パテック フィリップの実力を証明する
グランド・コンプリケーション最新作
文:名畑政治 / Text:Masaharu Nabata
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano
※掲載商品の情報は変更される場合がありますのでご了承ください。
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PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ)は先ごろ、2020年の新作として、驚くべきことに3タイプの異なる機能を備えるグランド・コンプリケーションを発表した。圧倒的な技術と驚くべきセンスで世界最高峰のウォッチ・メゾンとしての地位を堅持するパテック フィリップ。YOSHIDAも注目するこの3つの新作は、そのパテック フィリップの優位性を改めて立証する刮目すべき作品である。
1839年の創業以来、最上級のタイムピースを追求し続けるスイス・ジュネーブの老舗ウォッチ・メゾン、パテック フィリップ。そのコレクションの最上位に位置するのが、いわゆるグランド・コンプリケーションである。
グランド・コンプリケーションとは、時刻をチャイムの音で知らせるミニット・リピーターや、月・曜日・日を閏年にも対応して表示する永久カレンダー、月や天体の運行を示す天文表示、重力の影響を分散させて精度を向上させるトゥールビヨンなどの複雑機構(コンプリケーション)を搭載するタイムピースのこと。複数組み合わせて搭載されることもある。
これら個々のコンプリケーションでさえ、自社で開発製造することは非常に難しく、さらにこれらを組み合わせたグランド・コンプリケーションまで自社内で完成させることのできるブランドは極めて希である。これを知れば、パテック フィリップがなぜ、“世界最高峰のウォッチマニュファクチュール”と呼ばれるかが理解できるだろう。その至高の存在であるグランド・コンプリケーションが2020年7月、なんと3タイプもパテック フィリップから発表された。
これらは永久カレンダーとクロノグラフ、スプリット秒針クロノグラフ、ミニット・リピーターとトゥールビヨンというように、それぞれ異なる機能と個性を併せ持つ最上級のタイムピースであり、現代の時計界が生み出した後世に残すべき記念碑的な時の芸術作品である。
高品位なクロノグラフの必須条件とさえいわれるコラムホイールや水平クラッチなどの機構を備えたRef.5270永久カレンダー搭載クロノグラフのムーブメント。輪列を保持するブリッジにはコート・ド・ジュネーブが施されており、板バネ類もプレス加工ではなく、削り出しと面取り加工によって作られている。
パテック フィリップの古典である1941年発表のRef.1518。その後継モデルとして2018年に登場したRef.5270に、コレクション初の18Kイエローゴールド製ケースに凹型ベゼルと段差付きラグを装備した新たなバージョンが加わった。特徴はシンメトリーな“均衡の美”。12時位置には曜日と月、3時と9時の位置には30分積算計とスモールセコンド、6時位置にはムーンフェイズと同軸に指針式日付表示を搭載。その両脇には昼夜表示と閏年表示の小さな窓があり、徹底してシンメトリーな表示の実現を追求している。搭載ムーブメントはパテック フィリップ完全自社開発・製造によるCal.CH 29-535 PS Q。高品位クロノグラフに不可欠な水平クラッチやコラムホイールを備え、パテック フィリップが取得したクロノグラフに関する6件の特許機構が採用されている。
永久カレンダー搭載クロノグラフ
このタイムピースはサファイアクリスタル・バックによりムーブメントを観察可能。加えてイエローゴールド仕様の交換用ソリッドケースバックも付属している。
■5270 ■41mm ■18Kイエローゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き ■30m防水 ■価格要お問い合わせ
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次々にゴールする複数の走者のラップタイムを計測するために開発されたというスプリット秒針クロノグラフは、ミニット・リピーターやトゥールビヨンと共にもっとも製作困難なコンプリケーションといわれる。2020年の新作Ref.5370P スプリット秒針クロノグラフは、特別なモデルだけに許されたプラチナ950製ケースに、高温で焼成した本物の青い七宝ダイアルを組み合わせたモデル。この青い七宝ダイアルは美しさはもちろん、視認性も抜群。繊細なリーフハンドには蓄光塗料が入り、夜間や暗闇での読み取りやすさも配慮されている。
スプリット秒針クロノグラフ
従来のパテック フィリップのプラチナ・モデル同様、ケース側面6時位置に小さなダイヤモンドがセッティングされており、このモデルが特別な存在であることを静かにアピールする。
■5370P ■41mm ■プラチナケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き ■30m防水 ■価格要お問い合わせ
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1845年に最初のミニット・リピーター付き懐中時計を作って以来、パテック フィリップは数々のチャイムを搭載するタイムピースを世に送り出してきた。その伝統は現在も確かに継承されているが、2020年の最新作Ref.5303 ミニット・リピーター・トゥールビヨンでは、新たにダイアル側にチャイム機構を搭載し、それをすべて見渡せるという構造を初めて採用している。このモデルは最初、2019年の『ウォッチアート・グランド・エグジビション・シンガポール2019』のため、12個の限定モデルとしてデビュー。その後、デザイン細部に変更を加え、パテック フィリップの現行コレクションに加えられたのである。
ミニット・リピーター・トゥールビヨン
透明なUV加工を施したサファイアクリスタルのダイアルを通してミニット・リピーター機構およびトゥールビヨンがすべて見渡せる独創的なグランド・コンプリケーション。ケース裏面も同様のサファイアクリスタルを採用し、ムーブメントの美しい仕上げも鑑賞できる。
■5303 ■42mm ■18Kローズゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き ■非防水(湿気・埃にのみ対処) ■価格要お問い合わせ
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ロングランの人気連載コラム。グレッシブが擁するベテランから気鋭のライターが、YOSHIDAが取り扱うタイムピースおよびブランドをご紹介します。時計の基本的な情報はもちろん、この連載ならではの様々な切り口で注目ブランドの魅力を解説します。パテック フィリップ、オーデマ ピゲ、ウブロなどの人気ブランドから新進気鋭まで名店YOSHIDAならではの審美眼について特集を展開します。
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