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YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第98回~

新しい「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」は
ケースに注目!

2020.8.7
■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ■CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック ■15210CR.OO.A002CR.01

文:篠田哲生 / Text:Tetsuo Shinoda
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。

 2019年にデビューした「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」。YOSHIDA(ヨシダ)も大注目する2020年の新作は、デザインや機構はそのままに表現力を磨いてきた。独特のケース構造を活かしたコンビケースは、腕元に華やぎを加えてくれるだろう。

コンビケースは果たしてトレンドなのか?

 スイス時計協会の発表する統計には、2000年から2019年までのスイス時計のケース素材別輸出データがある。ステンレススティール、貴金属、コンビ(バイメタル)、他の金属(チタンなど)、他の素材(プラスティック、カーボンなど)がその項目で、本数、金額ともに多いのはタフでスポーティな実用素材の「ステンレススティール」。

 そして本数は最も少ないが、売り上げ金額が2番目に多いのが、ラグジュアリーな「貴金属ケース」。ちなみに「他の金属ケース」と「他の素材」の生産本数は多いものの、金額はそれほど多くはない。どの素材も本数は横ばいもしくは減少傾向にありつつ、金額は上昇傾向にある。つまり生産本数は減りつつも時計単価が上がっているということだ。

 しかしコンビケースだけが、特徴的な変化がある。本数も金額も上昇している(2000年/約86万本、2019年/約130万本)のだ。つまり世界的にコンビケースの人気が高まっており、しかもそれに応じて価格も増えているということになる。


■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ■CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック ■15210CR.OO.A002CR.01

CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック

ブラックのグラデーションも優雅。ゴールドの針&インデックスでさりげない華やかさを演出しつつ、サイドから見るとコンビケースという捻り技が楽しい。

■15210CR.OO.A002CR.01 ■41mm ■18Kホワイトゴールド×18Kピンクゴールドケース ■ブラックアリゲーターストラップ ■自動巻き ■30m防水

コンビケースは難しい……

 コンビケースの強みは、その華やかさにある。発色の異なる金属を組み合わせることでベゼルやケースなどの立体感が高まり、時計がぐっと引き立って見えるのだ。しかしその華やかさが時には仇になる。そもそも日本人の特性として、あまり目立つことを好まない。

 ファッションも時計も基本的にはコンサバ好みだ。貴金属ケースもホワイトゴールドの人気が高いし、ダイヤルカラーも冒険してもブルーくらい。時計で目立とう! という人はさほど多くない。だから日本限定モデルにはブルー系やホワイト系が多いのだ。


■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ■CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ ■26393CR.OO.A009CR.01

針、インデックス、ミドルケースのピングゴールドが絶妙なアクセントに。

 しかし「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」の新作なら、納得してもらえるのではないだろうか? 一見すると日本人好みのホワイトゴールドケースに見えるが、横から見ると「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」の特徴である8角形のミドルケースがピンクゴールド製という、さりげなくも華やかなコンビケースになっているのだ。


■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ■CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ ■26393CR.OO.A009CR.01

CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ

サンレイ仕上げを加えたグレーラッカーのダイヤルは、シックでお洒落。でもコンビケースなので、個性も強くて満足感が高い。

■26393CR.OO.A009CR.01 ■41mm ■18Kホワイトゴールド×18Kピンクゴールドケース ■グレーアリゲーターストラップ ■自動巻き ■30m防水

日本人の琴線に触れる“裏勝りの美学”

 これを可能にしたのは、「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」の特殊なケース構造になるのは明白だ。ラウンドケースに8角形のミドルケースを挟み込む構造なので、素材を変えることは容易である。しかもラグが中空構造になっているので、素材の違いがよくわかるのも楽しい。正面から見るとエレガント、サイドから見るとアバンギャルドという「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」の個性を、さらに引き出すコンビケースになってるのだ。


■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ■CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック ■15210CR.OO.A002CR.01

デザインとして一貫されているピンクゴールドのローターにも注目。

 こういったコンビケースであれば、話は変わってくる。そもそも日本には、シックな着物だけど裏地に凝るという「裏勝りの美学」という文化がある。さりげなく見せて実は凄いというのは、むしろ日本人にとっては嬉しいサプライズなのだ。

 となれば「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」のコンビケースに勝るものはない。正面から見える単一素材モデルとの違いは、インデックスや針がゴールドになっているところだけ。しかしちょっと腕が動いてケースサイドが見えると、パッと華やぎを増す。

 コンビケースの個性である“華やかさ”はやや抑えめにしつつ、コンビケースのメリットである“立体的な時計デザイン”は存分に生かすという見事な戦略には、ただただ脱帽である。


■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ■CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック ■15210CR.OO.A009CR.01

CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック

コクのある色合いでラグジュアリー感を演出する。

■15210CR.OO.A009CR.01 ■41mm ■18Kホワイトゴールド×18Kピンクゴールドケース ■グレーアリゲーターストラップ ■自動巻き ■30m防水

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