世界にふたつとない
オーデマ ピゲのサロンが開設
文:名畑政治 / Text:Masaharu Nabata
写真:岡村昌宏(クロスオーバー)/ Photos:Masahiro Okamura(CROSSOVER)
編集:戸叶庸之 / Edit:Tsuneyuki Tokano
※掲載商品の情報及び価格は変更される場合がありますのでご了承ください。
文:名畑政治 / Text:Masaharu Nabata
写真:岡村昌宏(クロスオーバー)/ Photos:Masahiro Okamura(CROSSOVER)
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去る7月、東京・幡ヶ谷の「YOSHIDA 東京本店」の本館1階に「オーデマ ピゲ サロン」が開設された。世界屈指の時計店として知られるYOSHIDA(ヨシダ)によって、新たに生み出されたオーデマ ピゲ専門サロンには、どのような魅力が潜んでいるのだろうか?
「YOSHIDA 東京本店」本館1階に新たに設置された「オーデマ ピゲ サロン」の特徴は、サロンの入り口の近くあるAUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ)の製品を展示するオーデマ ピゲ専用のコーナーと別個に設定されていることだ。
この両者が独立した構成により、オーデマ ピゲの購入を考えている顧客は、まず“コーナー”で希望するモデルを伝えて品定めし、それを別室の“サロン”に持ち込んで、じっくりと吟味することが可能となっている。
東京・幡ヶ谷の「YOSHIDA 東京本店」1階に設置されているオーデマ ピゲのコーナー。サロンを訪ねた顧客は、まずここで希望するオーデマ ピゲのモデルやタイプを告げる。これを受けたスタッフが豊富な品々から、それに適合するモデルを選び、その後、サロンへと場所を移し、モデルを実際に手にとって確認する。
ちなみに、このサロンのしつらえは、2017年3月にオープンした「オーデマ ピゲ ブティック 大阪」と共通するもの。
“複雑時計の揺り籠”と呼ばれるように、古くから複雑時計の開発と製造に注力してきたスイスのヴァレー・ド・ジュウ(ジュウ渓谷)。この地において、中心的な存在として君臨し続けるのがオーデマ ピゲである。
このサロンと大阪ブティックには、オーデマ ピゲが創業した1875年以降、連綿と本社を構えるジュウ渓谷から取り寄せた天然素材(石や木材など)を駆使した建材が使われ、そこに専用設計の什器を並べることで、心和む快適な空間を生み出している。
では一体、YOSHIDAとスイスのオーデマ ピゲ本社が、このような関係性を築くに至ったのは、どんな理由からなのだろうか?
その答えは、両社とも豊かな伝統と革新性を融合させ、独立精神に基づく「ファミリービジネス」という共通項が存在するから。つまり、東京の「オーデマ ピゲ サロン」も「オーデマ ピゲ ブティック 大阪」も、YOSHIDAファミリーとオーデマ ピゲ・ファミリーの強い絆あったからこそ誕生したのだといえる。
穏やかなウッドの質感を最大限に活用した「オーデマ ピゲ サロン」の内装。過剰な装飾を排したシンプルさを極めた空間演出により、じっくりとお望みのオーデマ ピゲを吟味することができる。
快適な空間演出もさることながら、このサロンをなによりも特徴づけているのが、世界一といっても過言ではない圧倒的なオーデマ ピゲの豊富な在庫である。これはある意味、「オーデマ ピゲ ブティック 大阪」を凌駕しているのではないか、と思えるほど。
特に素晴らしいのは、ベーシックなモデルはもちろんのこと、オーデマ ピゲの伝統を継承するコンプリケーション・モデル(複雑時計)が多数、揃っていることだろう。
ロイヤル オーク ミニッツリピーター スーパーソヌリ
ベーシックな「ロイヤル オーク」のケースに、圧倒的な音量と最高峰の音色を備えるミニッツリピーター機構を搭載したレア・モデル。世界で唯一、入手できるのは「YOSHIDA 東京本店」本館1階の「オーデマ ピゲ サロン」だけ。陰影に富むグランド タペストリー・ダイヤルにスモールセコンド付きというシンプルさが好ましい。
■26591PT.OO.D002CR.01 ■42mm ■プラチナケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き ■20m防水
