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YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第104回~

1930年代から進化し続ける傑作、
パテック フィリップ「ワールドタイム」の現在

2020.9.18
■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■ワールドタイム ■5231

文:名畑政治 / Text:Masaharu Nabata
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

※掲載商品の情報は変更される場合がありますのでご了承ください。

 1930年代から現在まで、世界を旅する人、そして他の国や地域と連携しながら仕事をし、生活をする人々のため、わかりやすく使いやすいワールドタイムを開発し進化させ続けてきたのが、ほかならぬパテック フィリップである。したがって今でもパテック フィリップのコレクションには、豊富なワールドタイム搭載モデルが存在するが、これらの多くを常にストックしている世界的にも希少な時計店が、東京・渋谷区幡ヶ谷の名店「YOSHIDA 東京本店」である。

操作性の向上と視認性を追求し
進化を続ける「ワールドタイム」

 現れては消える時計界のトレンド。その中で安定した人気を維持するのが、いわゆるワールドタイム・モデルである。

 ワールドタイムには24時間針で第二タイムゾーンの時刻を示すタイプと、これに世界主要都市表示を組み合わせて時刻を読み取るタイプがある。この第二タイムゾーンを針で表示するタイプを「GMT」と呼ぶが、これはグリニッジ標準時(Greenwich Mean Time)の略称。現在、国際的な基準となる時間はUTC(協定世界時)となったが、時計の世界では今もGMTと呼ばれている。

 これに対し、世界主要都市の時差表示機能を持つタイプの原点は1920~60年代にジュネーブで活躍した時計師ルイ・コティエが開発したものが原点だという。そして、このルイ・コティエの発明に改良を重ね、現在も作り続けられるのがパテック フィリップの「ワールドタイム」である。


■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■ワールドタイム ■5230

パテック フィリップの「ワールドタイム」の伝統を受け継ぐRef.5230。

機能性と操作性の向上を目指し
進化を止めない「ワールドタイム」のシンボル

 1930年代に作られた最初の「ワールドタイム」では、主要都市表示は文字盤上にあったが、やがて回転ベゼルに刻まれ、これを手動で回転する方式に改良。その後、都市表示をインナーベセルに移し、これを9時位置のリューズで回すシステムに進化した。そして2000年、パテック フィリップはRef.5110でケース10位置のプッシュボタンを押すことで都市表示を回転させる新機構を導入し、より簡便にワールドタイムを読み取ることが可能となった。

 このRef.5110に搭載されたのが自動巻きでワールドタイム機構を備えるCal.240 HU。末尾の“HU”とはフランス語で世界時間を意味する「Heure Universelle」の略。この傑作ムーブメントは現在もパテック フィリップの「ワールドタイム」における主要ムーブメントとなっている。


■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■ワールドタイム ■5230

ワールドタイム

手仕上げのギヨシェ装飾はジュネーブのパテック フィリップ・ミュージアム所蔵の歴史的モデルから着想を得たモチーフを採用。18Kローズゴールドのケースと落ち着いたラック仕上げのアントラサイト・カラーが絶妙なマッチングを見せる。

■5230 ■38.5mm ■18Kローズゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ


■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■ワールドタイム ■5230

ワールドタイム

18Kホワイトゴールドのケースに、進化した機能を持つ傑作自動巻きワールドタイム機能を持つムーブメント「Cal.240 HU」を搭載。アントラサイトグレーに彩られたシックな雰囲気のギヨシェ装飾ダイアルと希少なオープンワークされた時針が特徴となっている。

■5230 ■38.5mm ■18Kホワイトゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ

美しい七宝装飾で世界地図を描いた
傑作タイムピースへのオマージュ

 1950年代、パテック フィリップは「ワールドタイム」のダイアル中央部にクロワゾネ七宝と呼ばれる特殊技法で地図を描いた華麗なモデルを多数、製作した。

 このクロワゾネとは、日本では有線七宝、あるいは金線七宝と呼ばれる技法であり、細く薄い金の線で枠を作って絵を描き、そこにガラス質の釉薬を塗って何回も高温で焼成することで鮮やかな七宝の画を生み出すもの。

 パテック フィリップはこの技法を「ワールドタイム」に用い、アフリカ大陸やヨーロッパ大陸をダイアルに描き、世界時計であることを端的にわかることを目指したようだ。

 この往年の傑作タイムピースへのオマージュとして誕生したのが現代の「Ref.5231 ワールドタイム」。このダイアルにはヨーロッパ大陸だけでなくアフリカやアメリカ大陸も描かれており、その細密さはある意味、50年代のモデルを凌駕しているといっても過言ではないだろう。


■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■ワールドタイム ■5231

ワールドタイム

ダイアルの中央にクロワゾネ七宝による世界地図(ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ大陸)を描いた特別なワールドタイム・モデル。1950年代の製品が原点となっているが、都市表示の切り替えがプッシュボタン式となりより簡便に、さらに世界地図の描写もより繊細になっている。

■5231 ■38.5mm ■18Kイエローゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き ■3気圧防水

実用的なふたつの機能を併せ持つ
万能のワールドタイム

 数ある時計機構の中で、もっとも身近な存在がクロノグラフではないだろうか。ケースに設えられたプッシュボタンの操作で経過時間の計測ができるクロノグラフは、日常生活でも有効な場面が多い。

 また、旅行やビジネスで海外渡航の機会が増え、また知人や取引相手が海外に暮らすことも増えている現代においては、ワールドタイム機能はある意味、必須の機能であろう。

 そう考えるとワールドタイムとクロノグラフというふたつの機能を備えたモデルの必要性が実感できると思う。ここで紹介する「Ref.5930 ワールドタイム」は、そんな実用的な機能をふたつ備えたパテック フィリップ初のモデル。すでに紹介したように、旅行やビジネスだけでなく日常生活でも活躍するに違いない。


