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YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第13回~

スーリエに魔法を吹き込む、
ベルルッティとウブロとの奇跡的な邂逅

2018.12.21

文:田中克幸 / Text:Katsuyuki Tanaka
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

 世界中のシューエンスージアストから絶大な支持を得ているBerluti(ベルルッティ)。彼らが生み出した“魔法”によって、それまでの堅苦しい存在であった紳士靴は全く次元の異なる“スーリエ(Soulier。仏語の靴)”へと生まれ変わった。そしてHUBOUT(ウブロ)はベルルッティとの邂逅により、時計に新たな魔法を与えている。長年のパートナーシップからウブロの魅力を知り尽くす、YOSHIDA(ヨシダ)が選ぶ注目のモデルとともに、この話題のコラボレーションについて触れる。

金属素材である時計と自然由来の革物。
異なる世界を融合した“The Art of Fusion”

靴製作の基本はラスト(靴型)から始まる。ベルルッティのビスポーク・スーリエでは顧客の足の形状、サイズ、幅、体重を支える支点等を把握するため片足につき6~10カ所の採寸を行っている。

 ウブロのブランドコンセプトである“The Art of Fusion”。これは「異なる素材やアイデアの融合」を意味し、2005年に発表された「ビッグ・バン」がケースのレイヤード構造等、複数の異なる素材で構成されたことからも、現代のウブロの根幹を支える概念である。

 2016年に初めて発表された「クラシック・フュージョン ベルルッティ」シリーズは、ダイアルとストラップにベルルッティのヴェネチアレザーを採用しており、まさに、ブランドコンセプトである「The Art of Fusion(異なる素材やアイデアの融合)」を体現するモデルだ。


クラシック・フュージョン ベルルッティ スクリット

2016年発表のベルルッティとのコラボレーション第1号モデル。“オールブラック”と同時に発表されたこの“スクリット”には、ダイアルとストラップに“Tobacco(タバコ)”カラーを用いたベルルッティ製ヴェネチアレザーを使用。
■511.OX.0500.VR.BER16 ■45mm ■18Kキングゴールドケース ■ベルルッティ ヴェネチアレザー “Tobacco”(スクリット装飾)×ブラックラバーストラップ ■自動巻き ■5気圧(50m)防水 ■世界限定250本 ■¥3,421,000(税込)

 ここでベルルッティの簡単なおさらいを。1865年にイタリア・マルケ州の小村セニガッリアで誕生したアレッサンドロ・ベルルッティ。彼は世紀末のパリで10年間靴職人としてビスポークシューズを製作し、やがて1895年に「アレッサンドロ」を発表、これがメゾン・ベルルッティの始まりとなった。

 時代が下った1960年代、オルガ・ベルルッティがメゾンの牽引役となる。芸術的感性と学究の徒であるような職人気質に溢れた彼女は、現代のベルルッティの名声を確立した中興の祖と言える存在。イヴ・サンローラン、アンディ・ウォーホル、フランソワ・トリフォー、マルチェロ・マストロヤンニといった時代を代表する錚々たる顧客に支持されことも有名だが、現代のベルルッティを「靴の宝石」と言わしめる重要な要素は、マダム・オルガによって生み出された3つのキーワードに集約される。


ベルルッティの靴がロングノーズという外観の美しさのみならず、足にベストフィットするしなやかさは、厳格な素材吟味と職人によるクラフトマンシップに支えられていることは言うまでもない。

靴の世界に革命をもたらした
ベルルッティ3つのキーワード

 知る人ぞ知る存在であったベルルッティの名が、我が国で徐々に広がりを見せ始めたのは1990年代後半と記憶している。この存在に早くから注目していたのが、Gressive(グレッシブ)編集長の名畑政治。2002年にはパリのアトリエでマダム・オルガ・ベルルッティのインタビューを試み、その結果を報告したある雑誌においてベルルッティの成功要因を3つのキーワードに集約している。これを参考にしつつ当メゾンの現代での成功を解説してみよう(参考文献『SOLID』Vol.1。2003年1月発行。徳間書店)。


靴の製造工程の最後の仕上げに施されるパティーヌ。ベルルッティの代名詞であり、マダム・オルガが開発したパティーヌこそ現在のベルルッティの創造性を端的に表す芸術技法である。

