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YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第165回~

パテック フィリップの最高峰に君臨する
5つのグランド・コンプリケーション

2021.11.19
■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■スプリット秒針クロノグラフ ■5370P

文:名畑政治 / Text:Masaharu Nabata
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

※掲載商品の情報は変更される場合がありますのでご了承ください。

 複数の複雑機構をひとつの時計に搭載し、「グランド・コンプリケーション」と呼ばれる超複雑時計。ジュネーブの老舗メゾン、パテック フィリップ(PATEK PHILIPPE)には、このグランド・コンプリケーションと呼ばれるカテゴリーにいくつものモデルを展開している。そこで今回は、その中からYOSHIDA(ヨシダ)が注目する5つのモデルを紹介していこう。

深みのあるブラックが美しい
エマイユ・ダイアルを採用した複雑モデル

「émail (エマイユ)」とは、フランス語で、金属板にガラス質の釉薬(ゆうやく)を塗布し800度前後の高温で焼成した七宝・琺瑯のこと。我が国では工芸品を「七宝(しっぽう)」、実用品を「琺瑯(ほうろう)」と呼ぶが、フランスではどちらも「エマイユ」だ(英語の「エナメル」と同義)。

 その歴史は古く、紀元前に地中海で発生した技法がシルクロードを通して中国に伝えられ、それがやがて日本へと渡ったと言われている。

 このエマイユを時計のダイアルに用いた理由は、耐久性と耐候性に優れて劣化しにくく、少々の衝撃にも割れにくく、変色も伸縮もせず精度を保てるからである。

 そのエマイユのダイアルを採用したコンプリケーションが、この「スプリット秒針クロノグラフ 5370P」である。

 スプリット秒針クロノグラフとは、2本のクロノグラフ秒針を備え、それをリューズ中心軸とその両脇に備えられたプッシュボタンで操作することで、中間タイムを計測したり、次々にゴールする複数の走者のラップタイムを計測するなどを可能としたクロノグラフである。

 このモデルのダイアルは、18金ゴールドのプレー卜にブラックの釉薬を塗り、高温で焼成した“グラン・フー”と呼ばれる本格製法によるもの。さらに流麗なゴールド製ブレゲ数字を植字した立体的なインデックスとホワイトの精密な目盛りによって高精度の時間計測が可能。なによりエマイユの滑らかで優しい光沢が、プラチナのケースとマッチし、このモデルの高貴さと視認性の良さを物語っている。


■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■スプリット秒針クロノグラフ ■5370P

スプリット秒針クロノグラフ

プラチナ製のゴージャスなケースに、深みのあるブラックの本七宝ダイアルを組み合わせた美しきコンプリケーション。ストラップも「ブリリアント・ブラック」と呼ばれる光沢感に富んだ素材を採用。そのケースとダイアルとのマッチングも素晴らしい。

■5370P ■41mm ■プラチナケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ

極めて難しい複雑機構を融合させた
グランド・コンプリケーション

「コンプリケーション」と呼ばれる複雑時計。その中でも、複数の複雑機能を搭載するモデルを、敬意を込めて「グランド・コンプリケーション(超複雑時計)」と呼んでいる。

 パテック フィリップの「スプリット秒針クロノグラフ、永久カレンダー 5204」も、そんなグランド・コンプリケーションのひとつ。

 スプリット秒針クロノグラフは、フランス語で「Rattrapante(ラトラパンテ)」と言われ、重なり合った2本のクロノグラフ秒針を操作することで中間タイムや複数の計時をひとつの時計で行えるもの。

 そして永久カレンダーとは、ご存知の通り、月の長さ(30日か31日か)や閏年まで、すべての暦を修正することなく自動的に正しく表示する機構のこと。

 これらふたつの複雑機能をひとつのムーブメントに搭載することは、決して容易なことではない。それは市場にどれだけのスプリット秒針クロノグラフ+永久カレンダーのモデルが存在するかを知れば、自ずと明らかである。

 すなわちパテック フィリップの「スプリット秒針クロノグラフ、永久カレンダー 5204」とは、時計界の至宝とも言うべき希少な存在。これを手に入れることは時計愛好家にとって大きなひとつの夢と言っても過言ではない。


■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■スプリット秒針クロノグラフ、永久カレンダー ■5204

スプリット秒針クロノグラフ、永久カレンダー

スプリット秒針クロノグラフと無修正で正しい暦を示す永久カレンダーをひとつのムーブメントに搭載した、パテック フィリップが誇るグランド・コンプリケーション。完璧なバランスのラウンド・ケースは美しく磨き上げられた18Kローズゴールド製。

■5204 ■40mm ■18Kローズゴールドケース ■カーフストラップ ■手巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ

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■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■スプリット秒針クロノグラフ、永久カレンダー ■5204

スプリット秒針クロノグラフと永久カレンダーを組み合わせたことにより、とても複雑に思えるダイアルだが、永久カレンダーの表示は12時位置の窓と6時位置のインダイアル、そして4時と5時の間にある閏年表示窓だけなので、読み取りやすさは非常に高い。

エレガンスが香り立つ超薄型の永久カレンダー

 1932年に誕生した「Ref.96」は、“完璧なデザイン”と呼ばれる比類のないバランス感覚によってデザインされたケースを採用した、極めて美しいラウンド・モデルである。

 この、いわゆる「カラトラバ」のケースデザインを採用したコンプリケーションが、「永久カレンダー 5327」だ。

 カレンダーの表示はすべて針によって行う古典的なスタイル。3時位置のインダイアルで月と閏年を同軸で表示。6時位置のインダイアルでは、日付とムーンフェイズをこれも同軸表示。さらに9時位置のインダイアルでは曜日と24時間計を同軸で表示する。

