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YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第80回~

高深度の融合から生まれた
ロジェ・デュブイのスーパーウォッチ

2020.4.3
■ROGER DUBUIS(ロジェ・デュブイ) ■ ■

文:篠田哲生 / Text:Tetsuo Shinoda
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。

「車好きは時計好き」という言葉がある。確かにどちらも機械の集合体であり、ラグジュアリーで官能的な喜びをもった稀有なプロダクトでもある。それゆえ時計×車のコラボレーションモデルは、数多く作られてきたし、これからもその流れは続くだろう。しかしユーザー目線で考えると、時計と車が単に協力するだけではなく、その深度も大切になる。ROGER DUBUIS(ロジェ・デュブイ)は、どこのブランドよりも車と真摯に向き合う。だからこそ、ランボルギーニとのコラボレーションモデルは、必ず自動車好きの琴線に触れる時計に仕上がるのだ。このアプローチを絶賛する時計店YOSHIDA(ヨシダ)が注目する2型を紹介しよう。

共鳴し合う異色のコラボレーション、
ロジェ・デュブイ×ランボルギーニ

 時計と車の関係は、もう100年以上になる。自動車の黎明期に車載メーターを製作していたのはスイスなどの時計メーカーであり、ダッシュボードに収めたクロノグラフなどで速度や燃費を計算していた。その後はモータースポーツの計時に進出し、区間ごとのタイムを計測してレース戦略を立てるといったプログラムの開発も担当していた。こういったスポーツウォッチのメーカーが、車とのコラボレーションウォッチを作るというのは当然の成り行きだろう。スピード感やレースへの情熱を共有し、それをデザインに落とし込むのだ。

 しかしこういった時計が、あまりにも増え過ぎてしまい既視感があるのも事実である。時計と車を深く愛する人々を満足させるコラボレーションウォッチは、どこかに存在しないのだろうか?


 ロジェ・デュブイとランボルギーニとのコラボレーションがスタートしたのは2017年のことである。数千万円クラスの時計を多くラインナップするラグジュアリー・ウォッチブランドが、このジャンルに参入するのだから中途半端な時計を作ることはないだろう…。

 そんな期待を余裕で飛び越えたコラボレーションウォッチの特徴は、“過激なエンジニアリング”と“前衛的なデザイン”という2社しか持ち得ない哲学を融合させたことにある。どちらも業界を代表するやんちゃなブランドだからこそ、その化学反応は強烈だったのだ。

 代表モデルは2019年に誕生した「エクスカリバー ウラカン」だ。ランボギーニのV10マシン「ウラカン」の名を冠したこのモデルの特徴は、ウラカンのデザインコードを時計に取り入れただけでなく、理想のデザインを具現化するために専用ムーブメントを開発してしまったことにある。ムーブメント開発は時間とコスト、そして優れた技術が必要となるが、ロジェ・デュブイはいくつもの特殊ムーブメントを所有するマニュファクチュールなので、このような戦略が可能になったのだ。


 早速「エクスカリバー ウラカン」を解析していこう。いきなり目に飛び込んでくるのは、左右対称のスケルトンムーブメント、キャリバーRD630。大きな6角形のフレームでムーブメントを支えるが、これはウラカンのヘッドライト周りやエンジン回りのねじれを防ぐストラットバーをイメージしたもの。6時位置に収まるツインバレルは左右対称でレイアウトし、カレンダーの数字はメーターから引用。シースルーバックから見える回転ローターは、タイヤホイールのようで、細部まで濃厚にスーパーカーの世界観を投影。ちなみに12時位置のテンプは12度の傾斜がつけられており、時計の鼓動を強く表現している。

 つまりロジェ・デュブイは、ランボルギーニの過激なエンジニアリングやデザインを表現するために、ゼロから機構を作り上げたということになる。それほど2社の結びつきは極めて強く、そして深いのだ。

 コラボレーションとは“合作”ということであり、両社の熱量が同じでなければ素晴らしい結果は生まれない。ロジェ・デュブイとランボルギーニは、お互いを尊重しつつ、妥協なきエンジニアリングと創造性をぶつけ合った。こういう時計は他にはない。

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