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YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第52回~

複雑機構のパイオニアとしてのオーデマ ピゲ

2019.9.20
■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ■ジュール オーデマ トゥールビヨン クロノグラフ ■26353PT.OO.D028CR.01

文:篠田哲生 / Text:Tetsuo Shinoda
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。

 1882年に世界初の腕時計式ミニッツリピーターを完成させた実績からも分かるように、オーデマ ピゲは「複雑機構の担い手」として君臨し続けている。その伝統を継承する「ジュール オーデマ」のコレクション、東京ミッドタウンで2019年10月19日(土)から開催されるエキシビション『時計以上の何か』の情報とともに、オーデマ ピゲの時計製造の真髄に迫る。

ラウンドケースに秘めたオーデマ ピゲの歴史と伝統

 オーデマ ピゲの時計を語る際には、ラグジュアリースポーツの傑作「ロイヤル オーク」や「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」など、歴史の新しいコレクションたちが主役となりがちだ。しかし1875年から始まるオーデマ ピゲの歴史をひも解くなら、伝統を受け継ぐ上質なラウンドケースモデル「ジュール オーデマ」を忘れてはいけない。スイス屈指の人気時計ブランドは、その歴史をじっくりと噛みしめるブランドでもあるのだ。

 時計職人の家系に生まれたジュール=ルイ・オーデマは、時計修業を終え、時計師の道へと進む。彼は1875年にジュウ渓谷のル・ブラッシュに小さな時計工房を開き、時計製造を開始する。得意としたのは複雑機構で、そのセンスが評価され、多くのオーダーが舞い込んだという。そこで幼馴染の時計師であったエドワール=オーギュスト・ピゲに声をかけ、彼を工房に引き入れた。彼らが作るムーブメントは多くの時計ブランドに採用されたが、それには飽き足らず、1881年から自社ブランドの時計を製造するようになる。それこそが、彼らの名を組み合わせた時計ブランド、オーデマ ピゲの始まりだ。

 オーデマが時計の技術面を担当し、ピゲが経営面を担当するという黄金コンビの活躍によって、オーデマ ピゲは名声を得る。特に時計業界と時計愛好家に名が知れ渡ったのが、1892年に作った世界初の腕時計式ミニッツリピーターだった。「オーデマ ピゲ=複雑機構」という構図は、この時点で出来上がっていたのだ。


AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ジュール=ルイ・オーデマ制作の懐中時計

ジュール=ルイ・オーデマが修業時代に、卒業制作として作った懐中時計。その後、工房で何度かの改良を重ねているそう。永久カレンダーやミニッツリピーター機構を搭載している。

AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) 1942年製クロノグラフモデル

クロノグラフも得意な機構である。こちらは1942年製モデルで、ドレッシーな雰囲気。

 歴史的なオーデマ ピゲのコレクションを見ると、当然ながら時計デザインの王道であるラウンドケースのモデルが多く見つかる。オーデマ ピゲは、懐中時計の時代はもちろんのこと、腕時計時代になっても美しいラウンドウォッチを作ってきたのだ。こういった歴史と伝統を受け継ぐのか、創業者の名を冠した「ジュール オーデマ」のコレクションである。

 オーデマ ピゲの個性的かつ革新的な時計たちに慣れてしまうと、かなり“普通の時計”に見えるだろう。しかしケースサイドを緩やかにカーブさせつつヘアラインで仕上げ、ベゼルは綺麗に磨き上げるなどして、メリハリのあるルックスを作っており、オーデマ ピゲの丁寧な時計作りを堪能できる。しかもインデックスはバータイプでシンプルにまとめつつ、針はリーフ型で艶っぽさを演出。シンプルさと優雅さを巧みに組み合わせており、一般的なラウンドウォッチとは一線を画する美しさがある。

「ジュール オーデマ」はシンプルなドレスウォッチだけでなく、複雑機構を搭載したモデルも多い。つまりオーデマ ピゲの歴史を継承する、正統な存在なのである。


■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ■ジュール オーデマ トゥールビヨン クロノグラフ ■26353PT.OO.D028CR.01