 しかも、これだけの複雑機構を搭載し、しかも自動巻きながら、ケース径39mm、厚さ9.71mmというコンパクトなサイズを実現しているのも驚きだ。

 昨今のコンプリケーションというと、どうしても大型モデルを想像するが、パテック フィリップの手にかかれば、こんなにもコンパクトかつエレガントなコンプリケーションが完成してしまうのだ。

 このコンパクトさの秘密の一端が、ムーブメントに埋め込まれた小型ローターを装備する「マイクロローター」よ呼ばれる自動巻き機構。その美しい仕上げと、精妙な作動状態はサファイアクリスタルでカバーされたケースバックから、存分に観察することができる。


■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■永久カレンダー ■5327

永久カレンダー

時、分、月、曜日、日付、閏年など、すべてを指針式で表示する、小型で超薄型の永久カレンダー・モデル。パテック フィリップの伝統を継承するカラトラバ・スタイルの端正なケースに、高貴なエレガンスが香り立つ。

■5327 ■39mm ■18Kローズゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ

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美しい音色のリピーターと
精度を極めた永久カレンダーの融合

 コンプリケーションのジャンルのひとつに「ストライキング」がある。これは音で時刻を知らせる機構のこと。その代表がムーブメントに搭載されたゴングをハンマーで打つことで発生する鐘の音で時と分を知らせるミニット・リピーターである。

 パテック フィリップの「ミニット・リピーター、永久カレンダー 5374」は、その名の通りミニット・リピーター機構を搭載した永久カレンダー・モデル。

 永久カレンダーの表示は、先に紹介した「永久カレンダー 5327」と同様、すべて指針式で行い、ケースの9時位置側に設えられたレバーを引き下ろすことで、チャイムの音で時刻を知らせるのである。

 搭載されるCal.R 27 Qには、ムーブメントの周囲をほぼ2周するほどの長さを持つワイヤー状のカセドラル・ゴングを備えており、これをふたつのハンマーで叩くことで、深く澄み、余韻に富んだ鐘の音を奏でるのだ。

 ケース素材は落ち着いた雰囲気のホワイトゴールド。このケースに合わせて、ダイアルはグラン・フー(高温焼成)によるブルーのエマイユが採用され、ゴールドのブレゲ数字による立体的な植字インデックスや、流麗なリーフ型ハンドと極めて美しいハーモニーを実現している。


■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■ミニット・リピーター、永久カレンダー ■5374

ミニット・リピーター、永久カレンダー

深く余韻に満ちたチャイムの音で時刻を知らせるミニット・リピーター機構に加え、自動でカレンダーを正確に表示する永久カレンダーを融合した複雑モデル。ブルー・エマイユのダイアルとブルーのストラップのマッチングが最上級の存在であることを誇示する。

■5374 ■42mm ■18Kホワイトゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き ■非防水(湿気・埃にのみ対処) ■価格要お問い合わせ

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■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■ミニット・リピーター、永久カレンダー ■5374

立体的なブレゲ数字のインデックスと蓄光塗料入りのリーフ型ハンドが比類なきコンビネーションを実現した「ミニット・リピーター、永久カレンダー 5374」。澄んだ色調のブルー・エマイユのダイアルも美しく高貴だ。

世界を駆け巡る旅行者に贈る
タフなアラーム付きデュアルタイム・モデル

 新型コロナのパンデミックによって大きなブレーキがかかってしまったものの、この状況が改善されれば、人々は再び活発に国際的な交流を再開するに違いない。

 そうなった時、確かな活躍が期待されているのがワールドタイムやデュアルタイム機構を備えたトラベル用ウォッチである。

 パテック フィリップの「アラーム・トラベルタイム 5520P」は、異なる2つのタイムゾーンの時刻を表示できる独自のトラベルタイム機構に加え、ハンマーでクラシック・ゴングを打ち鳴らす24時間対応のアラーム機構を融合させた、まったく新しいスタイルのグランド・コンプリケーションである。

 しかも、そのスタイルは大空を駆け巡るアヴィエイターたちが愛したパイロット・ウォッチを範とするもの。直径42.2mmの大型ケースにデュアルタイムとアラーム機構を備え、4つの特許を取得したフルローター装備の新開発自動巻きムーブメントCal.AL 30‑660 S C FUSを搭載し、4つのリューズを操作して、デュアルタイムやアラーム時刻のセッティングが行える。

 そして、プラチナ仕様の力強いケースに、質実剛健なカーフスキンのブラック・ストラップを装備することで、遥かなる旅と大空への憧憬を具現化しているのだ。

 デュアルタイム機構とアラーム機構を同時に装備するパイロットウォッチのトラベルタイム。世界を巡る旅行はもちろん、他国との取引が不可欠なビジネスマンにとっても利便性に富んだモデルである。


■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■アラーム・トラベルタイム ■5520P

アラーム・トラベルタイム

タフでマッシブなパイロットウォッチ・スタイルのコンプリケーション。世界を飛び回るビジネスマン、そしてトラベラーにとって、もっとも有意義なデュアルタイム機構と24時間対応のアラーム機構を融合させた新世代のコンプリケーションである。

■5520P ■42.2mm ■プラチナケース ■カーフスキンストラップ ■自動巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ

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【 連載コラム 】

ロングランの人気連載コラム。グレッシブが擁するベテランから気鋭のライターが、YOSHIDAが取り扱うタイムピースおよびブランドをご紹介します。時計の基本的な情報はもちろん、この連載ならではの様々な切り口で注目ブランドの魅力を解説します。パテック フィリップ、オーデマ ピゲ、ウブロなどの人気ブランドから新進気鋭まで名店YOSHIDAならではの審美眼について特集を展開します。

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