繊細かつクールな佇まいで人気を不動のものにした
パルミジャーニ・フルリエ「トンダ PF」の注目3モデル
文:竹石祐三 / Text:Yuzo Takeishi
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano
※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。
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2021年の誕生以来、そのエレガントかつモダンなルックスで瞬く間に注目を集めた、パルミジャーニ・フルリエ(PARMIGIANI FLEURIER)の「トンダ PF」。その後も、コレクションはラインナップを拡充し続け、デビューからわずか2年にも関わらず、ブランドの旗艦コレクションに位置付けられるまでになった。そんな充実の一途を辿るラインナップの中でも、時計店YOSHIDA(ヨシダ)が注目するのが、ここに紹介する3モデル。世界初となる中国暦コンプリートカレンダーをはじめ、スモールサイズモデルやアリゲーターストラップを組み合わせたタイムピースはいずれも、「トンダ PF」の今後の展開をも期待させる傑作揃いである。
2023年の新作モデル第1弾として発表されたのが、世界初のコンプリート中国暦を搭載した「トンダ PF シィアリーカレンダー」。パルミジャーニ・フルリエはこれまで、グレゴリオ暦のアニュアルカレンダーに始まり、2019年にはイスラム暦の永久カレンダーモデル「トンダ ヒジュラ パーペチュアルカレンダー」を開発。今回の中国暦コンプリートカレンダーは、これらに続く同社の複雑カレンダー機構の3作目となる。
そもそも中国の暦は、太陰暦と太陽暦とを別々に計算し、約3年ごとに導入される閏月によって両暦の周期を一致させる太陰太陽暦を用いているのだが、それでも季節のズレが生じてしまうため、さらに太陽年を24分割した二十四節気を設定。そればかりか、中国暦はグレゴリオ暦とは逆に、月に数字を充てて年に名前を付けている。この年号は60年周期で繰り返されるのだが、日、曜日、月といった暦は天体観測によって変動するなど、先の閏月も含めると、その計算は非常に入り組んでいるという。そうした理由から、中国暦の永久カレンダーを作ることは事実上不可能とされてきたのだが、パルミジャーニ・フルリエは、時間単位に10進法の“十干(じっかん)”と12進法の“十二支”を組み合わせることによってこれを実現させたのだ。
ローレット加工を施したベゼルやバーリーコーン(麦の穂)模様のギヨシェといった「トンダ PF」のデザインコードは踏襲しつつ、ダイアル外周には二十四節気、12時位置のインダイアルには年の名前、十二支、五行説の元素と陰陽、3時位置には日を示す数字や大月または小月を表示。ダイアル全体もインペリアルレッドで彩られるなど、オリエンタルな雰囲気を強めている。世界初となる画期的なカレンダー機構搭載モデルは、時計愛好家の気持ちを昂らせるのはもちろんのこと、中国暦に馴染みのない人々のハートをもしっかりと掴むことだろう。
「トンダ PF シィアリーカレンダー」が、パルミジャーニ・フルリエらしい複雑機構を備えているのに対し、2022年に登場した「トンダ PF オートマティック」は、近年のスモールサイズウォッチ人気の高まりを受けて、新たにラインナップに追加されたモデルだ。ローレット加工ベゼルやバーリーコーン模様のギヨシェを施したダイアルといったデザインエレメントを取り入れながらケースサイズは36mmにスケールダウン。「トンダ PF」らしい繊細かつモダンな表情はそのままに、ヴィンテージウォッチのような雰囲気も感じられるようになった。
サファイアクリスタルのケースバックから姿を見せるのは、「トンダ PF オートマティック」のケースに収まるよう新たに開発された、キャリバーPF770。面取りやコート・ド・ジュネーブ仕上げが施され、ローターも22Kローズゴールドを用いるなど、パルミジャーニ・フルリエに相応しい美観を携えているのみならず、パワーリザーブも60時間を誇るなど十分な実用性も備えている。
ラインナップはシルバーサンド、またはウォームグレーのダイアルを備えたステンレススチールモデルと、ディープルビーダイアルを組み合わせた18Kローズゴールドモデルの3種類。いずれも「トンダ PF」らしいエレガントな雰囲気を放っているが、とりわけ写真のシルバーサンドはケースとブレスレット、ダイアルまでがワントーンにまとめられ、よりクールなルックスを楽しめる。
ローレット加工のベゼルやバーリーコーンのダイアルに加え、ケースとブレスレットに統合感を持たせたデザインもまた、「トンダ PF」が注目されるきっかけとなった要素のひとつ。そのデザインエレメントはコレクションにスポーティーなニュアンスを与えていたが、パルミジャーニ・フルリエでは2022年、そうした既存モデルとは雰囲気を異にする新作をリリースした。それが、アリゲーターストラップを採用した「トンダ PF クロノグラフ」だ。
18Kローズゴールド製のケースに組み合わせられるのは、上品なミラノブルーのダイアル。アリゲーターストラップはこのダイアルと同色でまとめられており、ソリッドな表情を見せていた従来のブレスレットモデルから一転、ローズゴールドとブルーのツートンカラーがあたたかみを感じさせる、ドレッシーな時計へと趣を変えている。ブレスレットモデルが、デイリーに着用できるラグジュアリーウォッチであるならば、このアリゲーターストラップモデルは、よりリラックスしたシーンに似合うタイムピースと言えるだろう。
アリゲーターストラップはケースからシームレスに繋がっているような構造を取り入れ、さらにふたつのプッシャーを押して開く非対称のトリプルブレードバックルを採用しているため、着け心地は実に快適。ケース直径は42mmとやや大きめではあるが、そのサイズを感じさせない上質なフィット感が堪能できる。
トンダ PF クロノグラフ
■PFC915-2020001-300182 ■42mm ■18Kローズゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き ■100m防水 ■¥7,733,000(税込)
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ロングランの人気連載コラム。グレッシブが擁するベテランから気鋭のライターが、YOSHIDAが取り扱うタイムピースおよびブランドをご紹介します。時計の基本的な情報はもちろん、この連載ならではの様々な切り口で注目ブランドの魅力を解説します。パテック フィリップ、オーデマ ピゲ、ウブロなどの人気ブランドから新進気鋭まで名店YOSHIDAならではの審美眼について特集を展開します。
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