YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第206回~

高い精度と独自の世界観に魅了される
グランドセイコーの厳選5モデル

2022.9.2
■Grand Seiko(グランドセイコー) ■SLGA009

文:名畑政治 / Text:Masaharu Nabata
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

 機械式時計と同じく、ぜんまいで駆動しつつICと水晶振動子によって正確に精度を制御することで高精度を実現したのがグランドセイコー(Grand Seiko)が世界に先駆けて開発に成功した9Rスプリングドライブ。この機構を装備するグランドセイコーは、すべて長野県塩尻市にある「信州 時の匠工房」から生み出される。そこで今回は、世界が注目する先進の独自機構スプリングドライブを装備するグランドセイコーのラインナップから、5つのモデルを厳選して紹介しよう。

高原の白樺林をイメージした
ダイアルがもたらす静寂の美

 1960年代、グランドセイコーのデザインを規定する“デザイン文法”として誕生した、「セイコースタイル」。これを発展させ、腕時計としての使いやすさや美しさをさらに追求した「エボリューション9スタイル」が2020年に誕生。この「エボリューション9スタイル」にのっとって開発されたモデルが「SLGA009」である。

 陰影に富んだダイアルは高原の白樺林がモチーフ。ここに日本の美意識が投影されている。配置されるインデックスには深い溝を切り込み、ダイヤカットによる明瞭で多面的な造形が施される。特に12時のインデックスは、他の2倍以上の幅で存在感を誇示。針にもカットが施され、時針と短針は幅の違いにより役割を明確に読み取ることができる。


■Grand Seiko(グランドセイコー) ■SLGA009

白い木肌を特徴とする高原の白樺。その静謐な印象を、独特の型打ち仕上げを施したダイアルによって表現したのが、ここで紹介する「SLGA009」というモデルである。このダイアルには9Rスプリングドライブを搭載するグランドセイコーが生まれた信州・長野の風土が色濃く反映されている。

 ステンレススチール製ケースは、グランドセイコーが継承する「ザラツ研磨」を採用。人の手技(てわざ)によってのみ生み出される、歪みのない鏡面仕上げを繊細なサテン仕上げと組み合わせることで陰翳が一層、際立つ。

 ムーブメントは長野県塩尻市のセイコーエプソン塩尻事業所内にある「信州 時の匠工房」が開発・製造する最新のスプリングドライブムーブメントCal.9RA2を搭載。

 ふたつの香箱で最大巻上時に約120時間(5日間)の長いパワーリザーブを実現し、ぜんまい駆動の腕時計として驚きの平均月差±10秒という高精度も獲得した。

 威風堂々の外装と確かな精度を併せ持つ「SLGA009」。それは「エボリューション9スタイル」というデザイン文法から生まれた、グランドセイコーの次なる時代を象徴するモデルである。


■Grand Seiko(グランドセイコー) ■SLGA009

SLGA009

セイコーが2020年に発表した新しいデザイン文法「エボリューション9スタイル」に基づいてデザインされた「SLGA009」は、高級時計としての風格と高い機能性・実用性を兼備する日本を代表する最高峰モデルとして位置づけることができる。

■40mm ■ステンレススチールケース&ブレスレット ■自動巻スプリングドライブ ■日常生活用強化防水(10気圧) ■¥1,045,000(税込)


■Grand Seiko(グランドセイコー) ■SLGA009

シースルー仕様のケースバック。自動巻スプリングドライブのCal.9RA2はデュアルサイズバレルにより約120時間のロングパワーリザーブを実現。巻き上げ残量を示すインジケーターは裏側に装備される。

気高き峰々の麓に生まれ
信州の風土が育んだグランドセイコー

 9Sメカニカル、9Fクオーツ、9Rスプリングドライブという3種の駆動形式を展開するグランドセイコーだが、9Fクオーツと9Rスプリングドライブ搭載モデルの製造を担当するのが長野県にある「信州 時の匠工房」である。9Rスプリングドライブとはグランドセイコーが世界に先駆けて開発に成功した第3の駆動機構であり、開発から製造まで、すべて長野県の事業所で行われた。

 この信州の風土と、そこで培われた高度な時計技術に育まれたグランドセイコーのひとつが「SBGA211」。ダイアルのパターンは工房を取り巻く環境から生まれた。そこには冷たく乾燥した空気の中、風に吹かれた雪面に描き出される繊細な風紋をモチーフとする「雪白パターン」が刻まれている。この純白のダイアルの上を滑るように移動するのが、スプリングドライブならではのスイープ運針を実現したブルースチール仕上げの秒針。この絶妙のコンビネーションが、信州の冬の冷涼な空気感と終わりのない時の流れを伝える。


