今こそ知るべきラグジュアリーメゾン、
「ブルガリ」の時計戦略
文:篠田哲生 / Text:Tetsuo Shinoda
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano
※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。
文:篠田哲生 / Text:Tetsuo Shinoda
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いまや多くのラグジュアリーメゾンが高級時計に参入しているが、その先鞭をつけたのは「ブルガリ」だろう。ソティリオ・ブルガリによって1884年に創業したブルガリ(BVLGARI)は、まずはジュエラーとして名声を築いた。そして1977年の「ブルガリ・ブルガリ」の成功を期に時計産業への本格参入を果たし、現在は、誰もが納得する実力派のウォッチブランドへと躍進している。YOSHIDA(ヨシダ)でも昨年末から取り扱いがスタート。ブルガリの“今”が分かる時計たちを紹介していこう。
ブルガリは1980年代に、スイス時計産業の中心都市ヌーシャテルに「ブルガリタイム社」を設立し、本格的に高級時計製造に乗り出した。重要なのはローマで生まれる美しいデザインを、スイスの時計技術を駆使して形にするという戦略にあった。イタリアもスイスも、芸術と時計では共に世界最高峰。それが融合した時計が魅力的でないはずがない。
2012年に誕生し、現在のメンズウォッチの中核となる「オクト」は、まさにイタリアとスイスが融合した時計だ。ケースは8角形。これは“永遠”を意味する縁起の良い形状であるだけでなく、ローマの歴史的建築物からインスピレーションをうけたもの。つまり「オクト」は永遠の都ローマ、そのものなのである。
しかしそれだけでは、この時計の魅力は語れない。まずは立体的なケースの造形に目を奪われるだろう。キレのあるシャープなエッジと優雅な丸いベゼルを巧みに組み合わせているが、そのディテールの精密さには驚かされる。
さらにブルガリでは薄型ウォッチの製造にも力を入れており、すでに2021年までに「世界最薄」の分野で6つの世界記録(手巻き式トゥールビヨン、ミニッツリピーター、自動巻き、スケルトントゥールビヨン、自動巻きクロノグラフ、トゥールビヨン・クロノグラフ)を打ち立てている。
そして2021年には「オクト フィニッシモ パーペチュアル カレンダー」にて、パーペチュアルカレンダーの最薄記録を実現し、遂に7つ目の薄型世界記録を達成した。こういった極薄ウォッチを作ることもまた、高い技術の表れであることは、もはや言うまでもないだろう。
つまりブルガリのメンズウォッチは、美しさと時計技術の両方で最高地点に到達しているということになる。ブルガリの時計を知らずして、今のメンズウォッチは語れないのだ。
オクト フィニッシモ パーペチュアル カレンダー
2.75mmという極薄ムーブメントを使用し、ケース厚は5.8mmという世界最薄のパーペチュアルカレンダー。表示のレイアウトバランスもよく、視認性も優れる。
■103200 ■40mm ■チタニウムケース&ブレスレット(サンドブラスト加工) ■自動巻き ■30m防水 ■価格要お問い合わせ
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オクト ローマ ワールドタイマー
特徴的なオクトのデザインはそのままに、ワールドタイム機構を組み込んだ。美しさと機能性を両立させており、旅にもっていきたくなる時計だ。本来なら「PARIS」となっているGMT+1の都市が「ROMA」になっているのもポイント。
■103486 ■41mm ■ステンレススチールケース(ブラックDLC) ■ラバーストラップ ■自動巻き ■100m防水 ■¥1,408,000(税込)
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ブルガリでは、2000年からグループ化を推進してきた。まず傘下に収めたのは、技巧派時計工房として高く評価されていた「ダニエル・ロート&ジェラルド・ジェンタ オート・オルロジュリー」。様々なハイコンプリケーションウォッチを製作してきた同社がブルガリに加わったことで、美しいだけでなく、メカニズム的にも興味深い時計が作られるようになったのだ。
ブルガリの独自機構の一つに、「パピヨン」がある。これはフランス語で「蝶」を意味しており、蝶のような小針が組み込まれたセンターディスクが回転することで時刻を示す仕組み。この小針は2つあり、分表示が始まる3時位置に来ると小針が90度回転して表示を開始し、9時位置の60に達すると針が回転して収納される。そして時表示はジャンピングアワーとなる。
ブルガリのハイコンプリケーションは、人生を豊かにする時間を表現するためにある。そしてそういった豊かな時間を届けたいという意識は、ユニークなコラボレーションにも現れる。
