超絶技巧とデザインを楽しむ
ブルガリによるYOSHIDA限定チャイミングウォッチ
文:篠田哲男 / Text:Tetsuo Shinoda
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano
※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。
文:篠田哲男 / Text:Tetsuo Shinoda
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano
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ラグジュアリーメゾンと知られるブルガリ(BVLGARI)だが、ハイコンプリケーションの世界でも名声を築いている。特にチャイミングウォッチは、音色や複雑さだけでなく、トータルの美しさでも際立った存在となっている。YOSHIDA限定モデルは、クールな配色も魅力だ。
機械仕掛けで正しく時刻をしめす機械式時計が生まれたのは、今から約400年も前のことで、教会の塔に組み込まれた巨大なクロックが始まりだった。この時計はぶら下がる巨大な錘を動力源として正確に歯車や針を動かし、決められた時間になると鐘を鳴らして、周辺で暮らす住民に神への祈りをささげる時間を知らせた。つまり機械式時計の黎明期においては、時間とは目で知るものでなく、耳で知るものだったのだ。そしてその後も巨大なクロックには鐘が内蔵され、正時や30分おきに音で時刻を知らせるチャイム機構は継続してつくられた。
しかしこの機構を、より小型化し携帯サイズに収めるのは極めて困難だった。鐘の代わりにケースとムーブメントの隙間に金属線を曲げたゴングを収め、それを小さなハンマーでたたいて音を奏でる小型のチャイム機構は18世紀後半に生まれたとされ、その後に腕時計にも搭載されるようになる。チャイム機構(チャイミングウォッチ)にはアラームやミニッツリピーター、ソヌリなどがある。どれもが数百という精密なパーツを使用しており、寸分の誤差なく動かす技術はまさに神業。それゆえチャイム機構を製造できるブランドは、超絶技巧派として高く評価される。
ブルガリがこういったチャイム機構を得意としているのは、綿密な企業戦略の賜物でもある。ブルガリは2000年に時計ブランドの「ダニエル・ロート」と「ジェラルド・ジェンタ」、その両社がもつ超技巧派工房を傘下に収めた。この工房はトゥールビヨンやチャイム機構を主に製作してきたという実績があり、ブルガリはそういった複雑機構に対するノウハウを得ることで自社ブランドのハイコンプリケーションウォッチの強化を進めたのだ。
それから20年以上の歳月を重ね、ブルガリはその卓越した時計技術に更なる磨きをかけてきた。そして今では、ハイコンプリケーションウォッチの雄として名声を築いているが、メカニズムが高度であるだけでなく、イタリア的な官能的なデザインを組み合わせているのも特徴だ。
「オクト ローマ カリヨン トゥールビヨン」は、古代ローマの建築にもよく用いられている8角形をケースデザインのモチーフとする「オクト ローマ」をベースに、3対のハンマー&ゴング(通常は2対)をもちいたミニッツリピーターを搭載する高度なチャイミングウォッチ。搭載するムーブメントは自社製のBVL428で、パーツ点数は432個で構成されるが、厚さは8.35mmしかない。そのお陰で比較的大きめに内部構造をとることができ、カリヨンが奏でる3色の音を美しく響かせることができるのだ。ちなみに音階は、時間を「ド」、15分を「ミ・レ・ド」の連続音、分を「ミ」の音で奏でる仕組みになっている。
この機構を始動させるのは、リューズとシンメトリーにセットされた9時位置のプッシュボタン。メカニズムの美しさは当然として、外観の美しさにも抜かりはないのがブルガリの流儀だ。そして6時位置にはトゥールビヨンが収まり、目と耳の両方で時計を楽しむことができるようにしている。
この「オクト ローマ カリヨン トゥールビヨン」だが、実は15本のみの希少な限定モデルとして誕生した。しかしそのさらに上を行くのが、「オクト ローマ カリヨン トゥールビヨン」のYOSHIDA限定モデル。ブラック×シルバーというツートンカラーのRef.103805が限定3本、グレー×ゴールドのニュアンスが美しいRef.103806が限定3本。そしてブラックの世界の中で金針が映えるRef.103807が限定4本と、すべてが超希少なモデルとなっている。
