2020年のトレンドを象徴する
パテック フィリップの厳選5モデル

文：名畑政治 / Text：Masaharu Nabata
編集：戸叶庸之 / Edit：Tsuneyuki Tokano

※掲載商品の情報は変更される場合がありますのでご了承ください。

　我々の生活だけでなく、時計界にも多大な影響を及ぼした新型コロナウィルス。だが、その一方でスイスのウォッチ・メゾンはウェブを軸として意欲的な新作を次々に発表した。中でもジュネーブ有数の老舗メゾンであるPATEK PHILIPPE（パテック フィリップ）は、3つのグランド・コンプリケーションをはじめ、驚くべきタイムピースを次々発表。ここではそれらの複雑時計をはじめ、今あらためて時計店YOSHIDA（ヨシダ）が注目するパテック フィリップの傑作を紹介しよう。

美しいダイアル・レイアウトが際立つ
Ref.5270 永久カレンダー搭載クロノグラフ

　美しく均衡の取れたダイアルのレイアウトがパテック フィリップの伝統と矜持を示す現代の逸品「Ref.5270 永久カレンダー搭載クロノグラフ」。日・曜日・月を2100年まで無調整で正確に指し示す永久カレンダーに、時間経過を計測するクロノグラフ機能を融合させ、これほどまでに美しいタイムピースへと昇華させたことは驚嘆に値する。ケースは18Kイエローゴールド製。ベゼルは凹型に加工され、光を受けて燦然と輝く。

　ムーブメントはパテック フィリップが自社で開発と製造を行うCal.CH 29-535 PS Q。ハイエンドなクロノグラフに必須といわれる水平クラッチや、軽いタッチで確実な作動をもたらすコラムホイールなどを装備。また、パテック フィリップが取得したクロノグラフに関する6件の特許機構を採用することで、“世界最高峰のクロノグラフ”との称号を獲得している。

永久カレンダー搭載クロノグラフ

1941年に発表されたパテック フィリップの古典的傑作「Ref.1518」の後継機種として2018年に登場したRef.5270。この名作に2020年、18Kイエローゴールド製ケースのモデルが加えられた。

■5270 ■41mm ■18Kイエローゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ

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アヴィエーター・スタイルに根ざした
、ミディアム・サイズのRef.7234

　2015年に発表され、これまでのパテック フィリップのイメージを覆すタフなデザインと実用的な機能で衝撃を与えた「Ref.5524 カラトラバ・パイロット・トラベルタイム」のミディアム版がRef.7234。ケース径42mmのRef.5524と比べ、4.5mm小径化されケース径37.5mmとなり、女性の腕にも美しくフィットする。ダイアルはホワイトゴールドケースのニス塗装のブルーとローズゴールドケースのブラウン・ソレイユの2種類の文字盤が用意されており、それぞれのカラーにマッチする、ホワイトステッチ入のカーフスキンストラップが付属する。

カラトラバ・パイロット・トラベルタイム

女性はもちろん、小振りな時計を好む男性の手首にもフィットするミディアム・サイズのパイロットウォッチ。容易な操作で時差を修正し、第2タイムゾーンの時刻を読み取ることができる。

■7234 ■37.5mm ■18Kホワイトゴールドケース ■カーフスキンストラップ ■自動巻き ■6気圧防水

計時機能と年次カレンダーの融合
。シンプルさに秘めた高い利便性を持つRef.5905P

　一見、シンプルなラウンド・シェイプのモデルに見えるRef.5905Pは、実は時間計測を行うクロノグラフに、年に一度、3月1日に日付を修正するだけで正確に暦を表示する年次カレンダーを融合させることで実用性を高め、デイリーに使えるコンプリケーションを実現した注目のモデル。

　ダイアル上半分にある3つの窓で曜日・日付・月を表示し、6時位置に設置されたインダイアル内の丸い窓が白（昼）から黒（夜）に変わって昼夜を示す。フライバック・クロノグラフはプッシャーのワンタッチで計時を即座に再開できる機構。短時間の計測を繰り返す場合に利便性が高い。

年次カレンダー搭載クロノグラフ

漆黒のエボニー・ブラック・ダイアルに整然と並ぶカレンダー表示窓とクロノグラフ機能性が美しい融合を見せる。一見するとシンプルな時計に思えるため、着用するシーンを選ばない。

■5905P ■42mm ■プラチナケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ

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シックなダイアルが魅力を発散
。実用性抜群の年次カレンダー Ref.5235/50

　レギュレーターとは、かつて時計師が標準時計とした高精度な置時計・掛時計を意味し、時・分・秒を別軸の針で表示するダイアル・レイアウト。これを採用し、年に1度の調整でカレンダーを正確に示す年次カレンダー機構を搭載したことが、このモデルの大きな特徴だ。

　そして、何よりも魅力的なのはグラファイト（濃いグレー）とエボニー・ブラックのツートーンで仕上げたダイアル。ベースのグラファイト部分にヘアライン仕上げを施すことで、ブラックにホワイトの目盛りを刻んだインダイアルや外周部のサークルが美しく浮き出す。

　また、このモデルに向けて開発された自動巻きのCal.31-260 REG QAには、「パテック フィリップ・アドバンストリサーチ」部門が開発したSilinvar®素材から作られたPulsomax®脱進機（ガンギ車とアンクル）やSpiromax®髭ぜんまいなど、最先端の素材と技術が採用されている。

年次カレンダー レギュレーター・タイプ

レギュレーター・ダイアルを採用した年次カレンダーのローズゴールド・モデル。独特のダイアル・レイアウトとシックなカラーリングによって、時刻とカレンダーの読み取りやすさは群を抜いている。

■5235/50 ■40.5mm ■18Kローズゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ

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伝統の世界24都市時刻表示機能を備える
世界最高峰のワールドタイム Ref.5230

　新型コロナの影響で海外渡航が制限されてはいるものの、単に旅行や出張だけでなく、世界各国と連絡を取り合う必要性はこれからもますます増大していくに違いない。そんな時、手元で簡単に各国の時刻を読み取ることができるワールドタイムは、現代人にとって必須のアイテムといっても過言ではないだろう。パテック フィリップの「Ref.5230 ワールドタイム」は、そんなニーズに的確に答える世界最高峰のワールドタイムである。

　操作は実に簡単。10時位置のプッシュボタンで世界24の主要都市を切り替え、その時刻を瞬時に読み取れる。ダイアルの中央部にはジュネーブの「パテック フィリップ・ミュージアム」が所蔵する歴史的なモデルをモチーフとする手仕上げのギヨシェ装飾が施され、オープンワークが施された時針、そしてソリッドな分針を美しく浮き上がらせる。

ワールドタイム

18Kローズゴールド、あるいは18Kホワイトゴールドのケースを採用したワールドタイム。主要24都市の時刻を瞬時に切り替えて表示する機構は20世紀初頭からパテック フィリップが採用し続ける伝統的なメカニズムである。

■5230 ■38.5mm ■18Kローズゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