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YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第21回~

時計界に激震をもたらした
革命モデル「ビッグ・バン」 vol.2

2019.2.15

文:田中克幸 / Text:Katsuyuki Tanaka
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

 “The Art of Fusion”(異なる素材やアイデアの融合)というHUBLOT(ウブロ)のコンセプトを最も強く体現するのが、旺盛な開発力で誕生する数々の複雑時計ムーブメントとケース素材。ウブロの人気コレクション「ビッグ・バン」には、様々な素材を使ったモデルや、トゥールビヨンなど複雑機構のモデルが数多く存在する。当コレクションの魅力を伝える第2回目は、「複雑時計機構」と「ケース素材」に特化し、ウブロの革新的な技術開発力を探求する。YOSHIDA(ヨシダ)の店頭でも非常に人気の高いコンプリケーションが生まれる背景とは?

マニュファクチュールの開設により、数々の技術革新を実現

 2005年のバーゼルワールドでデビューした「ビッグ・バン」。その後のウブロ大躍進の原動力となったマスターピースだが、年を追うごとに新開発の複雑機構やケース素材が次々に投入され、この15年ほどのウブロの高度な技術力が総覧できるという点でも、「ビッグ・バン」は象徴的な存在となっている。

 しかし、新技術とは早々に実現できるものではなく、開発力の一大転機となったのは2009年10月、スイス・ニヨンに誕生した本社マニュファクチュールと断言できる。この時、ウブロはマニュファクチュール内に複雑時計機構の開発部門と、ケース等に採用される新素材開発部門を開設した。もちろん、自社開発・製造ムーブメント「ウニコ」(UNICO/スペイン語で“唯一の、類のない”の意)の一大拠点でもある。

 これらを牽引したのは2004年にウブロのCEOに就任したジャン-クロード・ビバー氏(現会長)と、彼の右腕であり聡明なプロダクトマネジャーでもあったリカルド・グアダルーペ氏(現CEO)である。彼らによりウブロは第2の創業期を迎えたと言っても過言ではない。


2009年に最初のマニュファクチュール(後に「H1/アッシュ・アン」と呼称)、2015年にはさらに、第2工房(「H2/アッシュ・ドゥ」)を完成、自社開発・製造率は一気に向上した。

 複雑時計機構の開発については、ウブロは天才と呼ばれたBNBコンセプトのマティアス・ビュッテ氏と、彼が率いる約30名のスタッフをそのまま自社に迎え入れた。これが功を奏し、才気煥発の彼らを迎えることで、以降の開発速度に拍車がかかったのは間違いない。ちなみにこの2010年には自社開発・製造ムーブメント「ウニコ」と、後述する独自素材「キングゴールド」が発表されている。

 さらに5年後の2015年9月には第2工房がオープン。この新工房には、ケース製造部門と、エボーシュ製造部門を合わせた機能を集積させた。

 ケース素材の開発に言及すると、まずマニュファクチュール竣工翌年の2010年には、「ウニコ」を搭載し、かつ通常の5Nゴールドよりさらに赤い色調のキングゴールドが完成、これをケースに採用した「キング・パワー ウニコ キングゴールド」が発表された。

 また翌年の2011年には、ウブロのケース開発史ではエポックメイキングとなる「マジックゴールド」が誕生する。「マジックゴールド」とは、純金と炭化ホウ素(セラミック)を数回の高温・高圧によって完成する18Kゴールドで、世界初の傷のつきにくい18Kゴールドとして誕生した。これを採用したモデルが翌2012年の「ビッグ・バン フェラーリ マジックゴールド」である。

 一方の複雑時計の開発では、2013年に香箱を11個連結させ、約50日間の超ロングパワーリザーブを実現した「MP-05 ラ・フェラーリ」はウブロの技術の頂点のひとつ、ウブロの開発者と時計師が、デザインから開発、製造までを一貫して手掛けた特別なタイムピースだ。

 そしてこの技術開発の先に見えるのが、同じ複雑モデルで2018年に発表された「ビッグ・バン MP-11 14デイ パワーリザーブ サファイア」である。


 パワーリザーブは約14日間ながら、時計下部のほぼ半分を占める7個の連結香箱(「MP-05 ラ・フェラーリ」より4個少ない)と、ケース左側に設置された香箱と連結するパワーリザーブ表示が特徴。動力は横方向に連結された輪列で伝達され、12時位置の時分計は水平設置なので、動力方向を90°変換するために、自動車のエンジン機構を参考にしたウォームギアを組み込んでいる。

