グレッシブ編集長が選ぶ、
パテック フィリップ2022年新作ベスト5
文:名畑政治 / Text:Masaharu Nabata
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano
※掲載商品の情報は変更される場合がありますのでご了承ください。
文:名畑政治 / Text:Masaharu Nabata
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano
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2022年も数々の話題作から華麗なレディスウォッチ、そして驚くべき新機構を備えたクロノグラフまで、多彩な新作を発表したジュネーブの老舗パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE)。そこで今回の特集では、綺羅星の如き新作の中からグレッシブ編集長・名畑政治が厳選した5つのモデルを紹介しよう。
パテック フィリップにおいて、初めて1/10秒単位の計測と表示を実現したクロノグラフの新作が、この「1/10秒シングルプッシュボタン・クロノグラフ 5470P」である。
搭載される手巻きクロノグラフCal.CH 29-535 PS 1/10のベースは、2009年に発表されたCal.CH 29-535 PS。このムーブメントのテンプ振動数を4Hzから5Hz(36,000振動/時)にアップし、2本のクロノグラフ秒針を装備することで精密な1/10秒計測を可能としたのだ。
その2本のクロノグラフ秒針は、1分で1周するシルバーの第1の針と、12秒で1周するラック・レッド塗装の第2の針である。
ダイヤルはニス塗装仕上げが施された深みのあるブルー。このブルーにマッチするのが、エンボス加工によってファブリック調の柄がつけられたカーブスキン製ストラップ。このストラップに赤いステッチをあしらうことで、スポーティさがより一層、際立っている点に、高度な技術だけではない、パテック フィリップの鋭い感性が見て取れる。
1/10秒シングルプッシュボタン・クロノグラフ
さまざまな精密計時に用いることのできる本作には、実用性の高いブルーのエンボス加工されたファブリック柄のストラップが標準装備されている。このストラップには赤いステッチが施されており、そのスポーティさを、より一層、強調している。
■5470P ■41mm ■プラチナケース ■カーフスキンストラップ ■手巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ
腕時計の歴史が始まって、まだ間もない1930年代に発表され、「ワールドタイム」の代名詞的な存在となったパテック フィリップの傑作の後継機種が、2016年に登場した「ワールドタイム 5230」であった。
2022年の新作として発表された、その新たなモデルは、シリーズの歴史上、初めてプラチナ製ケースにブルーのダイヤルとストラップを組み合わせた清廉な印象を持つ。
ダイヤルの中央部には手動旋盤で刻まれたギヨシェ装飾のサーキュラー・パターンを配置。このパターンは美しさだけでなく、ダイヤルから針を浮き立たせ視認性を高める機能も持っている。
そして、このモデルの最大の特徴であるワールドタイム表示機能は、10時位置のプッシュボタンを押すだけでダイヤルの都市表示リングと24時間表示リングが作動し、世界24タイムゾーンの時刻を1時間単位で同時に修正できる。この利便性の高さが、世界を駆け巡るトラベラーとビジネスマンにとって、実に有用なのである。
ワールドタイム
ブルーのダイヤルと同系色のカーフスキン・スエードのストラップが絶妙のマッチングを見せる新作「ワールドタイム 5230P」。プラチナの白い輝きが、ダイヤルとストラップのブルーをより一層、際立たせてくれる。
■5230P ■38.5mm ■プラチナケース ■カーフスキンストラップ ■自動巻き ■3気圧防水
ダイヤルのセンターにあるサーキュラー・パターンのギヨシェ装飾が針を浮き立たせて視認性も良好。その外周部には世界24の主要都市名が記されており、10時位置のプッシュボタンを押すだけで、1時間単位で同時に修正できる。
ムーブメントに自動巻きのローターを埋め込んだ超薄型自動巻きCal.240 HUを搭載。その美しく仕上げられた姿はシースルー仕様のケースバックを通して、いつでも観察できる。
シンプルかつベーシックなラウンド型ウォッチとして「腕時計の標準原器」とさえ呼ばれるパテック フィリップの名品「カラトラバ」。そのラインナップに新たに登場したモデルがホワイトゴールド仕様の「カラトラバ 5226」である。
