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YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第24回~

さらなる刺激を求める、ロジェ・デュブイ×ランボルギーニ

2019.3.8

文:篠田哲生 / Text:Tetsuo Shinoda
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

2019 SIHHで披露した深化するコラボレーション

 毎年多くの新作時計が発表されるSIHHだが、今年のROGER DUBUIS(ロジェ・デュブイ)の戦略は違った。発表された新作はわずか2型。しかしそこには明確なメッセージが見える。彼らの目的は、Lamborghini(ランボルギーニ)とのパートナーシップの強化にある。ブース前にはランボルギーニのレース車両が展示され、印象的なテールランプのデザインをブース内に取り入れることで、両社の密接な関係性を表現。そして虎の子の2モデルは、どちらもランボルギーニとの結びつきを語るデザインを取り入れる。この独自の戦略は、SIHHの会場でも異彩を放っていた。入荷は多少先になるわけだが、YOSHIDA(ヨシダ)の店頭でも早くも話題を集めている。

今年の1月に開催されたSIHHでは、ランボルギーニとのパートナーシップを強くアピールした。

 機械の集合体であり、実用性を超えた嗜好品であるという点が、大きな共通点となるハイエンドウォッチとスーパーカー。それゆえ両者は様々な形でパートナーシップを結んできた。しかしそのすべてが上手くいったとは言えないだろう。最も残念な結果になるのは、既存の時計に対して“スーパーカーのロゴマーク”を加える手法。しかしこれでは好機心旺盛なスーパーカーの所有者の興味を引くことはできないし、時計としての評価も高まらない。

 ではなぜロジェ・デュブイはランボルギーニとのパートナーシップを成功に導けたのか?そもそもロジェ・デュブイとランボルギーニはともに、「究極」を目指すことを旨にモノづくりを行っているという大きな共通点がある。さらには、どちらも超高額かつ少量生産ゆえ、メカニズムやデザインを限界までこだわることができる。その妥協なき姿勢こそが成功のカギとなっているのだ。

 さらにロジェ・デュブイは時計をデザインする上で、ランボルギーニのデザインコードを取り入れている。これも簡単な話ではない。腕に乗せるという制約がある以上、ケースデザインの自由度は小さい。となればダイヤルやムーブメントといった開発は困難な部分にデザインコードを取り入れなければいけないからだ。


 その点ロジェ・デュブイは、技術力に定評があるマニュファクチュールため、メカニズムから丸ごとランボルギーニのデザインコードを取り入れることができる。これが他社との大きな違いとなる。

 新作「エクスカリバー ウラカン」は、ランボルギーニのV10マシン「ウラカン」のデザインコードを取り入れている。最も象徴的なのは、6角形のブリッジで構成されたムーブメントCal.RD630。これは「ウラカン」のヘッドライトをイメージしたものである。さらに高性能エンジンの姿を彷彿とさせる左右対称のムーブメントレイアウトを採用し、6時位置には二つの香箱を積んで強力なトルクを発生させている。12時位置にはテンプを配置するが、12度傾けた状態でセットされている。これは時計を着用した際に、テンプの精度が安定する平行状態になるように計算されたものだ。

 ランボルギーニ「ウラカン」のデザインコードを取り入れるために、専用設計のムーブメントから開発してしまう。その姿勢こそが、このパートナーシップを魅力的にするのだ。


エクスカリバー ワン‐オフ

ハイパフォーマンスカーのデザインコードを取り入れた、ダブルフライングトールビヨンモデル。世界限定1本のみ製作され、すぐに売れてしまった。
■RDDBEX0765 ■47mm ■C-SMCカーボンケース ■ラバーストラップ ■手巻き ■5気圧防水 ■完売

 こういったパートナーシップのメリットとして、全く新しいメカニズムに挑戦できるという点も挙げられる。

「エクスカリバー ワン‐オフ」は、ランボルギーニのレース部門「スクアドラ・コルセ」と世界的タイヤメーカー「ピレリ」とのトリプルパートナーシップモデル。そのイメージソースとなったのは、スクアドラ・コルセがある顧客のために作った1台のみの超スーパーカー「ランボルギーニ SC18 アルストン スーパーカー」だ。

 インパネ周りをイメージした分針とジャンピングアワーを持ち、2つのダブルフライングトゥールビヨンは、それぞれが45度に傾いた状態でセッティングしており、重力の影響をキャンセルすることができるのだ。そしてストラップはピレリとのパートナーシップから生まれたもの。ピレリのレーシングタイヤに含まれるナイロンファイバーを取り入れており、軽さと快適さ、強度を高めている。

 ロジェ・デュブイ×ランボルギーニという組み合わせから生まれる時計たちは、どんな時計よりも前衛的である。しかしジュネーブに伝わる伝統的な時計技法を使っていることを証明する「ジュネーブ・シール」を取得しているというのも面白い。ハイレベルなメカニズムでありながら時計技術の本流であるという二面性も、"過激なコラボレーション"を完成させるスパイスとなっている。実機を手に取れる日が今から待ち遠しい。

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正規時計代理店YOSHIDA(ヨシダ)と、時計専門サイトGressive(グレッシブ)が、4名の執筆陣とともに送る連載企画。「なぜ、人は腕時計に惹かれるのか?」という普遍的なテーマのもと、名だたる一流ブランドの魅力に触れ、奥深い高級時計の世界へと誘う。

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