■Grand Seiko(グランドセイコー) ■SBGA211

信州といえば北アルプスの穂高岳連峰。その白い雪原で風が生み出す繊細な風紋が「SBGA211」のダイアルのモチーフ。ケースとブレスレットには美しい光沢を持つブライトチタンを採用。タフで軽量、傷つきにくく錆びにくいという特徴を備えている。

 ケースとブレスレットは美しい輝きと非アレルギー性を特徴とするブライトチタン製。この素材は、通常のステンレススチールと比べ、約30%も軽量で、傷が付きにくく、腐食しにくいという特徴も併せ持つ。

 搭載されるスプリングドライブのCal.9R65は、約72時間(約3日間)のパワーリザーブを保有。巻き上げ残量はダイアル左下に設置されたパワーリザーブ表示で確認することができる。


■Grand Seiko(グランドセイコー) ■SBGA211

SBGA211

「雪白パターン」を刻んだ純白のダイアルと、滑らかなスイープ運針を行うブルースチール仕上げの秒針と共通するブルーでプリントされた「SPRING DRIVE」の文字が印象的な「SBGA211」。「信州 時の匠工房」が生んだ傑作のひとつ。

■41mm ■ブライトチタンケース&ブレスレット ■自動巻スプリングドライブ ■日常生活用強化防水(10気圧) ■¥737,000(税込)


■Grand Seiko(グランドセイコー) ■SBGA211

ダイアルの7時と8時の間にはぜんまいの巻き上げ残量を示すパワーリザーブ表示が設置されている。これを見れば、ぜんまいが今、どの程度巻き上げられ、時計がどの程度、駆動するのかを把握することができる。

深いブルーのダイアルに表現された
冬の澄んだ夜空に輝く満月

 1960年代に誕生したセイコー独自のデザイン文法「セイコースタイル」。これを確立したのが1967年に発売された「44GS」である。5振動/秒の手巻き時計として当時の最高精度を極め、ザラツ研磨による美しい鏡面仕上げのケースと、「セイコースタイル」で表現された日本の美意識から生まれた名作「44GS」。その誕生55周年を記念して2022年に発表されたのが「SBGY009」だ。

 ケースの造形は「セイコースタイル」を基本とする明瞭で品格あふれるもの。ムーブメントは「信州 時の匠工房」で生まれた、ぜんまいで駆動しながらもクオーツ時計と同等の精度を持つ手巻き仕様のスプリングドライブCal.9R31だ。

 注目は、澄んだ夜空に浮かぶ満月をイメージして開発された「月天心(つきてんしん)」を表現したダイアル。「月天心」とは、満月が天高く昇っている様子を意味し、与謝蕪村が俳句に読んだという冬の情景である。


■Grand Seiko(グランドセイコー) ■SBGY009

澄み渡った冬の中天に満月が美しく輝く「月天心」の情景をダイヤルで表現した「SBGY009」。夜空をイメージするネイビーのダイアルに合わせて、クロコダイル製ストラップもネイビーが採用されている。

 ダイアルには放射状の繊細な模様が型打ちされ、澄んだ夜空をイメージした深いネイビーカラーに彩られている。配置されるインデックスはシルバーカラーだが、GSのロゴとスイープ運針の秒針にゴールドカラーを採用。これは中天の満月とそこから放射される光をイメージしたという。

 このモデルの持つ機能は時・分・秒という時刻表示のみ。日付もパワーリザーブ表示もないシンプルさを極めた意匠に、グランドセイコーの伝統と進化を体現する特別な記念モデルとしての価値を読み取ることができる。


■Grand Seiko(グランドセイコー) ■SBGY009

SBGY009

1967年に発売された名作「44GS」の誕生55周年を記念して登場した国内限定500本の希少モデル。裏ぶたには限定製造の特別なモデルであることを示す「LIMITED EDITION」という文字と、固有のシリアルナンバーが刻まれている。

■40mm ■ステンレススチールケース ■クロコダイルストラップ ■手巻スプリングドライブ ■日常生活用強化防水(10気圧) ■¥935,000(税込)

