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YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第86回~

時計色彩の可能性を広げるウブロの挑戦

2020.5.15
■HUBLOT(ウブロ) ■ビッグ・バン ウニコ イエローサファイア ■441.JY.4909.RT

文:田中克幸 / Text:Katsuyuki Tanaka
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

 ウブロは、自社設計・製造ムーブメントの開発を目標に掲げ、2009年に竣工したスイス・ニヨンの本社マニュファクチュールの製造体制の構築を行った。これは早くも翌2010年、自社開発・製造ムーブメント「ウニコ(UNICO)」の発表に結実した。普通の時計会社ならば、これでマニュファクチュールの突端を開いたという結果に満足するところだろう。しかしウブロは違った。一般的なブランドとは異なりケース素材の開発まで創造の域を広げたのである。それはまず2010年の“18Kキングゴールド”で始まり、以降は様々な素材の開発に取り組み、近年はサファイアクリスタルやセラミックの開発にも注力する。彼らがこだわるのがこれらの素材の“色彩”。サファイアクリスタルについては、イエロー、レッドなど過去には見られなかったケースの斬新な色彩表現にウブロは傾注している。YOSHIDA(ヨシダ)は彼らのサファイアクリスタルとセラミックにおけるケースの色彩表現に着目、その挑戦を検証する。

挑戦その1 ―― サファイアクリスタル
ケースの不可視性に始まった時計界初の快挙

 2019年1月のジュネーブ展示会において、ウブロはイエローサファイアクリスタルをトノー型ケースに採用した42mmケースの「スピリット オブ ビッグ・バン イエローサファイア」を世界限定100本で発表。これは銅(元素記号CU)と酸化アルミニウム(Al203)を融合し、サファイアクリスタルの特性である高耐傷性、高透明度、高硬度を保有するカラーサファイアクリスタルであり、しかも時計史上初のイエローの表現に成功した革新的な新作であった。

 自社開発・製造ムーブメントと同様、ウブロはケース素材への執念とも言える開発を進め、その挑戦はまずゴールドから始まった。2009年、スイス・ニヨンの本社マニュファクチュール完成の翌年には“18Kキングゴールド”、その翌年の2011年はスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)と共同開発した“18Kマジックゴールド”(特許取得)を発表し、独自の素材を完成させた。そして現在ウブロが傾注しているのがサファイアクリスタルである。

 2016年、ウブロは透明性を追求した「ビッグ・バン ウニコ サファイア」を発表し、翌2017年には自社開発・製造ムーブメント “UNICO(ウニコ)”Cal.HUB1242搭載の「ビッグ・バン ウニコ マジックサファイア」が世界限定500本で登場する。「ビッグ・バン ウニコ サファイア」とは「可視=見える」と「不可視=見えない」からなる新たな透明性を追求し融合させたモデルであり、光透過性に優れながらもダイヤモンドとほぼ同程度の硬度から、加工が極めて困難なサファイアクリスタルをケース素材に採用することに成功した新製品だった。

 さらに同年には時計界初のカラーサファイアクリスタルの成型に成功したウブロは、ブルーサファイアケース「ビッグ・バン ウニコ ブルーサファイア」も発表。従来までサファイアクリスタルの融合と結晶化に於ける均質性の欠如・不安定さで、製造困難とされていたカラーサファイアクリスタルへの挑戦は、ブルーやレッドを生み出し、ついに冒頭で述べたイエローへと進化する。


 2019年に42mmケース径のトノー型「スピリット オブ ビッグ・バン イエローサファイア」を発表。2020年には45mmケースが発表され、同時に42mmのラウンド型ケース「ビッグ・バン ウニコ イエローサファイア」も登場した。前者は2019年発表モデルと同様の自動巻きスケルトンクロノグラフCal.HUB4700を搭載するが、後者のビッグ・バンでは自社開発・製造の自動巻きリスターティングフライバッククロノグラフムーブメント“UNICO(ウニコ)”のCal.HUB1280を搭載している。開発に大いなる苦難を要したイエローサファイアに自社ムーブメントを搭載したい、というウブロの意志がうかがえる。