そのケースは、「カラトラバ」のシンボルであるピュアなラウンド型のフォルムをベースとしつつ、側面に「クルー・ド・パリ(英語ではホブネイル・パターン)」のギヨシェ装飾を施し、新しいイメージを獲得した。
また、ストラップを装着するラグはケースバックと一体化した新構造を導入。これによってケース全周にギヨシェ装飾のパターンを刻むことに成功している。
ダイヤルの仕上げにも新機軸を導入。中心部から外周部に向かって色が濃くなるブラック・グラデーションのテクスチャード・ラック・アントラサイト文字盤を採用。立体的なゴールド製アラビア数字インデックスには蓄光塗料が塗布され、同じく蓄光入りの時分針と共に、あらゆる状況下での視認性を確保している。
この味わい深いダイヤルの魅力を倍加させるのがヌバック仕上げのベージュ・カーフスキン製ストラップ。さらに ハンドステッチの入ったエンボス加工ファブリック柄のブラック・カーフスキンのストラップも付属されているのも魅力である。
カラトラバ
このモデルにはヌバック仕上げベージュのカーフスキン製ストラップが標準で装備されているが、他にエンボス加工ファブリック柄にベージュのハンドステッチを効かせたブラックのカーフスキン製ストラップが付属する。
■5226 ■40mm ■18Kホワイトゴールドケース ■カーフスキンストラップ(エンボス加工ファブリック柄のカーフスキンストラップが付属) ■自動巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ
2017年、ヴィンテージスタイルを新解釈し、ホワイトゴールド製ケースにラック仕上げのクリーム文字盤というコンビネーションで発表された「永久カレンダー 5320」。この人気モデルが2022年、ローズゴールド・オパーリン文字盤のホワイトゴールド製ケースの新バージョンとなって発表された。
永久カレンダーの表示は、1941年に腕時計として初の永久カレンダーに採用されたレイアウトを踏襲し、上から曜日と月の表示窓、6時位置にポインターデイトとムーンフェイズインジケーターを同じインダイヤルで行うシステムが採用されている。
特にこのムーンフェイズインジケーターは、極めて精密な表示を実現。実際の月の満ち欠けとのズレは、122年ごとに1日分だけ修正すれば良いのだ。
これらに加え、4~5時位置に閏年表示、7~8時位置に昼夜表示の小窓が設置され、永久カレンダーながら、その読み取りは非常に簡易。これも、このモデルの大きな特徴だ。
永久カレンダー
艶が美しいブリリアント・チョコレートブラウンのアリゲーターストラップが付属する。
■5320 ■40mm ■18Kホワイトゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ
男性のものというイメージが強かったコンプリケーション・ウォッチだが、近年は高級時計人気の定着によって、婦人からの要望も高まっているという。その要望に応えて誕生したのが「ムーンフェイズ 7121」の新バージョンである。
ケースは腕時計誕生の時代に創案された、いわゆる“オフィサー”のスタイルを継承。その丸みを帯びたホワイトゴールドのベゼルには、隙間なくダイヤモンドがセッティングされている。この白い輝きのダイヤモンドに呼応するように、エレガントで深みのある色合いのブルーのダイヤルをセット。この夜空を思わせる澄んだブルーのダイヤルの6時位置には月の満ち欠けを示すムーンフェイズインジケーターが置かれ、遥かなる天空に輝く衛星と星々への憧憬を表現しているように思われる。
ムーンフェイズ
2013年に登場した「ムーンフェイズ 7121」は、現在に至るまでムーンフェイズが搭載され続けてきた。今回の新作では、ホワイトゴールド仕様のケースにエレガントなブルーの文字盤を組み合わせ、最上級のダイヤモンドセッティングが施されている。
■7121/200 ■33mm ■18Kホワイトゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ
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ロングランの人気連載コラム。グレッシブが擁するベテランから気鋭のライターが、YOSHIDAが取り扱うタイムピースおよびブランドをご紹介します。時計の基本的な情報はもちろん、この連載ならではの様々な切り口で注目ブランドの魅力を解説します。パテック フィリップ、オーデマ ピゲ、ウブロなどの人気ブランドから新進気鋭まで名店YOSHIDAならではの審美眼について特集を展開します。
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