「トンダグラフ GT」の軽快感をさらに昇華させた
パルミジャーニ・フルリエ×YOSHIDAのケミストリー

文：竹石祐三 / Text：Yuzo Takeishi
編集：戸叶庸之 / Edit：Tsuneyuki Tokano

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　ブランドとYOSHIDA（ヨシダ）とのコラボレートによって、レギュラーモデルにはない特別なクリエイションを示しつつも、長年にわたって愛着を持てるベーシックなデザインを実現するYOSHIDAスペシャル。その新しいパートナーに加わったのは、“神の手”を持つと言われた天才時計師ミシェル・パルミジャーニ率いるパルミジャーニ・フルリエ。2022年第1弾となるYOSHIDAスペシャルは、2020年にデビューした「トンダグラフ GT」にYOSHIDAならではの絶妙なアレンジを加え、軽快な雰囲気を一層強めたデイリーウォッチに仕上がっている。

デイリーユースの時計に軽快なアクセントを添えた
「トンダグラフ GT」

　2020年に誕生した「トンダ GT」と「トンダグラフ GT」は、それまで、優れた性能を有したドレスウォッチを手掛けていたパルミジャーニ・フルリエにとっての新境地となるコレクションだった。近年のビッグトレンドであるラグジュアリースポーツウォッチのように、ケースとブレスレットに一体感を持たせるデザインワークを取り入れながらも、時計全体を支配するのは、一見してパルミジャーニ・フルリエと分かるエレガントな佇まい。パルミジャーニ・フルリエはこれを「身に着ける人の日常のあらゆる場面に寄り添うようにデザインされた、デイリーユースの時計」とポジショニングし、ブランド創設25周年のプロローグを、華やかさと驚きとともに飾った。

　この「トンダ GT」コレクションの誕生から約1年半。YOSHIDAはスペシャルピースを製作するパートナーとしてパルミジャーニ・フルリエを加え、2022年のYOSHIDAスペシャル第1弾として「トンダグラフ GT」の別注モデル発表した。ベースとなるのは、ケースとブレスレットにステンレススチールを用いた「トンダグラフ GT」。一体型ブレスレットを備えたケースや、繊細な表情を魅せるダイアルのクル・トリアンギュレールギヨシェといった特徴的なディテールはそのままに、YOSHIDAスペシャルでは新たにブルーダイアルを採用。ブルーダイアルはこれまで、18Kローズゴールドケースのモデルにのみ組み合わされていたカラーで、ステンレススティールケースでの採用は初となる。しかも、YOSHIDAスペシャルでは単純にダイアルをブルーに彩るだけではなく、ロジウムコーティングを施すことで耐食性を向上させつつ、銀白色の輝きをも放つエレガントな、それでいて軽快感のある雰囲気に仕上げた。

　そのルックスは、ともするとレギュラーモデルのカラーバリエーションと捉えられてしまいそうだが、実はこれこそがYOSHIDAスペシャルの真骨頂である。企画を行うYOSHIDAの代表取締役・吉田勉が考えるのは、自身が本当に欲しいと考えるスペシャルピース。そのため、限定モデルであっても決して奇を衒ったものではなく、あくまでも日常的に、しかも長く愛用できるベーシックなデザインを心掛けている。

　今回のスペシャルピースも然りで、そうしたコンセプトを明快に具現しつつ、「トンダ GT」コレクションの設計思想である「デイリーユースの時計」にも合致。YOSHIDAスペシャルの真価を実感できる、2022年の幕開けにふさわしいタイムピースである。