用いられている。

　ダイアルもこの複合的なケース構造に呼応し、マルチレイヤーのオープンワークが施されている。外周の1/100秒目盛りはイエロー、3時位置の30分計はブルー、6時位置の60秒計はグリーン、9時位置のスモールセコンドにはホワイトと、「エクストリーム E」の「X Prix」カラーからインスピレーションを得た彩色がダイアル上のカウンター＆インジケーターに施されている。

　この「デファイ エクストリーム カーボン」にはチタン製フォールディングバックル付きテクスチャー加工のブラックラバーストラップ、テクスチャー加工のレッドラバーストラップ、カーボンファイバー製バックル付きブラックのベルクロストラップという、3つのストラップが付属。この交換にはツールは不要。ケースバックのボタンによるクイックストラップチェンジ機構によって簡単に付け替えられる。