それに加えて、さらにサロン(もちろんコーナーも含め)の価値を高めているのが、全世界でもここだけでしか入手することのできない“YOSHIDAスペシャル”と呼ばれる限定モデルが充実していることにほかならない。
通常、オーデマ ピゲの限定モデルは、国別に作られるものだという。ところがこのサロンにおいては、YOSHIDA社長とオーデマ ピゲ社長フランソワ-アンリ・ベナミアス氏との強い絆から、全世界で唯一、オーデマ ピゲ正規販売店としてのYOSHIDAのスペシャルモデルが実現したというのである。
ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー
重厚感溢れるプラチナ製ケースにオーデマ ピゲの自社開発・製造による永久カレンダー・ムーブメント「Cal.5134」を搭載したモデル。ケース厚はわずか9.5mm。ダイヤルはグランド タペストリーをベースに、ブラックとロジウム・カラーのツートーンのインダイヤルを配置し、表情豊かに仕上げられている。
■26597PT.OO.1220PT.01 ■41mm ■プラチナケース&ブレスレット ■自動巻き ■20m防水
オーデマ ピゲのYOSHIDAスペシャルが誕生したのは5年ほど前のこと。当時は「ジュール オーデマ」などトラディショナルなモデルが中心だったという。
やがて、世界的にも人気の高い「ロイヤル オーク」をベースとして、ブラック・ダイヤルのトゥールビヨン・モデルを製作。さらにプラチナ製ケースにバゲットカットのダイヤモンドをセッティングした、極めて希少なトゥールビヨンなども製作された。こうしてYOSHIDAスペシャルは、通常のカタログにはないモデルを、毎年5種類ほど製作し、発表してきた。
このように世界的に見ても、極めて希少なYOSHIDAスペシャルが、これまで主に用いてきたケース素材はプラチナであった。ただし、来年以降は重厚なプラチナに代えて、チタンやセラミックなどを用いることで、軽さを追求していくのだという。こちらもまた楽しみ。
おそらく今後も、世界中の時計愛好家の間で、東京の「オーデマ ピゲ サロン」の価値と名声が、さらに高まっていくことだろう。
ジュール オーデマ ミニッツリピータ トゥールビヨン クロノグラフ
YOSHIDAスペシャル
コンプリケーションのパイオニアであるオーデマ ピゲの行持が感じられる、「ジュール オーデマ」の最高峰にあたる1本。
■26345OR.OO.D099CR.01 ■41mm ■18Kピンクゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き ■非防水
RG ミレネリー クァドリエナルカレンダー
オーバルシェイプのケースやオフセンターのレイアウトが特徴の「ミレネリー」。美しい素材の組み合わせも見逃せない。
■26149OR.OO.D803CR.01 ■47mm ■18Kピンクゴールドケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き ■20m防水
ロイヤル オーク トゥールビヨン
エクストラシン
SIHH2018 新作 YOSHIDAスペシャル
特殊な錬金加工のホワイトゴールド製ケース&ブレスレットと複雑機構の花形であるトゥールビヨンの競演は贅の極みにほかならない。
■26520BC.GG.1224BC.01 ■41mm ■18Kホワイトゴールドケース&ブレスレット ■手巻き ■50m防水
ジュール オーデマ ミニッツリピーター
スーパーソヌリ
YOSHIDAスペシャル
画期的な「スーパーソヌリ」を搭載したクラシックなデザイン。ローマ数字を配した美しいエナメルダイヤルにも注目したい。
■26590PT.OO.D002CR.01 ■43mm ■プラチナケース ■アリゲーターストラップ ■手巻き ■20m防水
YOSHIDA 東京本店
東京都渋谷区幡ヶ谷2-13-5
<Googlemapはこちら>
営業時間:10:30~19:30
年中無休(年末年始を除く)
ロングランの人気連載コラム。グレッシブが擁するベテランから気鋭のライターが、YOSHIDAが取り扱うタイムピースおよびブランドをご紹介します。時計の基本的な情報はもちろん、この連載ならではの様々な切り口で注目ブランドの魅力を解説します。パテック フィリップ、オーデマ ピゲ、ウブロなどの人気ブランドから新進気鋭まで名店YOSHIDAならではの審美眼について特集を展開します。
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