■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■ワールドタイム・クロノグラフ ■5930

ワールドタイム・クロノグラフ

ワールドタイムとクロノグラフが融合したパテック フィリップの現行コレクション初のモデル。原点は1940年のユニークピース(単品製作品)。ダイアル中央部にはブルーに彩色された手仕上げによる同心円状のギヨシェ装飾を施し、ブルーの都市表示リングやアリゲーターストラップと美しくマッチする。

■5930 ■39.5mm ■18Kホワイトゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ

婦人用として開発された
ジェムセッティング仕様のワールドタイム

 ビジネスや旅行で世界を旅する人だけでなく、ワールドタイムは世界各国と連絡を取り合いながら生活する人々にとっても有意義な複雑機能である。

 そんな人のために生み出されたのが、美しいジェムセッティングで彩られた「Ref.7130 ワールドタイム」ではないだろうか。

 このモデルではベゼルとアリゲーターストラップのピンバックルに、それぞれ美しいダイヤモンドがセッティングされている。

 日常生活の中で身につけ、世界各地の時刻を知ることができる華麗にして実用的なタイムピース。それが「Ref.7130 ワールドタイム」なのである。


■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■ワールドタイム ■7130

ワールドタイム

直径36mmの小振りな18Kローズゴールド製ケースのベゼルに62個のダイヤモンド(約0.85カラット)をセット。さらにストラップのピンバックルには27個のダイヤモンド(約0.21カラット)がセットされている華麗な婦人用ワールドタイム・モデル。

■7130 ■36mm ■18Kローズゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き ■3気圧防水


■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■ワールドタイム ■7130

ワールドタイム

パテック フィリップが開発した最新の世界主要都市の時差表示機能を備え、ジェム・セッティングを施した婦人用ワールドタイム。ベゼルには62個のダイヤモンド(約0.85カラット)、ピンバックルに27個のダイヤモンド(約0.21カラット)をセット。手仕上げのギヨシェ装飾入りブルーグレーのダイアルとブリリアントなピーコックブルーのアリゲーターストラップが美しい。

■7130 ■36mm ■18Kホワイトゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き ■3気圧防水 ■価格要お問い合わせ

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メンズに加え、レディス・モデルも登場した
旅行者のためのデュアルタイム

 高度な技術と美しい装飾技術を惜しみなく注ぎ込んで生み出されるパテック フィリップのタイムピース。だがパテック フィリップは単なる高級時計だけでなく、その高い精度や耐久性から、学術調査を目的とする探検旅行などのアドベンチャーにも用いられた歴史的事実がある。

 そのひとつが現在ではジュネーブのパテック フィリップ・ミュージアムの所蔵品となっているパイロットウォッチだ。そして、この歴史的に意義のあるモデルをベースとして開発されたのが、2015年に発表された「Ref.5524 カラトラバ・パイロット・トラベルタイム」。直径42mmの大ぶりなケースに現地時間と出発地の時刻、それら両方の昼夜表示インジケーター、現地の日付表示を備えたこのモデルは、その圧倒的な存在感と高い機能性で、瞬時に人気モデルとなった。


  • ■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■カラトラバ・パイロット・トラベルタイム ■7234
  • ■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■カラトラバ・パイロット・トラベルタイム ■5524

カラトラバ・パイロット・トラベルタイム《ラージ・サイズ》(右)

ホームタイムと現地時刻、昼夜と現地の日付を表示する「Ref.5524 カラトラバ・パイロット・トラベルタイム」は、パテック フィリップの航空用時計の伝統へのオマージュ。18Kローズゴールドのケースとブラウン・ソレイユのダイアルには視認性に優れた蓄光塗料入のボールドなアラビア数字インデックスが配置されている。

■5524 ■42mm ■18Kローズゴールドケース ■カーフスキンストラップ ■自動巻き ■6気圧防水 ■価格要お問い合わせ

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カラトラバ・パイロット・トラベルタイム《ミディアム・サイズ》(左)

パテック フィリップの伝統へのオマージュである「カラトラバ・パイロット・トラベルタイム」の機能とデザインを、そのまま直径37.5mmの小振りなケースに凝縮した婦人用のアヴィエーション・モデル。外周部に向かうに従いブラックに変化するブラウン・ソレイユ仕上げのダイアルが美しい。

■7234 ■37.5mm ■18Kローズゴールドケース ■カーフスキンストラップ ■自動巻き ■6気圧防水 ■価格要お問い合わせ

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■PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ) ■カラトラバ・パイロット・トラベルタイム ■5524

カラトラバ・パイロット・トラベルタイム

2015年、18Kホワイトゴールドのケースとブルー・ダイアルを組み合わせて登場したデュアルタイムゾーン・モデル。現地とホームタイム(出発地)の昼夜を示すインジケーター、6時位置の指針式日付表示では現地の日付を示す。ステッチが映えるカーフスキン製ストラップを標準装備。

■5524 ■42mm ■18Kホワイトゴールドケース ■カーフスキンストラップ ■自動巻き ■6気圧防水 ■価格要お問い合わせ

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【 連載コラム 】

ロングランの人気連載コラム。グレッシブが擁するベテランから気鋭のライターが、YOSHIDAが取り扱うタイムピースおよびブランドをご紹介します。時計の基本的な情報はもちろん、この連載ならではの様々な切り口で注目ブランドの魅力を解説します。パテック フィリップ、オーデマ ピゲ、ウブロなどの人気ブランドから新進気鋭まで名店YOSHIDAならではの審美眼について特集を展開します。

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