ラウンドケースに収まることで、ハイコンプリケーションでもクラシカルな雰囲気になった「ジュール オーデマ トゥールビヨン クロノグラフ」。

東京ミッドタウンで注目のエキシビション
『時計以上の何か』が開催

 こういったオーデマ ピゲの時計哲学を知るためには、本来であればスイスのジュウ渓谷、ル・ブラッシュを訪問するのが一番だろう。しかし簡単に叶えられることではない。だからこそオーデマ ピゲは、ユーザーが参加できる体感型のエキシビションを開催する。

 2019年10月19日(土)から11月4日(月・振休)まで、東京ミッドタウンで開催されるエキシビション『時計以上の何か』は、オーデマ ピゲの時計とその哲学を様々な角度から解明するイベントだ。内部は12の部屋に分かれており、過去の傑作から現行モデルまで約150本の時計を展示。さらにはスイスから来日した時計師が、時計の分解組み立ての実演も行うという。

 このエキシビションは、“デザインを五感で楽しむ”をコンセプトに東京ミッドタウンで行われる「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH」の一環として開催されており、オーデマ ピゲがサポートする現代アート作家とパートナーシップを組んだ展示になっている。アート鑑賞する感覚でオーデマ ピゲの世界に触れることができるので、ショッピングやディナーのついでに遊びに行くもの楽しそう。オーデマ ピゲの神髄を深く知れば、「ジュール オーデマ」の魅力に気が付くはずだ。


AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) 『時計以上の何か』開場イメージ

会場内は12の部屋に分かれており、世界中のアーティストが空間を構成。“複雑性と正確性”をテーマにしており、ブランドの世界観をひも解くエキシビションになっている。来場者は“時計を見る”のではなく、オーデマ ピゲを感じるのだ。

『時計以上の何か』
開催期間/2019年10月19日(土)~11月4日(月・振休)
開催会場/東京ミッドタウン(六本木) 芝生広場
開場時間/11:00~19:30
※10月19日(土)は15:00~20:00(最終受付は閉館の30分前までとなります。)
入場料:無料(事前予約優先)
www.beyondwatchmaking.jp

レガシーが感じられるオーデマ ピゲの複雑機構4選

  • ■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ■ジュール オーデマ トゥールビヨン クロノグラフ ■26353PT.OO.D028CR.01

    ジュール オーデマ トゥールビヨン クロノグラフ

    クロノグラフ×トゥールビヨンオープンワークのダイヤルに、「トスカーニ」と命名されたブルーのダイヤルを組み合わせた。ケースはプラチナ製。
    ■26353PT.OO.D028CR.01 ■43mm ■プラチナケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き ■20m防水

  • ■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ■ジュール オーデマ・トゥールビヨン ■26561BC.OO.D002CR.01

    ジュール オーデマ トゥールビヨン

    小ぶりなローマ数字インデックスで端正に仕上げつつ、6時位置のトゥールビヨンでメカニカルな魅力も加える。シンプルだが滋味深いモデルだ。
    ■26561BC.OO.D002CR.01 ■39mm ■18Kホワイトゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き ■20m防水

  • ■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ■ロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリ ■26591TI.OO.1252TI.01

    ロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリ

    澄んだ音色を楽しむ特別なミニッツリピーター機構を「ロイヤル オーク」に搭載。チタンケース&ブレスレットを採用し、防水性能も20mを確保。日常使いができるハイエンドウォッチだ。
    ■26591TI.OO.1252TI.01 ■42mm ■チタニウムケース&ブレスレット ■手巻き ■20m防水 ■ジャパンブティック限定20本

  • ■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ■ロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリ ■26591PT.OO.D002CR.01

    ロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリ

    「ロイヤル オーク」のデザインはそのままに、圧倒的な音量と最高峰の音色を備えるミニッツリピーター機構を搭載。陰影に富むグランド タペストリー・ダイヤルにスモールセコンド付きというシンプルさが好ましい。
    ■26591PT.OO.D002CR.01 ■42mm ■プラチナケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き ■20m防水 ■ジャパンブティック限定

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