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YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第29回~

カンパノラ発、複雑機構搭載クオーツとは?

2019.4.12

文:名畑政治 / Text:Masaharu Nabata
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

 東京・渋谷区幡ヶ谷の時計店YOSHIDA(ヨシダ)と言えば、世界でも稀に見るほどコンプリケーションの品揃えで知られている。その頂点に立つグランド・コンプリケーションのラインナップにおいて、極めてユニークな存在感を放つCAMPANOLA(カンパノラ)が発信する、複雑機構搭載クオーツの魅力について迫る。

伝統工芸技術と精密電子工学から生まれた
世界に誇れる日本発の高級ウォッチブランド

 CITIZEN(シチズン)を代表するウォッチブランドであるCAMPANOLA(カンパノラ)。その誕生は2000年。今からすでに19年も前のことになる。

 そもそもカンパノラというブランドの由来が実に興味深い。それは紀元5世紀、人々に時を知らせる目的で最初に教会の鐘が打ち鳴らされたのがイタリア・カンパニア地方ナポリ東北東の「ノラ」という町であったことに由来する。カンパニア地方ノラの鐘。それはやがて“カンパノラ・ベル”と呼ばれ、生活の時を知らせる鐘に人々は自らの人生を重ねていったという。つまり、カンパノラとは時と人生の象徴なのである。

 このブランドのもと、シチズンは同社の持てる技術を結集しクオーツによるコンプリケーション(複雑機構)を搭載したモデルを次々に発表。それらの中でもカンパノラのフラッグシップ・モデルとなっているのが、ミニッツリピーター機構を搭載するモデルである。

 ミニッツリピーターとは時計に内蔵されたチャイムを叩くことで、時刻を音で知らせる機構を言う。これが誕生したのは17世紀。当時はまだ照明器具が未発達。当然、夜は暗く、ポケットから取り出した懐中時計のダイアルも針も判然としなかった。そこで考案されたのがレバーの操作で鐘を鳴らし、時刻を知らせるミニッツリピーター機構。つまりミニッツリピーターとは都市の闇が生み出した複雑機構だったのである。

 当初、リピーターはケース自体や内蔵された、お椀型のベルを打つことで音を出していたが、これを小型化し音色を改良したのが他ならぬアブラアン-ルイ・ブレゲ。彼はケースの内側、ムーブメント外周に沿って湾曲したワイヤー状のゴングを考案し、小型化と同時に澄んだ音色を実現した。


 この極めて特徴的な複雑機構を世界で初めてクオーツウォッチへの搭載に成功したのがシチズン。それは1995年のことだった。やがてシチズンはミニッツリピーターだけでなく、機械式高級時計の花形であるパーペチュアルカレンダーやムーンフェイズ・インジケーター、レトログラード方式による表示などを統合した「グランド・コンプリケーション」を完成。これらの複雑機構を搭載したクオーツウォッチの頂点ブランドとしてカンパノラをスタートさせたのである。

 世界でも希な超絶的なコンプリケーションウォッチを数多く扱う、東京・幡ヶ谷の名店「YOSHIDA」がカンパノラを扱う理由のひとつに、このグランドコンプリケーションの存在がある。

 つまり相応のブランドであれば、ミニッツリピーターやパーペチュアルカレンダーは買う方がどうしても限られてしまう。しかし、カンパノラであれば、より多くの時計愛好家にミニッツリピーターなどの複雑機構を楽しんでいただくことができるはず、という。

 そしてカンパノラには複雑機構に加えて、もうひとつの大きな特徴がある。それが日本の伝統工芸である漆塗りによるダイアル。さて、カンパノラに搭載される漆塗りダイアルとは一体、どんなものであり、そこにはどんな理念が込められているのだろう?

大宇宙をダイアル上に再現する
超精密加工技術と融合した漆塗り技法

 英語で「china(チャイナ)」といえば磁器のこと。では「japan(ジャパン)」といえば漆器。つまり漆塗りとは日本を代表する伝統工芸技術であり、この技法から生み出されたダイアルがカンパノラでは多く採用されている。

 カンパノラに漆塗りのダイアルが初めて採用されたのは2002年のこと。ここで驚いたのは、この時に発表されたモデルにミニッツリピーターやパーペチュアルカレンダー、クロノグラフなどの複雑機能を備えたものであったことだ。

 それまで、スイスの時計ブランドが日本の漆工芸に着目し、これをダイアルに採用したことは少なくなかった。しかし、それらはどれもシンプルな3針時計であり、私の知る限り複雑時計はなかった。そう考えると、カンパノラとは、日本ならではの伝統工芸技術と最先端の精密電子技術を融合させて誕生した、世界でも希有な高級時計ブランドである。


 さらにカンパノラの漆塗りダイアルのベースとなるのは、メッキと同様の技術で型に金属の層を析出させ、1ミクロン以下の微細な模様さえ精密に再現する「電気鋳造(でんきちゅうぞう)」によって作られている。その精密な部品はダイアル上のインダイアルを囲むサークルなどにより立体的な多層構造を形成している。

 そして、この多層構造ダイアルの基部に塗布される漆も単純な黒や赤ではなく、独自の処方による特別な漆を何層にも塗り重ね、研ぎと磨きを施すことで初めて可能となる日本の伝統色がモチーフとなっているものが多い。また、塗り重ねた漆の上に薄くスライスした貝殻の細片をちりばめ、さらに透明な漆を塗布して磨き出すことで、深淵な宇宙空間や星がきらめく夜空を見事に再現している点も魅力となっている。

 悠久の時の流れを可視化する時計という精密機械に、日本の伝統工芸技術を駆使して新たな命の息づかいを吹き込むカンパノラ。我が国だけが作ることのできる新たな時代の複雑時計の姿がここにある。

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正規時計代理店YOSHIDA(ヨシダ)と、時計専門サイトGressive(グレッシブ)が、4名の執筆陣とともに送る連載企画。「なぜ、人は腕時計に惹かれるのか?」という普遍的なテーマのもと、名だたる一流ブランドの魅力に触れ、奥深い高級時計の世界へと誘う。

INFORMATION

YOSHIDA 東京本店

東京都渋谷区幡ヶ谷2-13-5
営業時間:10:00~20:00 年中無休(1月1日から1月3日までを除く)



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