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YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第36回~

ウブロ2019年新作の香り立つ魅力 vol.1

2019.5.31
■HUBLOT(ウブロ) ■アエロ・フュージョン クロノグラフ オーリンスキー レッドマジック ■525.CF.0130.RX.ORL19

文:田中克幸 / Text:Katsuyuki Tanaka
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。

 SIHHやバーゼルワールドといった国際的な時計見本市を日本のメディアが注目し始めて早や四半世紀以上が経つ。HUBLOT(ウブロ)は2019年も例年通り、1月と3月に2回出展し、多くの話題を集めている。その中から選りすぐりのモデルを2度の特集にわたって紹介する。

時計界のトレンドを占う2大展示会

 時計の世界には、2つの大きな見本市がある。ひとつは毎年1月に開催されるジュネーブでの展示会(代表的存在がSIHH=Salon International de la Haute Horlogerie)、もうひとつは3月のバーゼルワールドだ。

 現在、当展示会以外でも、ジュネーブのホテル等で数多くの時計ブランドが新作発表会を開催している。ウブロは今年もジュネーブにて新作の発表を行った。


HUBLOT(ウブロ) バーゼルワールド2019

バーゼルワールド以外に、2011年よりジュネーブ市内のホテルで独自展示会を開催しているウブロ。すでに9年目となった2019年の今年、その存在感は当地展示会でも抜きん出た存在と言える。連日、日本からの時計専門店やメディアなど訪問客が目白押し。

■HUBLOT(ウブロ) ■スピリット オブ ビッグ・バン イエローサファイア ■641.JY.0190.RT

2019年ジュネーブ発表モデルの話題作。高い耐傷性機能と透明度を持つサファイアクリスタルは、その特性ゆえに加工が極めて困難。カラーサファイアクリスタルの開発に成功したウブロの「スピリット オブ ビッグ・バン」コレクションからは新色のイエローが登場。時計に初めて採用されたイエローサファイアクリスタルは、 “唯一無二” の存在感を放つ。

 一方のバーゼルは北東にドイツ、北西にフランスと国境を接する土地柄、元々当地を流れるライン河を利用した交易基地として発達した商業見本市が起源。その源流は1917年にさかのぼり、現在の時計見本市になったのは1973年である。

 日本のメディアがこれらの展示会に着目し始めたのは1992年頃で(一部は1980年代から)、私は1994年から取材で訪問している。時計ブランドの中には両展示会の特性を考慮し、1月と3月に年に二度も展示会を開催する例もあり、ウブロはその筆頭ブランドである。

新たな潮流に応える、豊富なサイズ展開に注目

 では、まず1月に発表された新作を紹介しよう。「YOSHIDA 東京本店」店長の見解は以下の通りだ。

「ウブロの新作をみると、ケースの小型化が顕著になってきました。以前は45mmケースが主流でしたが、42mmなどが登場。さらに自社ムーブメント“ウニコ”を『ビッグ・バン』の42mmケースに搭載してきています」

 これは欧米人と比べて腕が細い日本人には嬉しい傾向。“デカ厚”時計が流行ったのは2000年代に入ってからだが、我々の体型によりフィットする時計が今、どんどん登場しているのだ。

 これは時計会社の立場から見るとかなりの冒険。例えば、ファッション界においては、サイズによる余剰在庫がリスクのひとつであるが、製造コストが段違いに高額な“機械モノ”ではそのリスクはかなり大きい。ウブロはムーブメントやケース素材等の開発のみならず、サイズの開発においても相当な冒険家である。

 今回のジュネーブにおける最大の話題作といえば「スピリット オブ ビッグ・バン イエローサファイア」だ。これまで高度な透明度を実現したモデルや、それとは真逆のブラックスモーク、そしてブルーやレッドのサファイアクリスタルで成功してきたウブロ。今回のモデルでは耐衝撃性を誇るため、その高硬度から着色や切削に困難を極めるサファイアクリスタルで、ついにイエローが登場した。

 また着色加工が困難なセラミックにおけるパイオニアであるウブロは、YOSHIDAでも“よく売れている”リチャード・オーリンスキーが手掛ける「アエロ・フュージョン クロノグラフ オーリンスキー レッドマジック」では、鮮やかで高い香気を感じるレッドセラミックを用意。


  • ■HUBLOT(ウブロ) ■スピリット オブ ビッグ・バン イエローサファイア ■641.JY.0190.RT

    スピリット オブ ビッグ・バン イエローサファイア

    通常は時計の風防に採用されるサファイアクリスタルは、ダイヤモンドに次ぐ硬度9を誇り耐傷性においては抜群の存在。さらに高透明度のため着色にムラが生じやすく加工の難しい当素材を複雑な形状のケースに採用。もはや時計という精密機械の枠を超えた存在感には驚く。
    ■641.JY.0190.RT ■42mm ■イエローサファイアクリスタルケース ■イエロースケルトンストラップ ■自動巻きスケルトンクロノグラフ ■5気圧(50m)防水 ■世界限定100本

  • ■HUBLOT(ウブロ) ■アエロ・フュージョン クロノグラフ オーリンスキー レッドマジック ■525.CF.0130.RX.ORL19

    アエロ・フュージョン クロノグラフ オーリンスキー レッドマジック

    “腕に着けるアート”。2017年から続く仏の現代アーティスト、リチャード・オーリンスキーとのコラボモデルは、その独創的な3次元ファセット構造が特徴。本作はウブロが約4年の歳月を経て開発した、セラミックへの着色・製造技術によるレッドマジックが登場だ。
    ■525.CF.0130.RX.ORL19 ■45mm ■レッドセラミックケース ■レッドラバーストラップ ■自動巻きクロノグラフ ■5気圧(50m)防水 ■世界限定200本

 さらに「ビッグ・バン ウニコ GMT チタニウム ブルーセラミック」と「ビッグ・バン ウニコ チタニウム ホワイト」は、自社ムーブメント“ウニコ(UNICO)”を搭載したハイパフォーマンスの新作だ。時計初心者から上達者までカバーする布陣である。


 では次回ではバーゼルワールドでの新作を紹介する。当展示会では実に驚くべき傑作が登場。ひと目惚れ必至の新作続出という大豊作のバーゼルとなった。

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