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YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第241回~

パルミジャーニ・フルリエの
2023年の新作は、細やかな工夫が面白い!

2023.5.5
■PARMIGIANI FLEURIER(パルミジャーニ・フルリエ) ■トンダ PF ミニッツ ラトラパンテ ■PFC904-1020001-100182

文:篠田哲生 / Text:Tetsuo Shinoda
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。

 3月末に開催されたスイスの時計イベント「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2023」には40を超えるブランドが参加し、パルミジャーニ・フルリエ(PARMIGIANI FLEURIER)もそのひとつ。少数精鋭ながらブランドの哲学とこだわりを感じる2023年の新作たちを紹介しよう。

驚愕の“世界初”の機能を搭載した
「トンダ PF ミニッツ ラトラパンテ」

 機構としては昨年の「GMT ラトラパンテ」の応用となるのだが、今年は分針を自由に動かせるようにした。使い方は簡単で、ケースサイドのプッシュボタンを押すと、通常時は分針の下に隠れているゴールドの分針が表れる。8時位置ボタンを押すと5分ジャンプし、10時位置ボタンを押すと1分ジャンプ。ちなみにこのゴールド分針は、メインの針と分離した状態だと勝手に回転することはない。これはどういう使い方をするのだろうか? 実はこれは、簡単に時間の経過を知ることができる機構なのだ。

 例えばパスタを7分茹でたい、あるいは3分のスピーチを頼まれたというときに、ゴールド分針を動かしておくと、二本の分針が重なれば時間になったということになる。これはすなわち、ダイバーズウォッチの回転ベセルの機能をシンプルかつ分かりやすく進化させたともいえるだろう。

 ちなみにリューズ上のゴールドのプッシュボタンを押すと、ゴールド分針は通常分針の下に戻り、また一緒に時を刻み始める。シンプルに見えるがよく考えられており、革新性を尊ぶパルミジャーニ・フルリエらしい機構になっている。


■PARMIGIANI FLEURIER(パルミジャーニ・フルリエ) ■トンダ PF ミニッツ ラトラパンテ ■PFC904-1020001-100182

トンダ PF ミニッツ ラトラパンテ

■PFC904-1020001-100182 ■40mm ■ステンレススチールケース&ブレスレット(ベゼルはプラチナ製) ■自動巻き ■60m防水 ■¥4,653,000(税込)


ラグジュアリーにアップデート
「トンダ PF GMT ラトラパンテ」

 昨年リリースされるや、ジャーナリストたちからも大絶賛を受けた「トンダ PF GMT ラトラパンテ」。プッシュボタンで時針を操作でき、簡単にGMT針の設定を行えるだけでなく、分かれた時針を元に戻すのもワンプッシュ。便利な実用機構をシンプルなアクションで動かすというセンスに、パルミジャーニ・フルリエの凄味を感じたのだった。

 今年の新作は、機構はそのままだが、ケースやベゼル、ブレスレットをローズゴールド素材で製作し、より華やかなモルとなった。バーリーコーンギヨシェを施したダイヤルは、ゴールドと相性が良いネイビー(名称はミラノブルー)にして、色気あるムードを強める。こちらも人気を集めそうだ。


■PARMIGIANI FLEURIER(パルミジャーニ・フルリエ) ■トンダ PF GMT ラトラパンテ ■PFC905-2020001-200182

トンダ PF GMT ラトラパンテ

■PFC905-2020001-200182 ■40mm ■18Kローズゴールドケース&ブレスレット ■自動巻き ■60m防水 ■¥9,625,000(税込)


モノトーンのたたずまいが美しい
「トンダ PF マイクロローター」

 ラグジュアリースポーツウォッチの「トンダ PF」は、ブランド創立25周年となる2021年にデビューした。得意とするマイクロローター式の薄型ムーブメントを使用することでケースの厚みを7.8mmに抑えて、エレガントさを引き出しているのが特徴だ。その新作は、ケースやブレスレット、ベゼル、ダイヤルの全てをプラチナ製にしたという豪華な一本。しかもムーブメントは3mm厚のCal.PF703を搭載するが、マイクロローターの素材にもプラチナを使っている。そんな細やかなこだわりが楽しい。


■PARMIGIANI FLEURIER(パルミジャーニ・フルリエ) ■トンダ PF マイクロローター ■PFC914-2020002-200182

トンダ PF マイクロローター

■PFC914-2020002-200182 ■40mm ■プラチナケース&ブレスレット ■自動巻き ■60m防水 ■¥13,409,000(税込)


ちょっとした工夫で違いを作る
「トンダ PF フライングトゥールビヨン」

 多くの技巧派ブランドが好むフライングトゥールビヨンは、下から支えるのでキャリッジが浮かんでいるように見える。表側に大きなブリッジがなくなりダイヤルを強調できるので、美しいダイヤルで知られるパルミジャーニ・フルリエがこの機構を好むのは当然だ。しかしここにも工夫を凝らしている。通常なら厚みのあるトゥールビヨン機構は6時位置に収めるのがセオリー。しかしあえて7時位置にずらしている。これは創立者のミシェル・パルミジャーニ氏が7時8分に生まれたことに由来するちょっとした遊び心だ。

 しかしこの角度が、やや見慣れた感のあるフライングトゥールビヨンに個性を与え、パルミジャーニ・フルリエの時計であることをさりげなく主張する効果もある。

 新作はケース、ブレスレット、ベゼル、ダイヤルの全てをプラチナ製にした。そしてダイヤルはミラノブルーでまとめている。


■PARMIGIANI FLEURIER(パルミジャーニ・フルリエ) ■トンダ PF フライングトゥールビヨン ■PFH921-2020002-200182

トンダ PF フライングトゥールビヨン

■PFH921-2020002-200182 ■42mm ■プラチナケース&ブレスレット ■自動巻き ■100m防水 ■¥23,650,000(税込)


「トンダ PF スプリットセコンドクロノグラフ 」は
機械芸術である

  強さと美しさをあわせもつクロノグラフ。自社製の一体型クロノグラフムーブメントCal.PF361は、毎時36,000振動のハイビート仕様で、さらにスプリットセコンド機構も加えている。しかもムーブメントのデザインや仕上げが圧倒的に美しい。地板やブリッジの素材にはローズゴールドを使用し、しかも丁寧に面取りしているブリッジはスケルトンなので、内部のメカニズムもしっかり見える。パルミジャーニ・フルリエの技術力と表現力の両方を堪能できる時計だ。


■PARMIGIANI FLEURIER(パルミジャーニ・フルリエ) ■トンダ PF スプリットセコンドクロノグラフ ■PFH916-2010002-200182

トンダ PF スプリットセコンドクロノグラフ

■PFH916-2010002-200182 ■42mm ■18Kローズゴールドケース&ブレスレット ■手巻き ■100m防水 ■限定30本 ■¥24,266,000(税込)



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