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YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第54回~

誕生50周年を迎え、
なおも愛され続ける「モナコ」の真価

2019.10.4
■TAG Heuer(タグ・ホイヤー) ■モナコ キャリバー11 ■CAW211P.FC6356

文:竹石祐三 / Text:Yuzo Takeishi
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。

「カレラ」と並び、TAG Heuer(タグ・ホイヤー)のアイコニックなコレクションとして知られる「モナコ」。1969年に世界初の自動巻きクロノグラフとしてデビューを飾るのみならず、スクエアケースに初めて防水性能を付与したこの歴史的タイムピースが、2019年、誕生から50年の節目を迎えた。デビュー当時から基本路線を変更せず、スクエアケースに鮮やかなブルーのダイアルと赤いクロノグラフ針を組み合わせた、一見してアバンギャルドなデザインを持つこのモデルは、なぜ今も支持を得ているのか。その真価を探る。

世界初の角形防水自動巻きクロノグラフ「モナコ」

 腕時計の自動巻きシステムは、1940年代後半から1950年代にかけて優れた機構が次々と開発され、これに伴い、1960年代に入ると自動巻きは機械式時計の主流となっていった。こうなると、手巻き式クロノグラフが古いものに感じられてしまうことは避けられず、次第に市場からはクロノグラフの自動巻き化を望む声が大きくなっていく。自動巻きクロノグラフの開発は、スイス時計業界の最重要課題となったのだ。

 だが、開発には潤沢な資金と技術力が必要となる。そこで1963年、ホイヤー(当時)のCEOであったジャック・ホイヤーは各社に声をかけ、共同開発の道を進むことを決断。この呼びかけに応じたのが、ダッシュボードクロックで共同開発を行なった実績があるデュボア・デプラ、ビューレン(その後、同社を買収したハミルトンが参加)、そしてブライトリングだ。

 この4社によって開発が進められ、1969年3月3日に発表されたのが世界初の自動巻きクロノグラフ・ムーブメント「クロノマチック」である。クロノグラフ機構をモジュール化した先駆で、特徴はリューズを9時側に配置したこと。ホイヤーでは、このムーブメントを「クロノマチック キャリバー11」と名付け「モナコ」への搭載を決定するが、さらにこのモデルにオリジナリティを与えるべく、世界初となる30m防水のスクエアケースを採用したのだ。


TAG Heuer(タグ・ホイヤー) 1969年発表のオリジナル「モナコ」

1969年に発表されたオリジナルの「モナコ」。自動巻きクロノグラフを共同開発した各ブランドの腕時計すべてが9時側にリューズを搭載していたが、なかでも角形でブルーのダイヤルを採用した「モナコ」の個性は突出していた。

TAG Heuer(タグ・ホイヤー) 1969年当時の「モナコ」の広告

1969年に展開された「モナコ」の広告では、巻き上げを必要としないことを思い出させるためにリューズを左側に移動したと、自動巻きのメリットをテキストとビジュアルによって強調している。

スティーブ・マックイーンとともに
注目を集めた「モナコ」

 しかし、このモデルが発表された当時は、必ずしも好評は得られなかったという。それもそのはず、左側にリューズが付いたスクエアケースで、メタリックブルーのダイヤルとレッドの針を採用していたのだから、当時としてはアバンギャルド過ぎたのだろう。

 そんな「モナコ」は、1970年になると一躍脚光を浴びる。この頃、すでにモータースポーツとの関わりを持っていたホイヤーは、1970年にスイス人レーシングドライバーのジョー・シフェールに「モナコ」を着用させてサーキットデビューを飾るとともに、翌1971年には映画『栄光のル・マン』で銀幕デビューも果たす。同作品に出演したスティーブ・マックイーン自らが、劇中で「モナコ」を着用することを希望したのである。


TAG Heuer(タグ・ホイヤー) スティーブ・マックイーン

1971年公開の映画『栄光のル・マン』で、スティーブ・マックイーンの腕に着けられた「モナコ」。これにより「モナコ」は注目を集めるようになる。

「モナコ」の復活。
そしてタグ・ホイヤーのアイコニックな存在へ

 だが、「モナコ」が本格的に注目を集めるのはそれから30年近くも後のことだ。1998年、タグ・ホイヤーは新たな「モナコ」を発売する。それは、ブルーのダイヤルにレッドの針、ホワイトのインダイヤルというオリジナルを想起させるデザインだが、防水性能は100mと大幅に引き上げられ、高い実用性を備えたモデルとして支持を得るようになる。

 これ以降、「モナコ」はタグ・ホイヤーを代表するコレクションのひとつとなるが、時計本体の進化は止まらない。特に2015年に発表された現行モデルではケースのフォルムにエッジを効かせ、さらに2時位置と4時位置のプッシュボタンを長方形に変更。ラグもやや大きくすることで、シャープな印象を与えるとともに、装着時のバランスの良さをも実現させたのだ。

 今や、タグ・ホイヤーのアイコンになってしまった「モナコ」のデザインに違和感を覚える人は少ないだろう。39mmのケースサイズは、オリジナル発表当時としては大きかったが、現在では小ぶりとも呼べるほどで腕馴染みもいい。そして、現在でも「モナコ」がアバンギャルドなルックスであることには変わりないが、実際に腕に載せてみるとスタイルを問わずに着けられる汎用性の高いデザインであることに気づくはずだ。

 現在、YOSHIDA(ヨシダ)の店頭には、オリジナルのデザインを踏襲したブルーダイヤルのモデルをはじめ、いくつものバリエーションが用意されている。店頭で実際に手に取り、長きにわたって支持されているオンリーワンの魅力をぜひとも感じ取ってほしい。


オンリーワンのデザインと実用性を兼備した
タグ・ホイヤー「モナコ」3選

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