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YOSHIDAで体験する、高級時計への旅 ~第125回~

オーデマ ピゲの「フロステッドゴールド」が導き出した
ゴールドウォッチの新たな可能性

2021.2.12
■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ■ロイヤル オーク フロステッドゴールド クロノグラフ ■26331BC.GG.1224BC.03

文:篠田哲生 / Text:Tetsuo Shinoda
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano

※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。

 古来より装飾品の素材として用いられてきたゴールドは高級時計の定番素材だが、AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ)はこの素材を進化させた。その名は「フロステッドゴールド」。伝統的な技法を現代的にアップデートし、モダンな表現に仕上げることで、ゴールドウォッチはさらなる魅力を得るのであった。

ゴールドの歴史と文化を学ぶ

 人類史にゴールドが現れたのは紀元前3000年半ばだといわれている。変色しにくくて腐食にも強く、それでいて柔らかいため、古代の道具でも加工しやすいのも重要だった。しかもその輝きは太陽のように明るくて美しい。そのため多くの装飾品が作られた。ツタンカーメンの黄金マスクに代表されるように、ゴールドは高貴な人々のための特別な貴金属だったのだ。

 では時計ケースに使用されるようになったのは、いつからだろうか? 正確な文献が残っていないが、機械式時計が小型化され携帯できるようになったのが16世紀の初頭。始めは真鍮製のケースを用いたが、王侯貴族や宗教家などの権力者が競い合うように時計を作らせたというから、高貴な人々のための素材であるゴールドも早い段階で使用されるようになったことは間違いないだろう。変色しにくくて腐食にも強いという性質もあって、スイスの時計ミュージアムには数百年前に作られたゴールド製の懐中時計がいくつも展示されている。

 ゴールドは高貴であるだけでなく、永遠の美しさがある。だからこそ、永遠に時を刻む高級時計の素材に適しているのだ。


■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ■ロイヤル オーク フロステッドゴールド オートマティック ■15454OR.GG.1259OR.03

ロイヤル オーク フロステッドゴールド オートマティック

ダイヤルをピンクゴールド色でまとめ、全体的に調和した雰囲気に。

■15454OR.GG.1259OR.03 ■37mm ■18Kピンクゴールドケース&ブレスレット ■自動巻き ■50m防水

豊かな表現もゴールドの強み

 純度100%の純金はとても柔らかい。金箔や金糸は、純金の柔らかさを活かした技術だが、携帯する時計のケース素材として用いるには柔らかすぎる。そのため金の純度を75%に下げ、25%分の他の金属を混ぜることで硬度を高めるのが「割り金」という技術である。

 この技術は18世紀中ごろには確立されており、1751年から出版された知の集大成「百科全書」にも、その配合が書かれているという。

 現在はブランドごとに色々な配合を行い、オリジナリティの高いゴールドを作っているが、一般的には金75%+銀15%+銅10%がイエローゴールドで、金75%+銀10%+銅15%がレッドゴールド。ホワイトゴールドは金75%+銀15%に加えて、白色のパラジウムを10%混ぜることでゴールドを白くしている。ちなみにパラジウムはプラチナに近い特性がある貴金属なので、ホワイトゴールドは他のゴールドよりも高価になる傾向がある。

 しかし、こういった色の違いも含めて楽しむのが、現代のゴールドウォッチの嗜みとなっている。


■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ■ロイヤル オーク フロステッドゴールド クォーツ ■67653BC.GG.1263BC.02

ロイヤル オーク フロステッドゴールド クォーツ

ロイヤル オークの中では最小となるクォーツモデルも、フロステッドゴールド仕上げなら華やかになる。

■67653BC.GG.1263BC.02 ■33mm ■18Kホワイトゴールドケース&ブレスレット ■自動巻き ■50m防水

表現力を進化させたフロステッドゴールド

 様々な色のゴールドウォッチが時計市場を賑し、独自の配合から個性的なゴールドケースを導き出したブランドも増えてきた。もはやゴールドであるだけでは特別ではない。ゴールドをどう表現するかが問われる時代となっている。

 オーデマ ピゲではゴールドに対して“色”ではなく、ジュエリーの技法を取り入れることで個性的な表現を追求した。

 女性用ロイヤル オーク40周年にあたる2016年に、ジュエリーデザイナーのキャロリーナ・ブッチとのコラボレーションとして発表された「ロイヤル オーク フロステッドゴールド」の仕上げは、イタリアのフィレンツェにルーツを持つ伝統的な鍛金技法。“霜で覆われたゴールド”という意味をもっており、ダイヤモンドのついた治具を使ってゴールド素材の表面に凹凸をつけることで光を乱反射させ、不思議な輝きを作っている。

 その美しい存在感は多くの愛好家の心を掴み、オーデマ ピゲの新たな創造性を語るアイコンとなっている。


■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ■ロイヤル オーク コンセプト フロステッドゴールド フライング トゥールビヨン ■26630OR.GG.D326CR.01

ロイヤル オーク コンセプト フロステッドゴールド フライング トゥールビヨン

個性的な多面ケースにフロステッドゴールド仕上げを施し、複雑機構を華やかに遊ぶ。

■26630OR.GG.D326CR.01 ■38.5mm ■18Kピンクゴールドケース ■アリゲーターストラップ(シャイニーブルーラバーストラップ付き) ■手巻き ■20m防水

■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ■ロイヤル オーク コンセプト フロステッドゴールド フライング トゥールビヨン ■26630OR.GG.D326CR.01

腕時計にまるでジュエリーのような質感を与えるキャロリーナ・ブッチによる「フロステッドゴールド」の伝統的な鍛金技法。

フロステッドゴールドは男性をも魅了する

 女性のための装飾テクニックとして誕生したフロステッドゴールドだが、意外にも男性の愛好家からも注目された。ダイヤモンドは存在感があり過ぎるが、もう少しキラメキが欲しいという愛好家の琴線を刺激したのだ。しかし基本的にはレディスウォッチ用の技法であり、37mm径のジェンダーレスモデルや38.5mm径の「ロイヤル オーク コンセプト」が最大モデルとなっている。

 もっと大きなケースで、フロステッドゴールドを楽しみたい…。そんな男性愛好家から願いを実現させるのが、ジャパンブティック限定モデルとして誕生した41mm径の「ロイヤル オーク クロノグラフ」だ。

 大きなメンズウォッチで、しかも力強いクロノグラフでありながら、フロステッドゴールドの華やかさが加わることで、スタイルは残したままラグジュアリースポーツウォッチにエレガントな雰囲気を加えている。これを手にできる日本の時計愛好家は、かなり幸運だといえるだろう。

 新しい表現を確立したことで、「ロイヤル オーク」はますます魅力的に熟成を重ねている。


■AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ) ■ロイヤル オーク フロステッドゴールド クロノグラフ ■26331BC.GG.1224BC.03

ロイヤル オーク クロノグラフ

メンズサイズのフロステッドゴールドモデル。

■26331BC.GG.1224BC.03 ■41mm ■18Kホワイトゴールドケース&ブレスレット ■自動巻き ■50m防水 ■ジャパンブティック限定111本

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