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YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第46回~

比類なき存在感を放つ、ウブロ×YOSHIDAスペシャル

2019.8.9

文:田中克幸 / Text:Katsuyuki Tanaka
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

 YOSHIDAスペシャルとは、来年の2020年に創立100周年を迎える時計専門店YOSHIDA(ヨシダ)が直接、時計ブランドに対し自らのアイデアを語り、製品化するという世界で唯一の特注モデルの総称である。完成した時計は仔細に検分して初めてその独創性に気付くという、実に通好みの逸品が揃う。流行に左右されないゆえに人生の伴侶となる“永遠の時計”というゴールを目指すYOSHIDAスペシャル。今回の特集では「YOSHIDA 東京本店」店長のコメントを交え、HUBLOT(ウブロ)とのスペシャルモデルの数々を検証する。

オールブラック仕様の
「スピリット オブ ビッグ・バン フロステッドカーボン」

 まず注目したいのが2019年の新作のひとつ、自動巻きクロノグラフ「スピリット オブ ビッグ・バン フロステッドカーボン」だ。ほぼオールブラック仕様というこの時計の中で、唯一表情を醸し出しているのが、カーボンの中に3mm角のカーボンを入れて圧縮したフロステッドカーボン製のケース&ベゼルである。氷の結晶を散りばめたスイス・マッターホルンの岩肌に着想を得た2018年発表の新素材ケースだが、一見するだけではウブロの通常コレクションとの明確な差が見つけにくい。

 既存モデルでは、ブラックという点で「スピリット オブ ビッグ・バン ブラックマジック」(ケースサイズ45mm)が認められるが、そもそもこれはブラックセラミックケースでありフロステッドカーボンではない。またインデックスやオープンワークダイアルはシルバーカラーである。

 一方、カーボンケースという点では「スピリット オブ ビッグ・バン トゥールビヨン カーボン ブラック」が、今年の新作として存在するものの、当モデルはトゥールビヨンである上にリューズトップやベゼルのH型ビス、時分針はブラック仕様ではない。

 YOSHIDAスペシャル「スピリット オブ ビッグ・バン フロステッドカーボン」は、2018年にビッグ・バンで発表されたフロステッドカーボン素材をスピリット オブ ビッグ・バンに採用し、しかもほぼ全体をオールブラック仕様にした特別のクロノグラフであることがわかる。なお、2018年に2種類発表されたフロステッドカーボン素材のビッグ・バンのうち、ひとつはクロノグラフだが搭載ムーブメントはCal.HUB 1242でYOSHIDAスペシャル搭載のCal.HUB 4700とは全く異なるものだ。

 つまり、即座に通常モデルとの違いは分からないものの、時計の構成要素を仔細に検分すると、まるで異なるモデルに仕上がっているのがYOSHIDAスペシャルの特徴である。

 通常「特注モデル」と銘打つ場合、ダイアルカラーの別注、あるいはケースバックにそれを示すエングレーブを施すなど、分かりやすいアピアランスが多い。しかし、敢えて些細な差別化を図る背景には、YOSHIDAスペシャル独自の基準があると「YOSHIDA 東京本店」店長は語る。

「派手さを追求するのではなく“ブランドらしさを尊重すること”がYOSHIDAスペシャルの基本です。ウブロの既存モデルにはカラフルな時計が多く見受けられます。そこであえてYOSHIDAでは派手さではなく渋味のある時計を目指しています。このモデルも唯一表情の変化はカーボンの微妙なニュアンスだけです」。その姿勢は、2019年のYOSHIDAのテーマである“原点回帰”にも繋がっている。


“原点回帰”から導き出された
「ビッグ・バン トゥールビヨン クロノグラフ
カテドラル ミニッツリピーター カーボン」

 YOSHIDAの原点回帰を象徴するモデルが、2019年のもうひとつの新作である「ビッグ・バン トゥールビヨン クロノグラフ カテドラル ミニッツリピーター カーボン」だ。そもそもウブロのカテドラル ミニッツリピーター自体が実に希少な存在。

「ウブロではミニッツリピーターを、フルマジックゴールドやセラミックケースで発表しています。しかしマット仕様のカーボンケースはYOSHIDAだけ、世界で唯一ウブロが認めたモデルです」(「YOSHIDA 東京本店」店長)

 それにしてもトゥールビヨンとクロノグラフ、さらにカテドラル ミニッツリピーターという“超”が付くほどの複雑時計をスペシャルモデルに選ぶ理由は何だろうか? ちなみにカテドラル ミニッツリピーターとは“カテドラル(Cathedral=聖堂)の鐘(ゴング)の音色で時を知らせる複雑機構である。

「YOSHIDAスペシャルのコンセプトの発案者は当社社長です。我々はウブロを“能ある鷹は爪を隠す”ブランドだと思っています。見た目のインパクトには圧倒されますが、彼らの複雑時計の基本はトラディショナル。しかもその隠された技術力には感心しますね。例えばウブロ=ミニッツリピーターというイメージは、簡単には思い浮かばないかもしれません。しかしその完成度は非常に高く、大抵のリピーターは作動時にガバナーの音が聞こえてしまいます(ガバナーとはミニッツッリピーター作動時に回転する調速機構。通常は“ジー”という音が聞こえる)。これが純粋な音ではなく雑音となって聞こえますが、ウブロではそれがありません」(「YOSHIDA 東京本店」店長)

 一般的にあまり知られていない、ウブロの複雑時計の高い完成度。これに着目したのもYOSHIDAの目利きとしての能力と勘の良さであろう。

 ではこのような特別モデルはどのようなプロセスで完成するのだろうか?


