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YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第275回~

進化する美しき記号
「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」

2024.1.31
■オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)■CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ ■26393ST.OO.A056KB.01 / 26393ST.OO.A348KB.01

文:篠田哲男 / Text:Tetsuo Shinoda
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。

 2019年にデビューした「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」は、この5年間でさまざまな進化を遂げている。次世代のマスターピースを目指して躍進する人気モデルの現在地から、これからのオーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)の姿が見えてくる。

2019年にセンセーショナルなデビューを果たす

 最後の開催となった2019年のSIHHで発表された「CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ」(以下CODE 11.59)のデビューは、まさにセンセーショナルなニュースだった。これだけ市場が成熟した状況の中で、全く新しいコレクションをつくり上げるだけでも困難だが、しかもシンプルな三針モデルからハイコンプリションまで一気に13モデルをフルラインナップするという陣容も圧巻だった。

 モデル名のCODEは、Challenge(挑戦)、Own(継承)、Dare(追求心)、Evolve(進化)の頭文字からなり、また“11.59”とは新しい一日が始まる直前の11時59分という意味だ。ラウンド型の繊細なベゼルとバックケースの間に、オーデマ ピゲのDNAを踏襲した八角形のミドルケースを挟み、ラグは肉抜き形状にして立体感を強調。オーデマ ピゲの規範(コード)を継承しつつ、革新的なスタイルを表現したCODE 11.59は、まさに2019年の時計業界の顔であった。

 しかし驚くことに、翌年以降も進化を止めなかった。

 2020年には、ラッカー仕上げの美しいグラデーションダイヤルが誕生。さらに八角形のミドルケースの素材を変更してゴールドのコンビケースを提案。さらに2021年はこのミドルケースをセラミック素材した新たなバイマテリアルケースが登場。異なる素材の組み合わせによって、CODE 11.59の可能性をさらに広げた。そして2022年はケースにダイヤモンドをセッティングしたり、ソーダライトやオニキスといった天然石のダイヤルが登場したりと、全体的に華やぎを加える進化を行った。

新しいコレクションでは、素材とサイズが話題に

 2023年ではさらに大きな進化を遂げた。ひとつめのニュースはホワイトかピンクゴールドケースのみだったCODE 11.59にステンレススティールケースのモデルが加わったこと。ただしゴールドよりもはるかに硬い素材で、CODE 11.59の立体的なケースやラグを切削するのはかなり難度が高かったという。つまりこのモデルは、オーデマ ピゲの加工技術の進化でもあるのだ。さらにダイヤル装飾も進化し、スタンプ加工によって中央に行くほど凹凸を細かくすることで新たな光の効果を加えた。インデックスはバータイプのみに変更され、インナーベゼルの秒目盛りを細かくするなど細かいアップデートを随所に取り入れている。


■オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)■CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ ■26393ST.OO.A056KB.01

高度な切削技術を披露したステンレススティールのコレクション、これだけでも十分にニュースだが、さらにCODE 11.59はターゲットを広げるべく、2023年の10月に38mm径のジェンダーレスサイズが登場。ケースはどちらもピンクゴールドで、ミドルケースも同素材。ダイヤルカラーはシックなアイボリーと華やかなパープルが用意される。ダイヤルの装飾やインデックスはステンレススティールモデルと同様だが、インナーベゼルのデザインは初代と同じくシンプルなタイプにするなど、細かなチューニングを積み重ねている。


■オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)■CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック ■77410OR.OO.A623CR.01

程よいバランスの38mm径の新しいピンクゴールドケース。続々とコレクションを拡大しているCODE 11.59だが、デザインコードは共通しているので違和感はない。むしろバリエーションが広がることで、時計を選ぶ楽しさが増しているとも言えるだろう。かつての「ロイヤル オーク」がそうであったように、CODE 11.59もまた、マスターピースへの道を着実に歩んでいる。その歩みを目の当たりにできるのは、とても幸運なことなのかもしれない。


  • ■オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)■CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ ■26393ST.OO.A348KB.01

    CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ

    人気の高いブルーダイヤルモデルは、インダイヤルやインナーベゼルをグレーにすることで締まった印象に仕上げた。

    ■26393ST.OO.A348KB.01 ■41mm ■ステンレススティールケース ■ラバー加工ストラップ ■自動巻き ■30m防水 ■¥5,225,000(税込)

  • ■オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)■CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ ■26393ST.OO.A056KB.01

    CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ クロノグラフ

    トレンド感のあるグリーンダイヤルモデルは、全体を同系色でまとめて色の印象を強める。グリーンラバー加工のストラップにはカジュアルな雰囲気があるので、さまざまなシーンで使いたくなる。

    ■26393ST.OO.A056KB.01 ■41mm ■ステンレススティールケース ■ラバー加工ストラップ ■自動巻き ■30m防水 ■¥5,225,000(税込)

  • ■オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)■CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック ■77410OR.OO.A623CR.01

    CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック

    やや小ぶりな38mmケースに収めるのは、2022年発表の自社ムーブメントCal.5900。針にはステンレススティールモデルと同様に夜光塗料を塗っている。

    ■77410OR.OO.A623CR.01 ■38mm ■18Kピンクゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き ■30m防水 ■¥4,950,000(税込)

  • ■オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)■CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック ■77410OR.OO.A825CR.01

    CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ オートマティック

    アイボリーのダイヤル&ストラップを使用。ピンクゴールドのケースと相性もよく、全体的に柔らかな印象にまとまっている。

    ■77410OR.OO.A825CR.01 ■38mm ■18Kピンクゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■自動巻き ■30m防水 ■¥4,950,000(税込)

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