エンジニアリングの熟成を重ねた
ロジェ・デュブイの「アストラル・スケルトン」

文:篠田哲生 / Text:Tetsuo Shinoda
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano
文:篠田哲生 / Text:Tetsuo Shinoda
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano
2009年に誕生した星形のスケルトンムーブメントは「アストラル・スケルトン」と命名され、ロジェ・デュブイ(ROGER DUBUIS)のアイコンとなった。独創的な想像力と卓越した技術を組み合わせたこの時計機構が、今年、さらなる進化を遂げた。
近年、スケルトンウォッチが増えているが、その先駆けとなったのはロジェ・デュブイだろう。2005年に自社初のスケルトンムーブメントを発表。そして2009年にデビューしたスケルトンムーブメントは、初めからブリッジを星形に設計し、その構造自体を美しい表現とした。アストラル(星形)・スケルトンと命名したこの大胆な発想が評価され、ロジェ・デュブイはさらに人気を集めるのだった。
この星形のブリッジ構造が昨年、リニューアルされた。これまでは星形のブリッジでパーツを上下から挟んでいたが、新構造は香箱を下のブリッジのみ支える「フライングバレル」という構造となったことで、上部ブリッジに機能を持たせる必要がなくなった。そのため星を立体化させることができ、デザインの完成度が高まった。この新型設計は、まずはトゥールビヨンモデルに採用し、そして今年はオートマティックモデル「エクスカリバー モノバランシエ イーオンゴールド」にも採用された。
このモデルだが、他にも実用的な改良が加わっている。ユーザーメリットが大きいのは、72時間のロングパワーリザーブ化だろう。マスロット付きのフリースプラング式テンプに変更し、さらに脱進機はシリコン製のツメ石とガンギ車を使用し、歯車の歯のデザインを変更することで動力の伝達効率を高め、ロングパワーリザーブ化を実現した。さらにマイクロローターの素材をタングステン×ローズゴールドにすることで、巻き上げ効率を高めた。華やかな見た目とは裏腹に、実用性をしっかりレベルアップしている点に好感が持てる。
ちなみにモデル名の“モノバランシエ”とは、バランスホイール(テンワ)が一つという意味。時計としては当たり前のことだが、ロジェ・デュブイの場合は、ダブルトゥールビヨンなど複数のバランスホイールを持つモデルが珍しくないため、あえて一つです。と明言している。なんともロジェ・デュブイらしいネーミングだ。
最後にケース素材のイーオンゴールドだが、これはゴールドの割金にパラジウムと錫を使うことで褪色しにくくした独自素材だ。
「エクスカリバー モノバランシエ イーオンゴールド」は、その大胆なデザインに目を奪われるだろう。しかしディテールまで丁寧に考え抜かれており、ユーザビリティも高い。まさにロジェ・デュブイの本気が詰まった新作である。
エクスカリバー モノバランシエ ダイアモンド
ベゼルに60個のダイヤモンドをセッティング。アヴァンギャルドな時計だが、ジュネーブ市の伝統技術を継承していることを証明するジュネーブ・シールも取得。
■RDDBEX0953 ■42mm ■イーオンゴールドケース ■カーフレザーストラップストラップ ■自動巻き ■10気圧防水 ■¥10,505,000(税込)
YOSHIDA 東京本店
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