困難な製造方法にもかかわらず完成した
「クラシック・フュージョン トゥールビヨン サファイア」

「ミニッツリピーターや自社開発・製造ムーブメントUNICO(ウニコ)の実力をあまり誇示しない」ことや「時計の外装デザインに目を奪われる余り、見る側はすぐに内部にまで考えが及ばない」、しかし「外装やムーブメント共に高度なレベルに達している」のがウブロの特徴であると「YOSHIDA 東京本店」店長は述べる。

 店長が述べるように、少し見た程度では認識できないもののじっくり検証すると、実に大胆なオーダー品であることが判明するスケルトンモデルがYOSHIDAスペシャルには存在する。手巻きモデルの「クラシック・フュージョン トゥールビヨン サファイア」だ。

 当モデルはその名のとおり、クラシック・フュージョンにトゥールビヨンとサファイアクリスタルケースを組み合わせたスペシャルモデル。ウブロの通常コレクションにおいて同じメカニズムとケース素材は「クラシック・フュージョン トゥールビヨン 5デイ パワーリザーブ オーリンスキー サファイア」と、「ビッグ・バン トゥールビヨン パワーリザーブ 5デイ サファイア」の2モデル用意されているが、YOSHIDAスペシャルはこのどちらとも異なる。

 前者の搭載ムーブメントは手巻きのCal.HUB6021で、後者は同じく手巻きのCal.HUB6016。YOSHIDAスペシャルはCal. HUB6016をベースに9時のパワーリザーブ表示計は廃し、そして徹底したスケルトン加工が施されたムーブメントを搭載している。

「そもそも『クラシック・フュージョン』とサファイアクリスタルケースの組み合わせを成立させること自体が困難です。ご承知のように、『ビッグ・バン』は幾つかのパーツの集合体で構成された多層レイヤード構造です。一方『クラシック・フュージョン』は構成パーツ数が大変少ないので製造が困難なのです」(「YOSHIDA 東京本店」店長)

 ついでに言うと、前述の「クラシック・フュージョン」はオーリンスキーとのコラボレーションモデルなので、そのまま今回の特注に流用することは不可能。つまり最初からオリジナルで製造することと変わりがないと言えるだろう。

 このスペシャルモデルは最初、本社から「NO」と言われたものの交渉の末、1~2年後には「OK」という返事が届いたという。ひとつのスペシャルモデルが完成するまでには、本社の検討時間から具体的な製造まで長い道のりを経るわけだが、一方、本社の早い決断で完成するモデルもある。


完成までに1年。ポリッシュ仕様プラチナケースの
「ビッグ・バン トゥールビヨン クロノグラフ
ミニッツリピーター プラチナ」

 ここで紹介するYOSHIDAスペシャルは、2019年の新作のひとつ「ビッグ・バン トゥールビヨン クロノグラフ カテドラル ミニッツリピーター カーボン」のプラチナケース・バージョンである。同じムーブメントである手巻きCal.HUB8110、つまりトゥールビヨン、クラノグラフ、カテドラル ミニッツリピーターという機能とダイアル上のレイアウトは同一。しかしエクステリアが全く異なる仕上がりを見せた理由は、もちろんケース素材に採用したプラチナにある。

「抜群の完成度です。プラチナをポリッシュしたことがポイントですが、完成までに1年を要しました。しかしウブロはフットワークが軽いので、1年という期間は実に早かったという印象ですね」(「YOSHIDA 東京本店」店長)

 オープンワークのダイアルから見える複雑機構に目が奪われるが、色彩的にはプラチナ単色のみで、まるで鍛え抜かれた日本刀を見るかのような静謐な迫力が感じられる。

 このようなモデルをオーダーするYOSHIDAの決断力に驚くと同時に、彼らの要望を受け入れ、それを実現するウブロの実行力にも感心する。この理想的なキャッチボールは両者の信頼関係がなければ実現しない。

 本社の対応が早い、という理由は2009年に続き2015年にも完成したスイス・ニヨンにあるふたつの自社工場と、マジックゴールドなどの新素材を開発する体制が整備されていることにある。自社一貫製造体制のマニュファクチュールならではの強みだ。

 今現在、時計の世界では様々な別注モデルが存在するが、製造元と発注元の理想的な関係がなければ真にオリジナルな時計は完成しない。この点、YOSHIDAとウブロのコミュニケーションは極めて良好、それが故に今回紹介したスペシャルモデルが我々の前に登場するのである。その背景には時計熟達者、経験を重ねた時計の見巧者である顧客の存在は欠かせない。

 YOSHIDAとウブロと顧客という、幸福で理想的なトライアングルが世界でも滅多に存在しない“世界で唯一”の時計を生み出している。


時計通を唸らせる複雑機構満載のウブロ×YOSHIDAスペシャル

【連載】「YOSHIDAで体験する、高級時計への旅」とは?

正規時計代理店YOSHIDA(ヨシダ)と、時計専門サイトGressive(グレッシブ)が、4名の執筆陣とともに送る連載企画。「なぜ、人は腕時計に惹かれるのか?」という普遍的なテーマのもと、名だたる一流ブランドの魅力に触れ、奥深い高級時計の世界へと誘う。

INFORMATION

YOSHIDA 東京本店

東京都渋谷区幡ヶ谷2-13-5
営業時間:10:00~20:00 年中無休(1月1日から1月3日までを除く)



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