現代的な意匠で再定義された
永遠の名機「カラトラバ」の最新作
文:名畑政治 / Text:Masaharu Nabata
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano
※掲載商品の情報は変更される場合がありますのでご了承ください。
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普遍的なデザインで永遠の名機とさえ呼ばれるパテック フィリップの「カラトラバ」。2021年の新作では、この「カラトラバ」に新たな名機とも呼ぶべきモデルが登場した。そこで今回はすでに大きな評判となっている新しい「カラトラバ」にスポットを当てることにしよう。
“時を表示する”という時計の基本に忠実にデザインされ、「腕時計史上、もっとも完成されたデザイン」と呼ばれるパテック フィリップの「カラトラバ」。このコレクションに2021年、新たなモデルが加わった。それが「カラトラバ Ref.6119」である。
カラトラバ
ホブネイル・パターンを刻んだベゼルとファセット加工のインデックス、ドフィーヌ型時分針を組み合わせた新しい「カラトラバ」。ケースは直径39mmの18Kローズゴールド製で厚さは8.1mm。腕へのフィット感も極めて快適だ。サファイアクリスタル・バック。
■6119 ■39mm ■18Kローズゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ
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この新作のオリジナル(原型)は、1985年に発表された「カラトラバ Ref.3919」。このモデルの特徴は、ベゼルに施された《クルー・ド・パリ》(ホブネイル・パターン)と呼ばれるギヨシェ装飾であり、2006年にはサイズを拡大してRef.5119に発展。これは2019年に生産を終了したが、新作のRef.6119では新たなケース径とダイアル&針のリニューアル、そして新しい手巻きの基本ムーブメント「Cal.30-255 PS」を搭載することで、まったく新たな姿で蘇ったのである。
ベゼルをぐるりと囲むように《クルー・ド・パリ》と呼ばれるギヨシェ彫りが施されている。従来のものより幅が広くなり、わずかに傾斜がつけられている。ちなみに《クルー・ド・パリ》を直訳すると「パリの爪」だが、石畳をイメージした装飾でもあるという。
ケース径は39mmという最適なサイズ。ダイアルに配置されるインデックスは、以前のRef.3919やRef.5119が黒いローマ数字だったのに対し、1932年に誕生した初代カラトラバRef.96を思わせる、ファセット加工されたゴールドの植字に変更。針も初代と共通するドフィーヌ型の時分針となっている。
「カラトラバ」の持つエレガントさと現代的な力強さを絶妙なブレンドで具現化したこの新作は、多くの時計愛好家の支持を得ることは疑いのないところだ。
サテン仕上げのチャコールグレー・ダイアルを採用したホワイトゴールド仕様の「カラトラバ Ref. 6119」も同様に、新たに開発された手巻きの基本キャリバーである「Cal.30-255 PS」が搭載されている。
カラトラバ
18Kホワイトゴールド製のケースに縦方向にサテン仕上げを施したチャコールグレーのダイアルをマッチさせた「カラトラバ」の最新作。ファセット加工のインデックスやドフィーヌ型時分針などが、初代カラトラバを思わせる。サファイアクリスタル・バック。
■6119 ■39mm ■18Kホワイトゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ
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このムーブメントの直径は、腕時計としては大型部類となる31mmあるが、厚さは、わずか2.55mmしかない。この大型かつ薄型の新しいムーブメントによって、現代的なニーズにフィットしたゆったりしたサイズと、スリムでフィット感に優れた薄型ケース(厚さ8.1mm)という造形が可能となった。
さらに、この新型手巻きムーブメントでは、メインスプリングを収めた香箱を並列に2個配置することで約65時間ものロングパワーリザーブも実現している。
新しい手巻きの基本キャリバー「Cal.30-255 PS」は、サファイアクリスタルのケースバックを通して、思う存分にその美しい仕上げを堪能することができる。もちろんパテック フィリップの厳しい検定と美的基準に合格したパテック フィリップシールを取得。
その上、リューズを引き出すとテンプの動きをブロックするストップセコンド機能が作動し、時報などに合わせることで極めて正確に時刻を修正することが可能。これもまた現代人が高精度な腕時計に求める機能のひとつであり、その意味でもこのモデルは、我々の求める新世代の「カラトラバ」と言えるはずだ。
シンプルでクセのない「カラトラバ」は、メンズのみならずレディス・ウォッチとしても最上のエレガンスを表現する“時計の標準言語”である。そのコレクションに加えられた新たなレディス・モデルが、この「カラトラバ Ref.4997/200」だ。
カラトラバ
超薄型自動巻きムーブメント 「Cal.240」を採用することで、7.4mmという“薄さ”を実現。ギヨシェ装飾が施された透明なミッドナイトブルーのラック塗装ダイアルにパウダー仕上げのゴールド・インデックスがくっきりと映える。サファイアクリスタル・バック。
■4997/200 ■35mm ■18Kホワイトゴールドケース ■起毛仕上げカーフスキンストラップ ■自動巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ
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ケース径は35mm。従来のモデルより、ひとまわり拡大された。そしてダイアルはギヨシェ装飾が施されたベースに、ミッドナイトブルーのラック塗装を施したもの。透明なブルーのラック塗装を通して緻密なギヨシェ彫りが浮き上がり、光を受けてさまざまに変化する様子は息を呑む美しさだ。
また、従来は手巻き式のムーブメントが搭載されていたが、この新作では、ムーブメントの中に自動巻きのローターを埋め込んだマイクロローター式自動巻きムーブメントを新たに採用。
そしてダイアルを取り巻くベゼルには、76個のラウンドカット・ピュア・トップウェッセルトン・ダイヤモンド(約0.52カラット)をセッティング。
このエレガントな魅力を最大限に引き出すために、サテン生地を思わせる外見と手触りを持つ特殊な起毛加工が施された、ブリリアント・ネイビーブルーのカーフスキン・ストラップが付属している。
フェミニンな要素を散りばめた新しい女性用の「カラトラバ」はこの上なく魅力的である。
YOSHIDA 東京本店
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年中無休(年末年始を除く)
ロングランの人気連載コラム。グレッシブが擁するベテランから気鋭のライターが、YOSHIDAが取り扱うタイムピースおよびブランドをご紹介します。時計の基本的な情報はもちろん、この連載ならではの様々な切り口で注目ブランドの魅力を解説します。パテック フィリップ、オーデマ ピゲ、ウブロなどの人気ブランドから新進気鋭まで名店YOSHIDAならではの審美眼について特集を展開します。
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