諏訪湖の神秘的な現象「御神渡り」をイメージした
手巻スプリングドライブモデル

 信州・長野で最大の湖が諏訪湖。この湖が冬に全面結氷した際に現れる神秘的な自然現象が「御神渡り(おみわたり)」である。

 かつては毎年見られたという「御神渡り」だが、現在では温暖化の影響か、数年ごとにしか見られない、極めて珍しい現象となっている。

 この「御神渡り」をイメージして誕生した印象的なダイアルを装備するモデルが「SBGY007」。そこには、グランドセイコーのスプリングドライブ搭載モデルを製造する「信州 時の匠工房」を取り巻く自然の美と驚異が投影されている。


■Grand Seiko(グランドセイコー) ■SBGY007

信州・長野のシンボルともいうべき諏訪湖。人々の生活や信仰に密接な関係を持つ諏訪湖の厳冬期に現れるのが「御神渡り」という自然現象である。今では極めて珍しい現象となったこの「御神渡り」をイメージして、微妙でランダムな凹凸仕上げを施したこのモデルのダイアルが誕生した。

 まさに諏訪湖の湖面を覆う氷と、真冬に気温の上下により、膨張と収縮を繰り返した湖面の氷が、まるで神の通った道筋を表すかのように盛り上がったランダムなパターンを描く「御神渡り」を彷彿とさせるダイアルの仕上げが、この時計に複雑な陰影と日本的な情緒を与えている。

 このモデルのケース径は、やや小ぶりな38.5mm。手巻き仕様のスプリングドライブCal.9R31を採用することで10.2mmという“薄さ”を実現し、装着感は抜群である。


■Grand Seiko(グランドセイコー) ■SBGY007

SBGY007

時・分・秒という機能だけを備える三針モデルの「SBGY007」。このシンプルな意匠により、「御神渡り」をイメージした立体的なダイアルと繊細なインデックスの魅力を、より強く感じることができる。

■38.5mm ■ステンレススチールケース ■クロコダイルストラップ ■手巻スプリングドライブ ■日常生活用強化防水 ■¥935,000(税込)


■Grand Seiko(グランドセイコー) ■SBGY007

サファイアガラスが嵌め込まれたシースルー仕様のケースバックにより、美しく仕上げられたスプリングドライブCal.9R31を堪能できる。大きな円形の部品は香箱。ここに動力ぜんまいをふたつ納めることで72時間のパワーリザーブを実現している。

極上のラグジュアリー感を演出する
ブルー&ゴールドのGMTモデル

 ダイバーズウオッチを思わせるタフなデザインを特徴とする「SBGE248」は、ダイバーズに迫る20気圧の日常生活用強化防水を実現し、第二タイムゾーンの時刻を示すGMT針を装備する実用性に優れたスポーティなモデルである。


■Grand Seiko(グランドセイコー) ■SBGE248

18Kイエローゴールド製のベゼルには、リング形状にくり抜かれた青色のサファイアガラスが嵌め込まれている。このベゼルの透明感のあるブルーとダイアルのブルー、そしてゴールドのカラーリングが、このモデルのラグジュアリー感とスポーティさを倍加させる。

 ケースは本体にステンレススチールを採用。ベゼルとりゅうずに18Kイエローゴールドを用いることで、スポーティさとエレガントさを絶妙なさじ加減で融合させることに成功している。

 この18Kイエローゴールドを用いた回転ベゼルは、グランドセイコー史上初となる仕様。しかも、このベゼルの表面にはリング状にくり抜いた青色のサファイアガラスを採用し、透明感と奥行きを与えている。

 この印象的なベゼル&りゅうずに合わせて、ダイアルのインデックスや針、ロゴもゴールドカラーで彩り、リゾートライフを想起させる極上のラグジュアリー感をもたらしている。

 ムーブメントには、ぜんまいを動力源としながらクオーツ時計と同等の高い精度を実現したスプリングドライブを採用。最大巻上時には、持続時間が約72時間(約3日間)というロングパワーリザーブも実現している。


■Grand Seiko(グランドセイコー) ■SBGE248

SBGE248

通常の時分針に加え、センターから伸びる大きなトライアングルのヘッドを持つGMT針によって第二タイムゾーンの時刻を読み取ることができる。24時間でダイアルを一周するGMT針に合わせ、回転ベゼルに24時のインデックスを表示。このベゼルを動かすことで、さまざまな国との時差を設定できる。

■44mm ■ステンレススチールケース(一部18Kイエローゴールド) ■ステンレススチールブレスレット ■自動巻スプリングドライブ ■日常生活用強化防水(20気圧) ■¥1,430,000(税込)



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