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YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第12回~

ロジェ・デュブイはなぜ売れる?

2018.12.14
■ROGER DUBUIS(ロジェ・デュブイ) ■エクスカリバー スパイダー 45 オートマティック ■RDDBEX0715

文:篠田哲生 / Text:Tetsuo Shinoda
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。

突如現れた、ラグジュアリー&ハイエンドウォッチ界の異端児。

 なによりも歴史を重んじるスイス時計業界において、自社製ムーブメントを製造するマニュファクチュールを名乗れるのは、数百年もの長い歴史を刻んできた老舗の特権。いわんや十数年に前に創業した新興ブランドが、ラグジュアリー&ハイエンドウォッチの隊列に加わる事など考えられなかった。しかしその常識は、1995年に創業した「ロジェ・デュブイ」によって打ち砕かれる。YOSHIDA(ヨシダ)の店頭でも異彩を放つ新鋭ブランドの実力に迫る。

ROGER DUBUIS(ロジェ・デュブイ) 「ロジェ・デュブイ」の工場外観

ジュネーブ国際空港近くの街メイランに拠点を構える「ロジェ・デュブイ」の工場。ガラス張りの社屋の先には、雄大な自然が広がっている。

 このブランドの出自はとても不思議だ。創業者は繊維業界で大成功を収めたカルロス・ディアス氏。時計愛好家だった彼は、理想とする時計を作るためにパートナーを組む、優秀な時計師を探していた。それがパテック フィリップで多くのコンプリケーションウォッチを担当し、その後独立して時計工房を開いていたロジェ・デュブイ氏だった。

 時計審美眼に長けたカルロス・ディアス氏と時計技術に通じたロジェ・デュブイ氏は、まずは95年ジュネーブに「ソジェム」という会社を立ち上げ、翌年に第一弾モデルをリリース。そして97年には早くもジュネーブ・サロンにてショーケース展示を行い、98年には社名を「ロジェ・デュブイ」とし、なんとジュネーブ・サロンに独自ブースを構えるに至るのだった。


ROGER DUBUIS(ロジェ・デュブイ) 「ロジェ・デュブイ」の工房

工房は近代的で、作っている時計もモダンでラグジュアリー。しかし時計師の仕事は、あくまでも手作業がメインである。

 しかしなぜ一介の新進ブランドが、これほどのスピードで業界から認められ、大成功を収められたのだろうか? それは徹底的な品質主義が、老舗ブランドたちのお眼鏡にかなったからである。

 なんと初代モデルから一貫して、ジュネーブに伝わる時計技術を継承していることを示す証である「ジュネーブ・シール」を取得している。その当時、“全てがジュネーブ・シール取得”というブランドはロジェ・デュブイしか存在しなかった。新進ブランドでありながら、歴史に敬意を払いながら時計を作っているという姿勢が評価されたのだ。

 老舗ブランドさえも一目置くラグジュアリー&ハイエンドウォッチの新星は、創業から10数年で30以上の自社ムーブメントを持つほどの規模へと躍進を遂げる。しかもその多くがハイコンプリケーションウォッチというスイス屈指の技巧派へと、あっという間に駆け上るのだった。世界でも指折りの時計店であるYOSHIDAもポテンシャルの高さに多大な期待を寄せている。


ROGER DUBUIS(ロジェ・デュブイ) ジュネーブ・シール

どれだけモダンなムーブメントであっても、「ジュネーブ・シール」を取得する。それがロジェ・デュブイのこだわりだ。

ROGER DUBUIS(ロジェ・デュブイ) ムーブメントCal.RD821

ロジェ・デュブイの根幹ムーブメントCal.RD821。これはロジェ・デュブイでは初めて、COSC認定クロノメーターも取得している。

 圧巻の時計技術を武器に時計業界を席巻したロジェ・デュブイは、創業から10年以上に渡って独立資本を貫いてきた。しかし、高い品質を維持しつつ、時計愛好家から寄せられるたくさんのリクエストに応えることは容易ではない。そこで2008年に高級時計のコングロマリット「リシュモン・グループ」の傘下に収まることで時計製造の体制を進化させ、品質をブラッシュアップさせることにする。

 幅広いファン層の期待に応えるべく、ドレッシーウォッチからハイコンプリケーションまでを幅広く展開し、デザインではモダンさを追求。美しいムーブメントを美しいケースで覆い、腕元のアクセサリーとして効果を発揮する時計作りに力を入れ始める。それは、重厚な歴史を持たない新進ブランドだからこそ可能になった戦略でもあった。

 そもそもラグジュアリー&ハイエンドウォッチを作ることが可能なブランドは、どれもが老舗の名門ばかりであるため、歴史と伝統から逃れることが難しい。そんな中でもロジェ・デュブイだけは、自由にクリエイティビティを発揮できる。だからこそ、特別な存在になれたのだ。


ROGER DUBUIS(ロジェ・デュブイ) 星型ブリッジのスケルトンムーブメント

近年力を入れているのが、星型ブリッジのスケルトンムーブメント。マイクロローターまでスケルトン仕上げにしており、見栄えへのこだわりは深い。

ROGER DUBUIS(ロジェ・デュブイ) デザインラフ画

一つだけでも十分に複雑なトゥールビヨンを二つも搭載するのは、ロジェ・デュブイの得意技。大胆なデザインも人気を集める理由だ。

 奇しくも2007年頃からスマートフォンが市場に溢れはじめ、腕時計の存在意義が実用品から嗜好品へと大きく舵を切り始めた。その流れと歩みを合わせるようにロジェ・デュブイは、時計の伝統的な技術や仕上げを現代的に解釈した“スケルトンムーブメント”や“ダブルトゥールビヨン”によって、まさに時代の寵児となっていく。

 時計愛好家にはその複雑さと難解さで、時計に詳しくない富裕層に対してはビジュアルインパクトで衝撃を与える比類なきクリエイティビティは、“他にはないモノ”を探す人々にとって見逃がせない存在になっている。

 では最後に、YOSHIDAのみで展開される「YOSHIDAスペシャル」の4本を交え、その魅力に触れてみるとしよう。

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    ■RDDBEX0714 ■45mm ■チタニウムケース ■ラバーストラップ ■自動巻き ■50m防水 ■限定15本

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【 連載コラム 】

ロングランの人気連載コラム。グレッシブが擁するベテランから気鋭のライターが、YOSHIDAが取り扱うタイムピースおよびブランドをご紹介します。時計の基本的な情報はもちろん、この連載ならではの様々な切り口で注目ブランドの魅力を解説します。パテック フィリップ、オーデマ ピゲ、ウブロなどの人気ブランドから新進気鋭まで名店YOSHIDAならではの審美眼について特集を展開します。

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