キーワード1「ロングノーズ」

 先端へと優美に伸びるロングノーズはベルルッティ独自のデザインにより、他者の追随を許さない独特の構造美を実現する。そのスタイルが多くのフォロワーを生み出したことからも、ベルルッティが世界に与えた影響力には計り知れないものがある。

 しかし盲従的なフォロワーとベルルッティが決定的に異なる点は、その考え抜かれたデザインが、密接に靴の構造と結びつくことで、スタイル(デザイン)と履きやすさ(機能)を見事に両立させていることだ。ただ単に靴を伸長しただけのロングノーズは捨て寸(つま先の余裕部分)が多くなるが、ベルルッティはそうではない(名畑の計測によれば他社の製品に比べてわずか1cmだけ長い)。これはアイレットの数を減らすなどの工夫で、実際のサイズよりも長く見えるような工夫をしているからである。つまり履いた時のフィット感が抜群に良い。



キーワード2「パティーヌ」

 紳士靴に対する概念を全く変えてしまったのがパティーヌである。フランスでは家具などに“パティーヌ・ド・フィニシオン(Patine de Finition/古色仕上げ)”と呼ばれる技法が存在し、これを靴に応用したのがベルルッティのパティーヌ仕上げ(“パティーヌ”には“緑青をふいた”“年代物の家具に見られる古色”という意味がある)。

 1990年代にオルガ・ベルルッティが確立したこの技法は、溶剤、精油、顔料、染料を塗り込むことで皮革の漂白と着色を行うもの。これにより、完成時からまるで何年も履き込んだアンティークシューズのような独創の世界を提示するのである。この技法によりグリーン、ブルー、ボルドーなど多彩な色が生まれることで、紳士靴といえば黒か茶というそれまでの固定概念から靴を解放し、新世界を創造することに成功した。


ダイアルとストラップにはベルルッティを代表するデザイン・モチーフ“スクリット”が施されている。これは18世紀にルイ15世がしたためた手紙のカリグラフィーに着想を得たもの。

キーワード3「ヴェネチアレザー」

「皮」は鞣し(なめし)工程により耐熱性・耐久性・柔軟性を向上させることで「革」となる。その代表的な技法にはクロムなめしと植物タンニンなめしがあり、前者は金属加工物のクロム、後者は植物由来の“渋(タンニン)”を溶かした液を使用。この両者を使用してマダム・オルガが開発した製法により誕生したのがヴェネチアレザーで、他にはない唯一無二の色の深みを表現する。

 ベルルッティのパティーヌは、このヴェネチアレザーという土台があってこそ成立する。ウブロとのダブルネーム・モデルではこのレザーはダイアルとストラップに採用され、特に18世紀の手紙に書かれたカリグラフィーに着想を得たモチーフ“スクリット(Scritto)”の温かみは、精密機械である時計に独創世界を与えている。またベルルッティ製の時計ケースも、まるで芸術品のような風格があり、これもまた愛好家垂涎の的となっている。


クラシック・フュージョン クロノグラフ ベルルッティ スクリット ボルドー

ダイアルとストラップのヴェネチアレザーにはスクリット・デザインが施され、深いボルドーカラーとあいまって、まるで総革張り表紙の古書のような威厳を湛えた仕上がりとなっている。
■521.OX.O50V.VR.BER18 ■45mm ■18Kキングゴールドケース ■ベルルッティ ヴェネチアレザー ボルドー(スクリット装飾)×ブラックラバーストラップ ■自動巻きクロノグラフ ■5気圧(50m)防水 ■世界限定100本 ■¥4,279,000(税込)

気鋭のブランドやアーティストを見極める、
目利きとしてのウブロ

 “The Art of Fusion(異なる素材やアイデアの融合)”をコンセプトに革新的な時計作りをすすめるウブロ。コラボレーションパートナー選択において、ウブロは一流好みである。それは今回紹介するベルルッティを見ても明らかな事実。このようなビッグプロジェクトを実現したウブロの実行力には驚くばかりだ(考えてみれば、2004年に現体制が発足して以来、ウブロには驚かされっぱなしである)。

 一方、彼らは新進気鋭のブランドやアーティストへも優れた嗅覚を持つ目利きでもある。そのふたつの代表例を以下に記したい。

 ITALIA INDEPENDENT(イタリア インディペンデント)は、フィアット・グループ創業家出身のラポ・エルカン等により、2007年イタリア・トリノに設立されたライフスタイル・ブランド。