 では次項では「ビッグ・バン MP-11 14デイ パワーリザーブ サファイア」を筆頭に、ウブロの旺盛なケース開発力を解説する。


サファイアクリスタルの透明度を極限にまで追求した「ビッグ・バン MP-11 14デイ パワーリザーブ サファイア」のケース&ダイアル。さらに注目すべきは時計下部の大胆なカーブ形状。これは横方向に連結した7個の香箱を収納するために考案された。2枚目の写真では、香箱と連結したパワーリザーブ表示計が見える(「14」の数字が見えるロール式表示計)。写真上の時分針は水平位置なので、これに対して直角を成す香箱の動力を90°変換するウォームギアが採用された。

無限の可能性を秘める開発力で明日の時計界を牽引

「ビッグ・バン MP-11 14デイ パワーリザーブ サファイア」のもうひとつの特徴が、ケースに採用されたサファイアクリスタルの成形技術だ。垂直構造の7個の連結香箱はケースサイドから見ると時分計よりも盛り上がった状態になっている。そのために連結香箱のボリュームラインに合わせて、サファイアクリスタルのケースとベゼル、風防が大きなカーブを描くように成形されている。

 サファイアクリスタルの硬度は、材質の硬さの基準となるモース硬度では硬度9。これは硬度10のダイヤモンドに次ぐ硬さで、普通のフラットに近いダイアルでも成形困難と言われているにもかかわらず、このような大胆な成形を可能にしたウブロの技術力には脱帽せざるを得ない。

 まさに「ビッグ・バン MP-11 14デイ パワーリザーブ サファイア」は、新型複雑機構と革新的なケース開発というウブロの精神を体現したひとつの完成形である。


グランドコンプリケーション(超複雑時計)の工房。メカニズムへの飽くことなき開発と製造が止むことはない。

超複雑工房で組み立て中の「MP-05 ラ・フェラーリ」。自社開発・製造の手巻きムーブメントは、時計の一番手前に垂直で設置されている。

 ウブロの時計開発におけるケースの重要性をさらに考えてみたい。ステンレススチール、カーボン、セラミック、チタニウムは彼らが採用する代表的な素材だが、これらの他にプラチナ、タンタル、タングステン、テキサリウム®、サファイアクリスタルなど多くの素材を巧みに操る。

 特に前ページで触れた「キングゴールド」と「マジックゴールド」はウブロ躍進の象徴とも言える素材である。

 まず2010年発表の「キングゴールド」は、従来の5Nゴールドよりもさらに赤い色調で、安定的な発色が特徴。

 次にゴールドにセラミックを圧縮融合した「マジックゴールド」は、ウブロとEPFL(Swiss Federal Institute of Technology in Lausanne=スイス連邦工科大学ローザンヌ校)と共同で開発し、ウブロ自社内の特別な設備で製造される。一般の金と比べて硬度が高く耐傷性に優れる特性を持つ、世界初の傷のつきにくい18Kゴールドである。


ウブロのブランドコンセプト「The Art of Fusion」には、「異なる素材やアイデアの融合」という意味が込められている。写真は「ビッグ・バン トゥールビヨン 5デイ パワーリザーブ サファイア」。

 前述した「ビッグ・バン MP-11 14デイ パワーリザーブ サファイア」(2018年)は、サファイアクリスタル自体をケース化する試みだが、これは極限の透明感を追求した2016年発表の「ビッグ・バン ウニコ サファイア」の開発に依るところが大きい。

 また色彩に関しても、ウブロの探究心はとどまるところを知らない。その好例が“ブルーサファイア”。複雑な溶解法と不安定な結晶化プロセスのため極めて困難とされていた、一定量のカラーサファイアを均一色に製造する技術開発に成功したウブロは、2017年に世界初のブルーサファイアクリスタルケースを採用した「ビッグ・バン ウニコ ブルーサファイア」を発表した。

 一方、サファイアクリスタルではないが、色彩開発技術はセラミックでも開花。約4年間の期間を経て完成したカラーセラミックの開発により、2018年に登場した「ビッグ・バン ウニコ レッドマジック」では、従来の技術では困難とされてきた濃密で鮮明なレッドの発色に成功した。これはセラミックの加圧と加熱焼結の融合により、顔料を焼成しないという革新的な方法により完成し、かつ従来の1200HV2より優れる1500HV1の硬度を確保したという(HV=ビッカース硬度を表す記号)。

 このように途切れることがないウブロの新技術への挑戦。数々の革新的な発明は必ず来年、再来年と続き、それは「ビッグ・バン」へも反映され、世界の時計愛好家達を驚嘆させ続けることに違いない。その実力を誰よりも知るYOSHIDAが選ぶハイエンドモデルは、真の意味でラグジュアリーを極めた傑作であることは言うまでもない。

※参考資料:『クロノス日本版』(2014年7月号、同2016年1月号)


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