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YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第32回~

グランドセイコーの2019年新作に見るデザインの品格

2019.5.3
■Grand Seiko(グランドセイコー) ■SBGC231

取材・文:竹石祐三 / Report & Text:Yuzo Takeishi
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

 Grand Seiko(グランドセイコー)は、YOSHIDA(ヨシダ)における柱のブランドのひとつ。1960年にブランドがデビューしてから今日まで取り扱いを続けているのみならず、何年にもわたってトップディーラーとしてのポジションを築き上げるなど、その関係は長く、深い。それゆえにYOSHIDAは毎年、同ブランドの新モデルを注視してきた。そのグランドセイコーが、2019年のバーゼルワールドで発表したのは、独自機構「スプリングドライブ」の誕生20周年を記念するモデル。このスペシャルな新作には、YOSHIDAも発売前から大きな期待を寄せている。

グランドセイコーの3本目の柱、スプリングドライブ

 1960年に誕生したグランドセイコーは、その当時から高品質と高精度を体現してきたブランドだ。一時、クオーツの台頭によってブランドは休眠状態となるが、1988年にクオーツムーブメントを搭載して復活。10年後の1998年には、完全新規設計のキャリバー9S55を搭載して機械式モデルを甦らせた。そしてもうひとつ。1999年にはグランドセイコーのその後のラインナップに欠かせない新たな機構が発表された。“第3のムーブメント”と呼ばれる「スプリングドライブ」である。

 1977年に構想が上がり、実に20年以上の歳月をかけて実用化を果たしたスプリングドライブ。それは、ぜんまいを動力源としながらも、水晶振動子が歯車の回転速度をコントロールし、クオーツと同等の高精度を実現するセイコーの独自機構だ。とはいえ、1999年の時点で製品化を果たしたのはセイコーとクレドールの2ブランド。グランドセイコーへの実装はそれから5年を待たなければならなかった。グランドセイコーに搭載するにあたっては、高効率の自動巻き機構と72時間パワーリザーブの実現という、さらなる高機能化が不可欠と判断したためだ。しかしながらこの機能改善よって、以後、スプリングドライブムーブメント「キャリバー9R」はグランドセイコーのラインナップにおける重要なピースとなる。


Grand Seiko(グランドセイコー) スプリングドライブの初代モデル

1999年に登場したスプリングドライブ。その初代モデルは、セイコーとクレドールから発売され、価格はセイコーのステンレススチールケース(写真)で25万円、クレドールで100万円だった。

優美さ極まる、エレガントコレクションの記念モデル

 2019年はスプリングドライブが誕生してから20周年の節目にあたる。これに伴い、グランドセイコーはふたつのコレクションからアニバーサリーモデルを発表した。そのひとつが「エレガンスコレクション スプリングドライブ20周年記念モデル」だ。

 グランドセイコーならではのメリハリの効いたデザインと流麗なフォルムを融合した佇まいに加え、18Kイエローゴールドケースを採用した「SBGY002」のダイアルには、風紋が刻まれた雪を想起させる、通称“雪白(ゆきしろ)”と呼ばれる仕上げを採用。また、ステンレススチールモデルの「SBGY003」には、ダイアルに木漏れ日をイメージさせる放射状のパターンが施されており、光のあたる角度によって力強さであったり穏やかさであったりと、違った表情を見せてくれる。

 両モデルともダイアル上で表現しているのは“日本独自の自然の美”。それは、スプリングドライブモデルの製造拠点である信州の景色を彷彿とさせるものであり、エレガンスコレクションをさらに上品な雰囲気へと昇華させている。いずれも、シンプルで優美な腕時計を好む人たちの琴線に触れる、まさにグランドセイコー“らしい”逸品と言えるだろう。


力強さを前面に出した、スポーツコレクションの限定モデル

 もうひとつが「スポーツコレクション スプリングドライブ20周年記念限定モデル」。スポーツコレクションは、グランドセイコーらしい精悍な雰囲気を継承しつつも躍動感のあるデザインを付与した、その名のとおりのスポーティルックが特徴だ。なかでもこのアニバーサリーモデルは、さらに攻撃的な姿勢を感じさせる、全く新しい意匠に仕上げられている。

 グランドセイコーの象徴といえば“獅子の紋章”だ。1960年のファーストモデル誕生時、「最高峰の腕時計を目指す」という意志を込めて付けられ、今もしっかりと刻まれるブランドのアイコンだが、スプリングドライブ20周年記念モデルではこの紋章を刻印するのみならず、腕時計のデザインにも応用しているのだ。

 最も特徴的なのがラグ。従来のグランドセイコーよりもさらにエッジの効いたラグは、獅子の爪にインスパイアされたものだという。ザラツ研磨によってシャープなシルエットを生み出しているばかりか、ヘアラインの仕上げを施すことによって時計の存在感がぐっと増している。また、ダイアルには独特な型打ちのパターンが用いられているが、こちらは獅子のたてがみを表現したもの。かつてないマッシブなデザインは、新たなファンはもちろん、グランドセイコーをよく知る人々をも振り向かせる強烈なインパクトを持っている。


 グランドセイコーのトップディーラーであるYOSHIDAでは、2019年の新モデルに対し、「この節目のタイミングでスプリングドライブに特化したモデルが出ることは、私たちもお客様に対して改めてその魅力をお伝えしやすくなりました」と説明する。しかも「スポーツコレクション スプリングドライブ20周年記念限定モデル」における、従来のグランドセイコーとは全く違うデザインは、YOSHIDAにとっても新たな魅力を感じたようだ。

「もちろん一方で、グランドセイコーは、あの、シンプルでエレガントなデザインがいいと考える方も多いと思います。そういったお客様には『エレガンスコレクション スプリングドライブ20周年記念モデル』をお勧めします。というのも、このコレクションに搭載されているのは、グランドセイコーでは8Days以来となる手巻きのスプリングドライブ。すでに自動巻きのスプリングドライブモデルを持っていらっしゃる方も、一度手に取ってみてはいかがでしょうか?」

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正規時計代理店YOSHIDA(ヨシダ)と、時計専門サイトGressive(グレッシブ)が、4名の執筆陣とともに送る連載企画。「なぜ、人は腕時計に惹かれるのか?」という普遍的なテーマのもと、名だたる一流ブランドの魅力に触れ、奥深い高級時計の世界へと誘う。

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