世界が舞台となる旅行ブームで
大注目必至のふたつのトラベルタイム

文：名畑政治 / Text：Masaharu Nabata
編集：戸叶庸之 / Edit：Tsuneyuki Tokano

※掲載商品の情報は変更される場合がありますのでご了承ください。

　2023年春の時計見本市で発表されたパテック フィリップ（PATEK PHILIPPE）の新作には、タイプの異なるふたつのトラベルタイム・モデルがあった。そこで今回は新型コロナ・パンデミック後、すでに始まりつつある世界的な旅行ブームにおいて、大きく注目されることになる二種類のトラベルタイムの新作を紹介しよう。

あらゆる場面と地域で活躍する
高機能なトラベルタイム・クロノグラフ

　旅行と日常に有用な2つの機能を融合し、パイロットウォッチタフで精悍なケース＆ダイアルを持つ注目の新作が「パイロット・トラベルタイム・クロノグラフ 5924」である。

　珍しくも、ふたつ同時に発表されたモデルは、どちらも同じ18Kホワイトゴールドのケースを採用。異なるのはダイアルのカラーと、それに合わせて選択された微妙な色合いのカーフスキン製ストラップである。

　深いニュアンスを表現したブルーグレー・ソレイユ文字盤は、当たる光の角度によって表情を変化させる点が大きな魅力となっている。

　この印象的な文字盤に組み合わされるのが、グレイン仕上げネイビーブルーのカーフスキン製ストラップだ。

　一方、もうひとつのモデルではラック・カーキグリーンの文字盤にヴィンテージ仕上げが施されたオリーブグリーンのカーフスキン製ストラップを組み合わせている。これがミリタリー・ウォッチに通じる力強さとインパクトをもたらしている。

　どちらのモデルも立体的なアラビア数字インデックスとスケルトン針に暗闇でブルーに発光する高輝度蓄光塗料を塗布。

　トラベルタイム機能では、2本の時針で出発地と現地の時刻を表示し、出発地と現地の昼夜を丸い小窓で示す。ちなみに12時位置の指針式日付表示インダイアルで示されるのは現在地の日付だ。

　このように世界中、どんな場所に出向いても適切に時差を調整することで、母国と現地の時刻と昼夜を示すことができ、経過時間の計測も行える「パイロット・トラベルタイム・クロノグラフ 5924」。このモデルこそ、アフター・コロナの時代にうってつけの旅のパートナーなのである。

パイロット・トラベルタイム・クロノグラフ

12時位置のインダイアルで日付を指針表示。クロノグラフ機能ではセンターのクロノグラフ針と、それに連動する60分計を装備している。

■5924 ■42mm ■18Kホワイトゴールドケース ■カーフスキンストラップ ■自動巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ

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印象的なブルーグレー・ソレイユ仕上げの文字盤。その12時位置に置かれたインダイアルでは、指針式の日付表示機能（ポインターデイト）が搭載されている。

プッシュボタン一度の操作で、クロノグラフのスタートと再スタートを瞬時に行えるフライバック・クロノグラフ機能を搭載するCal.CH 28-520 C FUSを搭載。部品総数370個、34石。パワーリザーブ最大55時間。比重の高い21金ゴールドのセンターローターを装備。パテック フィリップ・シール認定。

パイロット・トラベルタイム・クロノグラフ

パイロット・ウォッチと相性の良いラック・カーキグリーンの文字盤を装備するホワイトゴールド製ケースのモデル。付属するストラップはヴィンテージ仕上げオリーブグリーンのカーフスキン製。

■5924 ■42mm ■18Kホワイトゴールドケース ■カーフスキンストラップ ■自動巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ

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日中の太陽光、あるいは電気照明の光を蓄え、夜間および暗闇になるとブルーの光を放つ最新の蓄光素材が、このモデルのアラビア数字インデックスと太いスケルトン針に塗布されている。

シンプルさの中に秘めた高機能
24時間表示のトラベルタイム

　一見、シンプルな三針モデルに思えるが、実はパテック フィリップの新作「カラトラバ・トラベルタイム 5224」は、珍しい24時間表示のトラベルタイム機能を備えた一種のコンプリケーション・ウォッチである。

　この24時間表示は、文字盤の上半分で朝6時から夜6時（18時）までの昼の時間帯を示し、文字盤の下半分で夜6時（18時）から朝の6時までの夜の時間帯を表示するようになっている。

　そしてトラベルタイムとして、もうひとつのタイムゾーンの時刻を、センターの時分針と同軸に設置された蓄光塗料が塗布されていない、もう1本の時針で示す。

　これによって、旅の最中はもちろん、たとえば日本にいても、世界のもうひとつの場所の時刻を常に把握したい場合などに、もう1本の時針で、すぐにその地域の時刻を読み取れるというわけだ。

「カラトラバ」というシリーズ名からわかるようにシンプルを極めたパテック フィリップならではのラウンドケースを採用。この18Kローズゴールド製ケースは、光り輝く全面ポリッシュ仕上げが施され、深いネイビーブルーの文字盤との相乗効果で極めて高貴な印象を我々に与えてくれる。

　そして、このエレガントさを損なわないため、通常はケース側面左側に置かれるデュアルタイム針の調整用ボタンを、リュウズによる特許取得のシステムに置き換え、美観と利便性を向上させ、まさにパーフェクトなトラベルタイムが完成した。

カラトラバ・トラベルタイム

夜中の12時（24時）が頂点に来る通常の23時間表示モデルとはことなり、昼の12時を文字盤の頂点に置くことで、昼と夜の判別が感覚的にわかりやすくした独創的な24時間表示のトラベルタイム・モデル。

■5224 ■42mm ■18Kローズゴールドケース ■カーフスキンストラップ ■自動巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ

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シンプルな中にも精密さと高機能を秘めた新作トラベルタイム。二段になったラグの形状によって、全面ポリッシュ仕上げが施された「カラトラバ」ケースの流麗なフォルムを際立たせている。

スイスらしさを強く感じさせる分割式ブリッジが美しい曲線を描くCal.31-260 PS FUS 24Hを搭載。自動巻きのローターは、そのムーブメントの美をスポイルしないプラチナ製マイクロローターが選ばれている。部品数240個、44石。パワーリザーブ最小48時間。パテック フィリップ・シール認証。