「オクト ローマ カリヨン トゥールビヨン」はモダンなデザインを持つ時計だが、機械式時計の歴史を語る上で外すことができないチャイム機構と懐中時計の時代に生まれた高精度機構であるトゥールビヨンを搭載する点では、極めてクラシックともいえる。そんな新旧の魅力を併せ持った時計になっている。
オクト ローマ カリヨン トゥールビヨン
ダイヤルをシースルー式にすることで、音を反響させるスペースが生まれた。大胆だが理にかなったデザインだ。
■103805 ■44mm ■チタニウムケース(DLC加工) ■ブラックラバー×ブラックアリゲーターストラップ ■手巻き ■3気圧防水 ■YOSHIDA限定モデル 限定3本 ■¥35,770,900(税込)
オクト ローマ カリヨン トゥールビヨン
チタニウム素材にサンドブラスト加工を行うことで、マットグレーメタリックの美しい風合いに。ゴールドカラーのムーブメントも華やかだ。
■103806 ■44mm ■チタニウムケース(DLC加工) ■グレーラバー×グレーアリゲーターストラップ ■手巻き ■3気圧防水 ■YOSHIDA限定モデル 限定3本 ■¥35,770,900(税込)
オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT YOSHIDA先行販売モデル
深みのあるブルーダイヤルを採用。ファッションとの相性もよさそうだ。
■103889 ■42mm ■チタニウムケース ■ブルーのテクスチャード加工のラバーストラップ ■自動巻き ■3気圧防水 ■YOSHIDA先行販売モデル ■¥3,377,000(税込)
オクト フィニッシモ クロノグラフ GMT YOSHIDA先行販売モデル
トレンド感のあるグリーンダイヤルもグラデーション仕上げ。手元にアクセントを加えたいならコレ。
■103890 ■42mm ■チタニウムケース ■グリーンのテクスチャード加工のラバーストラップ ■自動巻き ■3気圧防水 ■YOSHIDA先行販売モデル ■¥3,377,000(税込)
オクト フィニッシモ ミニッツ リピーター YOSHIDA限定モデル
2016年にデビューした世界で最も薄いミニッツリピーターウォッチ。本来、ミニッツリピーターンなどのチャイム機構は、音を反響させるためのスペースが必要だが、ブルガリではバーインデックスをカットアウトして文字盤側に音を響かせることで、なんと6.85mmという極限の薄型ケースを実現した。
■103808 ■40mm ■チタニウムケース&ブレスレット ■手巻き ■3気圧防水 ■YOSHIDA限定モデル 限定2本 ■¥29,700,000(税込)
オクト フィニッシモ ミニッツ リピーター YOSHIDA限定モデル
ミニッツリピーター機構の作動用ボタンのデザインも秀逸。多面構造の立体的なケースデザインは崩さずに、9時位置にシンプルにセッティング。リューズとシンメトリーの関係にすることで、バランスをとっている。プッシュボタンの押し込むストロークはそれほど長くないが、それでも2本のハンマーをやすやすと動かすパワーを作り出すことができる。
■103809 ■40mm ■チタニウムケース&ブレスレット ■手巻き ■3気圧防水 ■YOSHIDA限定モデル 限定5本 ■¥29,700,000(税込)
YOSHIDA 東京本店
東京都渋谷区幡ヶ谷2-13-5
<Googlemapはこちら>
営業時間:10:30~19:30
年中無休(年末年始を除く)
名古屋 YOSHIDA
愛知県名古屋市中区栄3丁目17番17号
<Googlemapはこちら>
営業時間:10:30~19:30
年中無休(年末年始を除く)
ロングランの人気連載コラム。グレッシブが擁するベテランから気鋭のライターが、YOSHIDAが取り扱うタイムピースおよびブランドをご紹介します。時計の基本的な情報はもちろん、この連載ならではの様々な切り口で注目ブランドの魅力を解説します。パテック フィリップ、オーデマ ピゲ、ウブロなどの人気ブランドから新進気鋭まで名店YOSHIDAならではの審美眼について特集を展開します。
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