近年はハイブランドが日本のストリートカルチャーとコラボレーションする事例が増えたが、ブルガリではストリートカルチャーのアイコン藤原ヒロシ氏と組んでいる。
そういった垣根を超えたチャレンジもまた、新しい高級時計の楽しみ方を提案するひとつのカギとなっており、時計をファッションとして楽しむきっかけを作るのだ。
ブルガリが刻むのは、感性を刺激し、心を豊かにする時間なのである。
オクト ローマ セントラル トゥールビヨン パピヨン
小針で分表示を行う特殊機構に加えて、センターにトゥールビヨン機構も搭載。高度なメカニズムを楽しみつつ、ケースも美しい。まさに美と技の競演である。
■103475 ■41mm ■18Kピンクゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き ■50m防水 ■価格要お問い合わせ
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FRAGMENT × BVLGARI ブルガリ・ブルガリ 世界限定モデル
藤原ヒロシ率いる「フラグメント デザイン」とのコラボレーション第二弾。ブルガリウォッチのアイコンに、NATOストラップを合わせて、カジュアルなアクセサリーとして楽しめる。
■103570 ■41mm ■ステンレススチールケース ■NATOストラップ ■自動巻き ■50m防水 ■日本先行発売 ■¥715,000(税込)
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ジュエラーとしてのブルガリの歴史は1884年に始まり、現在までに多くの作品を作ってきた。そのアーカイブを紐解いていくと、ルビーやサファイア、エメラルドといった色鮮やかな宝石を使った作品が多く、また動植物を模した造形のジュエリーが多くみられる。ブルガリはジュエリーの世界でも、創造的な作品を作ってきたのだ。
そういった伝統は、時計にも受け継がれており、レディスウォッチの表現力には驚かされる。アイコニックなモデルというと、やはり「セルペンティ」になるだろう。知性と生命力、そして官能の象徴として70年以上もジュエリーなどのモチーフとして愛されてきた「ヘビ」を、時計のデザインに取り入れた「セルペンティ セドゥットーリ」は、三角形型のケース部分がヘビの頭部となり、ブレスレットにはうろこ状のコマを組み合わせることで、滑らかに腕に絡みつく。
ブルガリらしい色使いを楽しむなら「アレグラ」だ。巨匠フェデリコ・フェリーニの名画「ラ・ドルチェ・ヴィータ(甘い生活)」の世界観を表現したジュエリーウォッチは、色とりどりのジェムストーンが配置され、優雅で官能的な時間を表現している。もちろんシンプルモデルもあり、アイコンウォッチである「ブルガリ・ブルガリ」にダイヤモンドインデックスを合わせたレディスウォッチも人気だ。
美しいジュエリーは、時間をかけて生まれる。それはとても贅沢で優雅な時間である。ジュエラーとして始まったブルガリのクリエイティビティを存分に堪能するなら、レディスウォッチこそが至高である。
セルペンティ セドゥットーリ
「ヘビ」をイメージした美しいデザイン。ブルガリの表現力を楽しみたい。
■103277 ■33mm ■18Kピンクゴールド×ステンレススチールケース&ブレスレット ■クォーツ ■50m防水 ■¥1,364,000(税込)
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アレグラ
ダイヤモンドの他に、シトリン、アメジスト、ペリドット、ブルートパーズ、ロードライトをセッティング。
■103493 ■36mm ■18Kピンクゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■クォーツ ■30m防水 ■¥5,137,000(税込)
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ブルガリ・ブルガリ
ベゼルにゴロをあしらうデザインは、当時としては画期的で革命的なスタイルだった。リューズにあしらったカボションは、人工ピンク・ルベライト。
■103455 ■33mm ■ステンレススチールケース&ブレスレット ■クォーツ ■30m防水
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年中無休(年末年始を除く)
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ロングランの人気連載コラム。グレッシブが擁するベテランから気鋭のライターが、YOSHIDAが取り扱うタイムピースおよびブランドをご紹介します。時計の基本的な情報はもちろん、この連載ならではの様々な切り口で注目ブランドの魅力を解説します。パテック フィリップ、オーデマ ピゲ、ウブロなどの人気ブランドから新進気鋭まで名店YOSHIDAならではの審美眼について特集を展開します。
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