 このように透明からカラーへとサファイアクリスタルの時計史上初の快挙を成し遂げる一方、ウブロはセラミックへの挑戦も同時に行っていたのである。


挑戦その2 ―― セラミック
ウブロ第2次創業期以来の必須素材

 狭義では陶磁器、広義ではセメント、瓦、ガラス等までを含むセラミックは、古来より存在する粘土等の天然物を原料とし、これを成形・焼成などの工程を経て得られる非金属・無機材料の焼結体を指す。この原料をセラミックと呼び、セラミックを使用した製造品の呼称がセラミックスだ(しかし最近は明確な定義分けをせずに混在使用する傾向にある)。耐熱性・耐磨耗性・耐腐食性に優れる一方、衝撃や急激な温度変化に弱いという弱点もあったが現在ではこの問題を解決したセラミックスも存在している。ウブロもそのひとつだ。


 以前よりウブロにとってセラミックはゴールド、サファイアクリスタル等と共に重要なケース素材である。ウブロのコンセプト“The Art of Fusion”とは、“異なる素材やアイデアの融合”を意味する。これは2005年発表の「ビッグ・バン」のケースが異素材を重ねた多層レイヤード構造であったことにも表れている。しかし、ウブロは“異なる素材”が“異なる素材を化学的に融合”させる試みへと進化し始め、社内には研究開発(R&D/Research & Development)部門も整備され始める。

 2016年、前述の“サファイアクリスタル”ケースをリリースしたウブロは、ついに2018年の1月、ジュネーブ展示会において鮮やかな赤を表現することに成功した“レッドセラミック”搭載モデルが登場する。それがケース径45mm、自社開発・製造ムーブメントの自動巻きフライバック・クロノグラフ“UNICO”Cal.HUB1242搭載の「ビッグ・バン ウニコ レッドマジック」だ(世界限定500本)。


 これはカラーセラミックでは色彩表現が極めて困難とされてきた、濃密で鮮明なレッドの発色に成功した画期的な存在。まるで油絵具を塗り込んだかのような、ねっとりとした赤の質感には多くの時計関係者からの支持を得た。成功の原動力は前述した社内の研究開発(R&D)部門。彼らが約4年の期間を経て開発した革新的な製造方法によるもので、セラミックの加圧と加熱焼結の融合により顔料(ピグメント=Pigment)を焼成しないという方法により完成し、かつ従来の1200HV2より優れる1500HV1の硬度を確保した(HV=ビッカース硬度を表す記号。ちなみにダイヤモンドはHV7140~15300)。

 この“レッドセラミック”は2019年の「アエロ・フュージョン クロノグラフ オーリンスキー レッドマジック」、続けて本年の2020年には世界限定100本の複雑時計「ビッグ・バン MP-11 14デイ パワーリザーブ レッドセラミック」でも採用された。

 過去においても現在でも、ムーブメントの自社開発・製造能力を持つ時計会社をマニュファクチュールと呼称するが、ウブロはもはやムーブメントのみならず、ケース素材までも含めた21世紀型マニュファクチュールを先取りしていると言ってよいだろう。

 彼らのケース素材の開発は今後も止まることを知らないはずだ。事実、本年の2020年はサファイアクリスタルやカラーセラミックとは別の新素材“SAXEM”が登場した。さて、次の一手はどう出るのか? 予断を許さぬウブロの活動は時計ファンの楽しみであり、かつ他社を圧倒するウブロの“今”を示している。


新しい彩りの扉を切り開くウブロ珠玉の8本が揃い踏み!

【連載】「YOSHIDAで体験する、高級時計への旅」とは?

正規時計代理店YOSHIDA(ヨシダ)と、時計専門サイトGressive(グレッシブ)が、4名の執筆陣とともに送る連載企画。「なぜ、人は腕時計に惹かれるのか?」という普遍的なテーマのもと、名だたる一流ブランドの魅力に触れ、奥深い高級時計の世界へと誘う。

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