 2014年、同ブランドとのパートナーシップを発表したウブロは、2015年に初のコラボレーションモデルを発表。その後、2017年にファッショニストなら知らぬ者がいないイタリア名門サルトリアRUBINACCI (ルビナッチ)のアーカイブファブリックを採用したコラボレーション・モデルを発表した。彼らが所有する膨大な生地のアーカイブ・コレクションから厳選されたを3種類を、ダイアルとストラップに採用。これにより革のベルルッティとは全く風合いの異なる世界を新たに誕生させた。


2018年発表のクロノグラフ・モデル。イタリア インディペンデント創設者のひとり、ラポ・エルカンがルビナッチの生地アーカイブから選んだ貴重なファブリックを、ダイアルとストラップに使用。ファブリックの種類は写真左よりピンストライプ、プリンス・オブ・ウェールズ(グレンチェック)、ブルーハウンドトゥース(千鳥格子)。すべて世界限定品。

クラシック・フュージョン クロノグラフ イタリア インディペンデント セラミック(左)
■521.CM.2707.NR.ITI18 ■45mm ■ブラックセラミックケース ■ルビナッチファブリック(ピンストライプ)×ブラックラバーストラップ ■自動巻きクロノグラフ ■5気圧(50m)防水 ■世界限定100本 ■¥1,881,000(税込)


クラシック・フュージョン クロノグラフ イタリア インディペンデント キングゴールド(中)
■521.OX.2709.NR.ITI18 ■45mm ■18Kキングゴールドケース ■ルビナッチファブリック(プリンス・オブ・ウェールズ)×ブラックラバーストラップ ■自動巻きクロノグラフ ■5気圧(50m)防水 ■世界限定50本 ■¥4,081,000(税込)


クラシック・フュージョン クロノグラフ イタリア インディペンデント チタニウム(右)
■521.NX.2710.NR.ITI18 ■45mm ■チタニウムケース ■ルビナッチファブリック(千鳥格子)×ブラックラバーストラップ ■自動巻きクロノグラフ ■5気圧(50m)防水 ■世界限定100本 ■¥1,760,000(税込)

 リチャード・オーリンスキーは、動物をモチーフとした斬新なアート作品でフランス現代美術界における目下最注目のアーティストのひとり。2018年のジュネーブ展示会で発表された彼とのコラボレーション・モデルは、ケースやベゼル、プッシュボタン、針に至るまで時計全体にファセット(切り子加工)を施したもので、光の入射角度と反射により、時計全体がきらめきを放つ不思議なアート作品へと変貌する。

 今回紹介したのはウブロのコンセプト“The Art of Fusion”の中のごく一部に過ぎない。時計に新たな独創の世界を創り上げるウブロは、時計創造には一切の限界が無いことを絶えず我々に伝えている。この姿勢は、もう間もなく創業100年を迎える老舗時計店でありながら、常にチャレンジスピリッツを忘れないYOSHIDAにも通じるものがあり、両社が共鳴し合う理由にほかならない。


アエロ・フュージョン クロノグラフ オーリンスキー チタニウム

現代アートの気鋭リチャード・オーリンスキーによる“時間を表現する彫刻品”。ケース、ベゼル、針等のファセット(切子)加工により、光の入反射角度の作用で時計がきらめくアート作品へと変貌する。
■525.NX.0170.RX.ORL18 ■45mm ■チタニウムケース ■ブラックラバーストラップ ■自動巻きクロノグラフ ■5気圧(50m)防水 ■世界限定200本 ■¥2,079,000(税込)

  • 自然界に生きる動物達にインスパイアされ、“生まれながらにしてワイルド”をコンセプトに、彼らを色彩鮮やかな彫刻品で表現するアーティスト、リチャード・オーリンスキー。

  • 2018年のジュネーブ展示会では人間と等身大のオブジェが披露された、オーリンスキーの作品「ワイルドコングゴリラ」。

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【連載】「YOSHIDAで体験する、高級時計への旅」とは?

正規時計代理店YOSHIDA(ヨシダ)と、時計専門サイトGressive(グレッシブ)が、4名の執筆陣とともに送る連載企画。「なぜ、人は腕時計に惹かれるのか?」という普遍的なテーマのもと、名だたる一流ブランドの魅力に触れ、奥深い高級時計の世界へと誘う。

INFORMATION

YOSHIDA 東京本店

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営業時間:10:00~20:00 年中無休(1月1日から1月3日までを除く)



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